■「進む辺野古移設 市民にうんざり感」(朝日新聞2022年1月25日朝刊)
今朝の朝日新聞に掲載されていた、辺野古でのフィールドワークを20年近く続けている熊本博之さんの指摘をぜひ多くの人に読んでほしいと思います。
ついでに天声人語も。
■進む辺野古移設 市民にうんざり感(朝日新聞2022年1月25日朝刊)
名護市長選の結果から、何を読み取ればいいのか。辺野古でのフィールドワークを20年近く続ける熊本博之・明星大教授に聞いた。
名護市民は、渡具知市政の継続を選んだ。しかし、市民が「決定権なき決定者」であることを忘れてはなりません。25年にもわたって、市民は「辺野古移設についての態度を示せ」と言われ続けてきました。しかし、どんな決定をしても辺野古の計画は止まらない。市民がノーと言っても、ブレーキとして機能しないのです。政府に意向をくみ取られるのは、移設を容認した時だけです。
未来について複数の選択肢があるように見えながら、実際にはひとつの方向にしか流れていかない。ならば、少しでも生活を安定させようと考えて政府に協調的な候補者に投票する、というのはそれほど不思議な選択ではありません。
コロナ感染が広がっていることが原因かもしれませんが、選挙戦は以前に比ベれば静かでした。何をやっても政府の方針にあらがえない。どうしようもない。そんなうんざり感です。
市民をそう追い込んでいるのは、直接的には政権であり、さらにはそれを支えている国民です。2019年の県民投票で沖縄が「反対」と示しても、安倍政権は一顧だにしませんでした。でも支持率はほぼ下がらなかった。かじをにぎっているのは本土の側です。
名護市民だけに責任を押しつけてはいけません。
いま政府は、自分にとって都合のいい決定をした自治体の意見だけを聞いています。その結果、国が求める役割を先回りしようとする人が現れ、「国に貢献するのは当たり前だ」という空気が広がっています。沖縄で起きている問題は、沖縄だけの問題ではないのです。(聞き手=編集委員・谷津憲郎)
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