■節子への挽歌5292:久しぶりに長電話
節子
しばらく連絡がなかった武田さんから電話がありました。
彼はこの数か月、最後の本を仕上げようと原稿をまとめているのです。
その途中で何か新しいことを思いついたり、考えに迷うことがあると、私に電話をかけてきて、いつも1時間前後の長電話になるのですが、最近、私がいかにも異論を唱えることが多いので、電話の回数が減ってきているのです。
私の返答は、考えれば考えるほど内容が劣化しているという、武田さんにとっては一番聞きたくない内容が多いからかもしれません。
しかし正直に言えば、だいたいどんな人の作品も論文も、最初の頃が一番輝いていて、山を超えたらどんどん退屈になってくるような気がします。
武田さんの本も、ある時期からは退屈に向かってきているように思います。
でも本人は、自分の思考はどんどん良くなっていると思いがちです。
これは武田さんに限ったことではありません。
私自身も同様です。
私は書籍などほとんど書いたことはありませんが、いくつかの小論は書き残しています。巣した小論でも、思い返せば、40代の頃に書いたものが一番よかったような気がします。小論に限りません。話もそうです。
先日、久しぶりに小一時間話をさせてもらいましたが、話していてそれがよくわかります。内容にひらめきがなく、我ながら退屈です。困ったものですが。
まあそれはそれとして、2か月ぶりくらいに武田さんと長電話でした。
それにしてふたりとも一向に成長しない。
堂々巡りに長電話をこの数十年続けているような気がします。
いやはや困ったものです。
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