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2022/05/25

■湯島サロン「平和のための『新』政党の話」報告

長年、平和や人権について考えてきた川本さんが、これまでの著作活動から、その思いを次世代につなげていくための活動へと進みたいということで、「平和のための『新』政党の話」の構想をまとめつつあります。
今回は、いわば川本さんの決意のお披露目のサロンでした。

川本さんの構想の出発点は、「戦争ができる国家」の変革を目的とした活動を国家の枠を超えて創り出していくということです。モデルの一つは「緑の党」です。
「緑の党」はいまでこそ、世界各地に展開していますが、その始まりは、半世紀前の1972年実施のオーストラリア・タスマニア州選挙に向けて結成されたグループでした。
「緑」をうたっていますので、環境保護に取り組むイメージが強いかもしれませんが、今では平和で持続可能なエコロジー社会を目指す、幅広い政策をもつ政党です。

川本さんの構想もこれに同じく、起点には戦争や平和がありますが、目指すところは、人間を基本としたみんなが豊かに暮らせる社会づくりです。
サロンの案内でも紹介しましたが、川本さんは「その目的を達成するには、気が遠くなるような時間がかかるでしょう。しかし、誰かが始めなくてはなりません」と考えています。その最初の一歩とも言うべきサロンでした。

サロンには、20代から80代までの男女9人が集まりました。
まず川本さんは、新政党づくりの背景と活動の理念をまとめた小冊子をみんなに配布し、なぜ自分がこの活動に取り組むことにしたかを紹介しました。

川本さんの新党構想の要点は次の8点です。
・これまでの政党とは異なるタイプの「最左翼政党」
・戦後日本国民の原点を受け継ぐ政党
・「希望する平和」でなく、「獲得する平和」を追求する政党
・「平和のための革命」を担う政党
・「新」平和憲法の制定をも追及する政党
・「平和の未来」を掲げる少数政党
・人権革命・「平和のための革命」を世界に発信する政党
・「かけがえのない他者」を思いやる人間が担い手となる政党

おそらく参加者は、この構想には大きな異論はないでしょう。
むしろ、「どう具体的に行動するのか」「新しい政党の理念とその実現性は」「平和とはどういう状況か」などというところに関心があったようで、話し合いはいささか紛糾しました。

川本さんとしては構想をしっかりと共有した上で、その実現に向かう方策などを話し合う仲間を求めていたように思いますが、参加者は「平和のための『新』政党」構想実現に取り組む具体的な計画を期待していたようです。
参加者はみんな現状に危機感を持っていて、新しい動きを起こすことへの期待も大きいために、いささかの食い違いが生じてしまったのかもしれません。

いま、世界各地では、若者を中心にさまざまな運動が起こっていて、それが緩やかにつながりながら、各地に広がっています。
私が知る限り、そうした活動の基本にあるのは「表情のある(つまり抽象的ではない)人権」や「個人にとっての(つまり国家にとってのではない)平和」です。
川本さんが敢えて、戦争とか政党とか左翼とかいう言葉を使っているところに、私は違和感がありますが、川本さんの思いには共感できます。ただ今回は、話し合いが時間切れになってしまい、これまでの政党との違いや平和の捉え方の違いなどに焦点が合わなかったのが残念でした。

なお川本さんの論考を読んでみたいという方がいたら、データで送らせてもらいますので、私宛にご連絡下さい。
できれば、川本さんのサロンももう一度、企画したいと思います。
今度は参加者は、事前にそれを読んできた上での前向きな話し合いができればと思っています。これは川本さんが受けてくれれば、の話ですが。

ウクライナの現状から学ぶべきは、軍事力の増強や核保有国への属国化だけではないはずですから。

Heiwa202205

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