■ジョニー・Dの独白
2020年制作のアメリカ映画「黒い司法(原題:Just Mercy)」を観ました。
https://eiga.com/movie/90684/
冤罪の死刑囚たちのために奮闘した弁護士ブライアンが、黒人への差別が根強い1980年代のアラバマで体験した実話に基づいた映画です。
冤罪の被告人ジョニーDの独白が印象的でした。
こんな独白です。
逮捕されたとき、軽く考えていた。
真実は明らかだと。すぐに誤解とわかって釈放されると。
だが、警察は俺を犯人と言い、白人の男も俺が殺すのを見たと言った。
判事も陪審も俺だと言った。俺は死刑囚だ。
2年、3年、4年……。友だちも子どもたちも足が遠のいた。
そのうちみなに疑われている気がしてきて、自分でもわからなくなった。
真実はぼやけていた。
ジョニーDは、冤罪に気づいたブライアンの再審請求の提案に最初は興味を持ちませんでした。みんなから「犯人」だと思われ、言われ続けているうちに、自分でもわからなくなったのです。それにみんなの「期待(評価)」は裏切れない。みんながそう言うのであれば、それが正しいのかもしれない。
冤罪事件ではないですが、私のまわりには、ジョニーDのような人は決して少なくないような気がします。それがいい方向に働いている人もいるかもしれませんが、自分を見失って、みんなの評価に合わせていくケースが多いように思います。
他者を評価するということは、そういうことも考えなければいけません。
私は他者を評価することは不得手なのですが、時にしているかもしれません。
しかしその評価はたぶん間違っているのでしょう。
他者を評価したつもりが自分を評価していることもよくありますし。
フェイスブックなどで私を「評価」してくれる人がいますが、私はそれを読んで、逆にその人のことだと思ってしまいます。
他者のことなどわかるはずもない。ましてや評価することなどできようもない。
そう思うのですが、いろんな人が私を評価してくれます。困ったものです。
私はその人のことがわかった気もしますが、私自身も少なからず影響を受けている可能性もあります。注意しなければいけません。
他者の評価に影響されて生きるのではなく、素直な自分を生きたいものです。
ちなみに、これは自分のことだけではありません。
「人とは…」「社会は…」などについても、みんなの意見で決めつけている人も少なくありません。
どうしてみんな自分の体験の方を大切にしないのか不思議でなりません。
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