■湯島サロン「農業と食材を見直し、未病に繋ぐ健全なコミュニティ形成」報告
平山さんの「農業と食材を見直し、未病に繋ぐ健全なコミュニティ形成」のサロンは、10人を超える参加者があり、関心の高さを実感しました。
平山さんの構想の基本にあるのは、「微生物活性化農業」です。
サロンは、なぜ微生物なのかの話から始まりました。
平山さんは、日本の農業(農政)の実態や食材(食生活)の現状を、ご自身の体験に重ねながら紹介し、いまの日本の農業では土壌が荒廃し未来が開けず、しかも食材の安全性に大きな問題が起こっていることを生々しく話してくれました。そして、そうした問題を引き起こした大きな理由は、いまの農業が農薬や化学肥料によって微生物を排除してきたために、日本の土壌が死んでしまったからだというのです。
流れを変えるためには、微生物を活かして、土壌をよみがえらせなければならない。
これが、平山さんの構想の柱です。
つづいて平山さんは、構想を実現するための方策について、いくつかの視点を説明してくれました。核となるプログラムのひとつが、サロンで配布された「食材評価技能士(食材マスター)」育成プログラムです。まずは「人」を育て、その「人」たちが、微生物活性化農業の実現を「生業」として取り組んでいこうという構想です。
今回、説明はあまりありませんでしたが、タイトルに「未病に繋ぐ健全なコミュニティ形成」とあるように、平山構想は医療改革にもつながっています。土の微生物だけではなく、人の腸内の微生物の活性化も視野に入っているのです。
理念は「微生物活性化」。
微生物が土を救い、農業を救い、食を救い、人を救うというわけです。
根本からいまの農業のあり方を見直し、ついては私たちの生き方を見直そうという大構想ですが、そうした構想を実現するための具体的な手立てや資金調達や運営のための仕組みづくりなどにも、平山さんは取り組んでいます。
今回も、ブロックチェインの専門家が平山さんの誘いで参加してくれました。
しかし、なにしろ大構想ですし、最近でこそ話題になりだしていますが、微生物に関する知識も多くの人にとってはあまり肯定的なものではないでしょう。
昨今のコロナ対策においても、ともかく「殺菌」が合言葉になっているほどですから、微生物が食と農と医療を救うと言われても、すぐにはピンとこない。
それに何しろ最近では「土と触れ合う」機会などほとんどない人が多いでしょう。微生物や細菌は、みんな病原体と思っている人もいるでしょう。
またほとんどの人が農業を産業として捉えている。そこにも微妙なずれを感じます。平山さんが構想しているのは、産業と言うよりも生業を基本とした新しい経済のように私には思えます。だとしたら、これまでの発想ではない発想が必要になるでしょう。
話し合いも含めて、3時間を超えるサロンになりました。
参加者からも平山さんの構想を実現していくための具体的な提案もありました。
平山さんはすでに農地まで確保して動き出していますが、近いうちに食材マスター育成講座を始める計画です。
「日本の農業(農政)の実態や食材(食生活)の現状」を、まずは多くの人に知ってほしいというのが平山さんの思いですが、実態を知れば、必ず動き出す人がいるでしょう。あとはそういう動きを支える仕組みをつくればいい。
この姿勢には私も同感です。事実を知れば、動きは起こるものです。しかし、いまの常識を覆していくための事実を広げていくことは簡単なことではありません。
しかし、平山さんはともかく実態を広く知ってもらうための活動から取り組みだそうとしているのです。そして知った人たちが中心になって、微生物活性化農業を広め、日本の土壌を変えていく。
今回参加されなかった方も含めて、平山さんの構想に関心を持った人がいたらご連絡下さい。できれば、平山さんにお願いして、ひきつづき「微生物活性化農業」を学ぶ場をつくっていきたいと思います。
また、一緒に取り組みたい人がいたら、平山さんにお引き合わせしたいと思います。
今回のサロンから、また新しい物語が生まれるのを楽しみにしています。
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