■立ち向かう相手は誰か
今朝の朝日新聞の「異論のススメ」で、佐伯啓思さんが『「ロシア的価値」と侵略』と題した寄稿で次のような問いかけをしています。
今日、われわれはむき出しの「力」が作動する世界へ移行しつつある。ユーラシア大陸の中央部と東西の端はかなり異なった文明を持っている。西洋、アジア、ユーラシアの大国を舞台にした文明の衝突が起きる時、日本は、そのはざまにあって、前線に置かれる。その時、日本はどのような立場をとるのだろうか。
そして、さらにこう問いかけます。
状況次第では、日本も他国からの攻撃の可能性を排除することはできない。今回の事態(ロシアによるウクライナ侵略)は決して他人事ではない。果たして、われわれは、火炎瓶を作ってまで自衛しようとするウクライナの市民のように命がけで立ちあがるのであろうか。
これは前回の湯島でのオープンサロン以来、私も考えていることです。
というか、20代の頃から自問自答していた問いなのです。
自問自答だけではなく、30代の時にはある財界人から問いかけられ、話題にされたこともあります。その時、私の思いは相手にはほとんど伝わりませんでした。弁明の機会がないまま、その人はもう亡くなってしまいましたが、たぶん説明しても伝わらなかったという気もします。
この問いかけには、一つ、重要な要素が抜けているからです。
それは、「立ち向かう相手は誰か」です。
ウクライナ国民はいま誰に向かって立ち向かっているのか。
そこにこそ大切な意味があるような気がします。
ただ立ち上がればいいわけではありません。
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