■湯島サロン「脳の食べ物は言葉だけ? ~脳への栄養の再考 ~」報告
視覚的媒体を活かして話し合うワークショップ形式の仲谷さんのサロンは、サロン初参加の人も含めて7人が集まりました。
今回のプログラムは、参加者の一部が目をふさいで見えない状況にし、みんなには提示された画像(絵や写真)を、その画像が見えていない人に楽しんでもらうというものでした。
1回目は1人だけ、2回目は2人が目を覆って、盲目状態にして、みんなと会話を楽しむというわけです。
それぞれに使う画像は、ある雑誌の表紙と記録的な写真でした。
今回の進め方は、いずれも目が見えない状況にある人からの質問から始めるスタイルでした。
それぞれ1時間ほどかけてのワークショップでしたが、見えていない人に説明するために、画像をよく見なければいけません。よく見ていると、最初の印象とは違ってくるのといろいろと小さなところに気が付きます。私たちは、物事のほんの一部しか見ていないことにも気づきます。
また話し合ってみると、同じものでも人によって解釈はさまざまです。また、見えない人の関心と見えている人の関心の違いにも気づかされます。
話し合いが一段落したところで、果たしてどんな画像だったと思うかを目を覆っていた人に話してもらい、その後、目の覆いを外して、画像を見てもらいます。
時間をかけたせいか、なんとなく画像の情報はつたわっていたような感じでしたが、たぶん、目の見える人が持った感情的なものまでは伝わっていなかったような気がします。
また説明する側も、「説明」という言葉に象徴されるように、論理的に解説する傾向が強いのが印象的でした。
しかし例えば、2回目の写真の時には、それを見たとたんに、何人かが笑ってしまいました。目の見えない状態の人には、それが気になったようで、どうして笑ったのかという問いかけもありましたが、その理由はなかなか説明が難しいことに気づかされました。
いろいろなことの気づかされるワークショップでした。
仲谷さんは、他にもプログラムを用意してきていたようですが、時間が無くなってしまい、今回はこの視覚を遮断して人とのコミュニケーションだけで終わりました。
仲谷さんは、この手法を組み合わせたコミュニケーション支援や自己再発見のためのプログラム開発を検討しているそうです。
課題はたくさんありそうですが、そのプログラム開発そのものも面白そうです。
どなたか仲谷さんとコラボレーションしたいという方がいたら、仲谷さんに連絡してみてください。仲谷さんは、研究会的なものも立ち上げたいと思っているそうです。
また希望者がいれば、仲谷さんのワークショップ型サロンを企画することも考えたいと思います。
ちなみに、サロンのタイトルの「脳への栄養の再考」に関しては、直接には話し合いにはありませんでしたが、いろいろと考えるヒントがあったような気がします。
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