■緊急サロン「ウクライナの戦争状況を止めるためにできることがある」報告
小室nikoさんのよびかけの緊急サロン「ウクライナの戦争状況を止めるためにできることがある」には20代から80代と、幅広い層の男女16人が集まりました。なかには時間の合間をぬって、1時間でも参加したいという人がいるほどで、みなさんの思いの強さを感じました。
Nikoさんは、最初に参加者に瞑想を呼びかけ、その状況のまま、日本国憲法の前文と9条を読み聴かせてくれました。
そして、どうして今回の呼びかけに至ったのかを話し、誰が悪いのか、なぜ戦争は起こったのかも重要だが、ともかく、一日も早く、ウクライナでの戦争を止めたいと語ってくれました。そして、いまこそ日本国憲法の9条を改めて思い起こし、世界に紹介していきたいとも呼びかけました。
SNSで、あっという間に情報が広がる時代なのに、なぜ一方的な(一部の)情報しか広がらず、戦いをやめようという思いは広がらないのか、というのがNikoさんの思いのようです。
そこから話し合いが始まりました。
話はさまざまに広がりましたが、話し合いを通して、気づかなかったことにも気づくことがある。こうやって世界中で話し合う人が増えてくるだけでも、世界は変わるのではないかと私は改めて思いました。
話し合いがある程度進んだ頃合いを見計らって、Nikoさんは参加者みんなに「戦いを止めるアイデア」を一人5つずつ出すように提案し、各自カードに書いて、発表してもらいました。nikoさんからも例示的に10個ほどのアイデアが紹介されました。
たくさんのアイデアが出されましたが、それを整理して話を深めるところまで行く前に、話題が思わぬ方向に転じてしまい、なぜウクライナ戦争は起こったのかという話から、日本の平和や憲法問題にまで発展、時間の関係もあり(なんと1時間半も延びてしまいました)、みんなが出したアイデアはnikoさんが預かることになりました。
そして、nikoさんの呼びかけで、思いを共有する人たちでゆるやかなネットワーク組織をつくり、メールで情報共有したり、何か一緒にできることがあれば実際に取り組んだりしていくことになりました。近いうちにこのメーリングリストでも、nikoさんから呼びかけがあると思いますので、思いを共感する人はぜひご参加ください。
参加者からのアイデアの報告は、nikoさんからあるかもしれませんので、私からは話し合いを通じて感じた3つの「私にできること」を書かせてもらいます。
第1は、「戦っているいずれかを、さらにはいずれをも支援しない」ということです。喧嘩をしている人を止めるのに、どちらかを応援するようなことはだれもしないでしょう。応援するということは「火に油を注ぐ」ということではないかと思います。ですから私はいまウクライナで戦争しているロシア政府とウクライナ政府のいずれをも非難もしなければ応援もしないようにしたいと思います。
しかし、それは、ウクライナやロシアに暮らしている人を支援しないという意味ではありません。戦争をしているのは、それぞれの政府やその背後にいるどこかの政府や産軍複合体や多国籍企業であって、市民ではないでしょう。ロシア軍の兵士たちも、もしかしたら、「戦わせられている」のであって、「戦っていない」兵士も少なくないと思います。もちろんウクライナ軍の兵士や国民たちも、ですが。
ですから第2に、「戦火の周辺で生命さえをも脅かされる惨状にあるウクライナやロシアの人たちは支援する」ということです。
サロンでは、あるNPOの人がご自分の体験を紹介してくれました。その人は、自閉症支援などの活動をされているのですが、自分たちと同じような活動をしているウクライナのNPOを探し出して、直接その人たちへの資金援助などをしているそうです。
この話は、とても示唆に富む話です。国家や国際組織を通さずに、直接、同じ立場の人たちを支援することによって、戦いの一方を支援するような結果を避けると同時に、市民たちのつながりが国家間の戦争への大きな対抗力になるような気がします。
国家を超えた支援体制ができれば、人々の国家依存度は低下し、自国政府に対する異議申し立てもしやすくなるかもしれません。市民同士のつながりが深まれば国家間の戦争も止められるかもしれません。これは、これからの「平和のあり方」にも通じています。
そして第3に、「私自らもみんなと仲良くしよう」ということです。
nikoさんも話していましたが、平和に向けて活動をしていた人たちのなかにも、「正義の戦争論」を持ち出して、「侵略国家」ロシアを非難している人もいます。日本の国会議員たちは、ウクライナの大統領の演説に拍手喝采し、なかには「祖国のために戦っている姿に感動」したと発言する人さえいました。9.11後のアメリカや経済規制を受けていた(ロシアではなく)第二次世界大戦前の日本を思い出します。
プーチンを狂人扱いしたり、悪口雑言したりする人も、結局は戦争の火に油を注いでいるように感じます。憎悪や非難からは戦争を止める力は生まれない。
私は、ロシアへの経済制裁にも反対です。困るのは決して政府ではないからです。
戦争をすぐに終わらせる策はそう簡単には見つからないかもしれません。
しかし、その思いで何かを始めることは大切です。nikoさんの呼びかけを待つだけではなく、できることをそれぞれが始められればと思います。
ところで、サロンでは、人間の攻撃本能の話題が少し出ました。
しかし、私は今回のウクライナ戦争関係の報道のなかで、改めて人間の「性善説」を確信できる言動にたくさん触れています。
実際に危機に瀕した他者を前にすれば、手を差し伸べようという感情が沸き起こる、それこそ人の性が善である、と孟子は言っていますが、そうした実例に触れる度に、私は未来への希望を感じます。
人への憎悪や非難をいくら重ねても戦争は止まらない。しかし、人の性は「善」なのです。その「善」を信じて、私はまずは憎悪の念や非難の姿勢を捨てたいと思っています。
戦いをなくしたいのであれば、まずは自らがみんなと仲良くなろうとしなければいけませんから。
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