■〔参院選で考えたこと:6〕選挙の「争点」をどう設定するか
一昨日、「参院選」をテーマにした気楽な話し合いの場を開きましたが、そこで「争点の設定」が少し話題になりました。昨日、千葉県の選挙公報を全部読んでみました。言葉はいろいろと書かれていますが、どうも争点の違いが見えてこない。
争点とは白か黒かが明確にわかることだと私は考えています。たとえば原発はやめるのかつづけるのかは、私には論点です。消費税や軍事力も、そうです。
もちろん、現実の政治は〇か×かというようには行きません。しかし基本的な理念は国民が選挙で決め、その理念をどう現実にしていくかが「政治家」の役割だと思っています。ですから、選挙での投票を決める「争点」は、あいまいではなく明確なものに設定してほしいというのが私の考えです。
「暮らしを守る」「生活安全保障」「外交による平和」という政策はいかようにも解釈できますし、それこそ「憲法改正」と同じで真反対の理念が混在しますので、争点にはならない。言ってみれば、「争点」の分野でしかありません。
各党の公約を読んでいると、あえて〇か×かの争点を避けているような感じを受けます。争点が隠されていた方が、賛成されやすいからでしょう。でもそれでは投票する気にはさせられないような気がします。
たとえば、「ごぼうの党」はただ一言「一番大切なものは何なのか考えていたら笑顔でした」と書いていました。これに反対する人は少ないでしょう。しかし、だからと言って、投票をするかどうかはわかりません。
年金受給者のNHK受信料無料化は、〇か×かの争点ですが、国政の争点とは言えません。報道の中立化を目指すのであれば、〇か×かの争点にはなりにくい。
私の投票先の決定基準は、いつも、その時々の私にとっての大事な争点に対する理念です。ちなみに、今回の参院選では、「原発廃止」「食料自給」「応能主義による税制の実現(具体的には消費税廃止)」に関心を持っています。
原発と税制には各党、姿勢を明らかにしています。それ以外のいろんなことは、少なくとも今回は私には無意味な情報です。その3点から考えると自ずと投票する先は決まってきます。こうしていつも投票先は決まるのです。もちろん争点は毎回変わります。
ちなみに、私にとっては消費税廃止と消費税減税は全く正反対の理念です。
サロンでも話題になったのですが、「食料自給」を大きく打ち出している政党は見当たりません。これは不思議です。食料自給が進んでいれば、今回の物価高騰は避けられたでしょう。いやむしろこれほどに食料価格は下がらなかったかもしれません。
私にとって安全保障のための要は、「食料自給」「エネルギー自給」「納税国家」の3つですが、あんまり一般的ではないのかもしれません。防衛費を増額して安全保障など実現するはずはないと思えて仕方がありません。ウクライナのように、国家は守れても国民は守れませんから。
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