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2022/04/23

■湯島サロン「原発事故で放出された放射性物質の行方」のご案内

山森さんの自然科学サロン第2弾です。

前回は日本列島がテーマでしたが、その最後に日本海が話題になりました。
そこで日本海をテーマにしたサロンをお願いしたのですが、福島の原発事故による海洋汚染に関心をお持ちの本間照光さんからの要望もあり、今回は「海流や地殻変動」の面から「原発事故で放出された放射性物質の行方」をテーマにすることになりました。

生々しい問題を題材にして、海流や地殻変動をわかりやすく話してもらえると思います。
原発事故による海洋汚染の問題に関しては、本間さんからも社会科学的視点からの話題提供もあるかもしれません。

前回と同じく、山森さんのお話のポイントは下記しますが、今回は宿題はありません。
「学習型」のサロンですが、みなさんの気楽な参加をお待ちしています。

〇日時:2022年5月29日(日曜日)午後2時~4
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「原発事故で放出された放射性物質の行方」
〇話題提供者:山森俊治さん(遺伝子と詩吟を愛する理学博士)
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com

〔山森さんが予定しているお話〕
〈原発事故で放出された放射性物質の行方(海流や地殻変動の面から捉えた概要)〉

東京電力福島第一原子力発電所でたまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、政府が基準以下に薄めて海に放出する方針を決めてから、413日で1年となる。
原発事故による大量の放射性物質の放出により陸上や海洋が汚染されたが、それぞれの場所でその汚染がどのように拡散し、どのような影響が出てくるのか、まだ不明な点が多い。

今回、このような放射性物質による環境汚染や今後の汚染拡大のリスク等について、海流や地殻変動や海流などの面から捉えた概要を話題提供してほしいとのご要望があり、サロンを行うこととした。

今回お話しする内容は次の3点を予定している。

 

①福島原発事故時に様々な研究者等から出された海洋流出した放射能汚染水の流れの予測図や、放射能汚染水と日本をめぐる海流および世界を めぐる海流循環との関係について仮説や中間報告を紹介したい。

原発事故により大気中に出た放射性物質は、風に乗って遠くまで運ばれ、最終的にその大部分である1215PBq(約8割)が海上へ、36PBq(約2割)が陸上へ降下したと推定されている。原子炉から海への放射性物質のおもな漏洩経路には、大気経路の他に、もうひとつ高濃度汚染水として原発から直に漏洩したものがあり、その量は3.6±0.7PBqと見積もられている。すなわち、原子炉から海へは、全体として1518PBqもの放射性セシウムが放出されたと考えられている。〔P:ペタ、(1015乗) Bq.:ベクレル(放射能の強さを表す単位)

原発事故で太平洋に流出した放射性物質セシウム134/137は、「亜寒帯循環」の海流に乗って北米海岸までたどり着き、78年後に再び親潮に乗って日本に回帰したとともに北極海まで広がっているとの見方が示されている。

一方、北太平洋の北緯15度から35度くらいの海域の亜熱帯循環に乗った一部のセシウムは太平洋上で南西に向かい、台湾付近で黒潮に乗り、対馬海峡を経て1年後に日本海に流入したとのコンピューターシミュレーションが報告されている。その他のセシウムの大部分は同海域にある亜熱帯モード水および中央モード水として海洋の内部循環に沈みこんで南下していったと考えられている。

(モード水:表層水塊の一つとして、モード水と呼ばれる水塊がある。このモード水は、各大洋の中緯度において、冬季に混合層が周りに比べて深くまで発達する海域で形成される。)

②日本沿岸域の放射性セシウムの動きから見た福島沿岸域の現状および「海洋環境における放射能調査及び総合評価事業海洋放射能調査(令和2年度)」の要点も合わせて紹介したい。{福島沿岸での黒潮系暖水(南下流)による高濃度汚染水の拡散のしにくさなど。}

③地殻変動等との関連については、断層運動、地すべり、火山減少、侵食、鉱物資源等の掘採などによる、地中等に蓄積または地下貯水池に保管していた汚染物質(泥状濃縮廃液)の漏洩による河川や海洋への流入などが危惧されている。これらに付き概要を紹介する。

(廃棄物埋設地における断層が地下水流水経路となる可能性。同様に埋設地付近の噴火やマグマの貫入、隆起、海水準変動に伴う侵食の影響など。)

 

 

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