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2022/05/01

■湯島サロン「理学療法士から見て最近思うこと」報告

理学療法士の山本尚司さんのサロンには、急なご案内にもかかわらず、10人を超える参加者がありました。

Ptsalon
山本さんは最初に、東日本大震災後の福島にリハビリ専門職の人たちでチームをつくり、3年間、現地で活動した時の話をしてくれました。
そこで、混沌とした人間のリアルな姿を目の当たりにして、さまざまな気付きをもらったそうです。「心技体」という言葉がありますが、身体や技に関しては、それまでに多くの蓄積を得ていましたが、この被災地体験で、それに加えて「心」について多くの気づきを得たと山本さんは言います。
被災地のような場所では、「言葉」の会話よりも「身体」の会話、つまり「頭の会話」よりも「心の会話」が多く行き交うのかもしれません。

山本さんは「思いは力である」と、サロンでは何回か話されました。
思いは何かを変える原動力になる、そして思いは場のエネルギーを支配するとも話されました。
お話を聞いていて、山本さんの中では、被災地体験で「心技体」がより深く統合されて、一段と高まったのかもしれないと思いました。

つづいて、話題を変えて、中国に人たちに対する理学療法体験からの話をしてくれました。
同じ身体と言っても、日本人と中国人とは違うのだそうです。
そういえば、マッサージも地域によってやり方が違います。そんなお話もありました。

言い換えれば、身体は自然や食生活や生活習慣によって、規定されているというわけです。同じ日本人も、時代によって変わっていくのかもしれません。
山本さんは、まだそう大きな変化は感じられていないようですが。

つづいて理学療法士の仕事やその基本にあるリハビリテーションの話をしてくれました。
リハビリテーションの場合、理学療法士(に限らず作業療法士などのリハビリ専門職も同じですが)にとって、まず大切なことは、「治ると信ずること」だそうです。
言い換えれば、リハビリとは「治す」ことではなく、「治る」のを手助けするということかもしれません。お話を聞いていて、私はそう受け止めました。

ここでも山本さんは「思いこそ力」と話されましたが、心が大きな役割を果たすわけです。
心と体はつながっている。そしてそれをつなげながら力を引き出し育ていくのが技なのかもしれないなと私は勝手に聴いていました。

お話の内容は書きだしたらきりがないのでやめますが、私の印象に残った話を一つだけ紹介します。

これも被災地での体験からのお話ですが、人が元気になる最初のきっかけは、みんなと一緒になって歌い踊ることだというお話をされました。身体を動かすこと、踊りこそが元気の出発点、そしてそこから歌が出てくる。
私の勝手な解釈ですが、万葉集サロンでいま話題になっている「うたの誕生」や二分心サロンで話題になった「意識の誕生」を思い出しました。
私自身まだ十分に咀嚼できていませんが、何かとても大切なことを示唆しているような気がしています。

今回は時間が足りずに、山本さんもたぶん話したりなかったと思います。参加者からももっとお話をお聞きしたかったという声もあったのですが、残念ながら時間切れになってしまいました。
たくさんの人たちの身体からの声を聴き続けている山本さんの話は、いつかまたお聞きしたいと思います。

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