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2022/07/23

■湯島サロン「医療や福祉における‟拘束”について考える」のご案内

コロナ禍が始まって以来、なかなか「福祉」関係のサロンが開催できずにいましたが、久しぶりの開催です。
コロナ禍に注目が行き過ぎて、従来の高齢者福祉の問題が見えにくくなってきているのがとても気になっています。いや、高齢者福祉だけではありません。いろいろなことがどうも見えにくくなってしまっている。コロナよりも、そのほうが私には不安です。
がんばってまた「福祉」サロンを増やしたいと思います。湯島のテーマサロンは、そもそもコミュニティケアに関するサロンから始まったのですから。

以前紹介させてもらいましたが、「認知症と拘束” 尊厳回復に挑むナースたち」((日本看護協会出版会)をまとめた平岩千代子さんに、今回はサロンをお願いしました。テーマは「身体拘束」。病院での身体拘束の話は、今も時々聞きますし、この本を読ませてもらって、これは私にとっても決して無縁の話ではないと思う共に、この問題は、福祉とは何か、医療とは何か、そして、生きるとは何かを真正面から問うてきていることに改めて気がつきました。そこで平岩さんにお願したのです。

この本は「父が縛られることに同意はできない」という平岩さんの言葉で始まっています。それこそが平岩さんが本書を書くことになった動機でしょうが、平岩さんは、「長い人生を懸命に生き抜いた最終楽章で、身体拘束されるのはあまりにも切なく悲しい。人生100年時代といわれるようになりましたが、「長生きしてよかった」と思える生活や療養の環境を整えることが喫緊の課題です」と言います。そして、一市民としてできることはないか、というのが本書出版の目的の一つです。

そして平岩さんが出会った、人間の尊厳を根底において活動されている3人の看護師のインタビューをまとめてくださったのが本書です。平岩さんは、そうした事例の紹介を通して、一市民としてできることはだれにもある、と伝えてくれているのです。

これは決して医療や福祉に関わるだけの問題ではありません。「はじめに」で平岩さんは、「見える拘束」と「見えない拘束」に言及されていますが、私はそのくだりを読みながら、まさに私たちの日常生活も、「見えない拘束」に覆われだした状況にあるのではないかと思いました。だとしたら、看護師ではない私にもできることはあるはずです。

本書の中で、看護師の田中とも江さんがインタビューの最後に話した言葉が、強く心に残りました。私の考えにあまりにも重なっていたからです。

「私には社会を変えることはできません。できることは目の前の人が安心して暮らしを営むための支援をすること。言い換えれば、私自身が自分らしく生きたい。これって尊厳のことですよね」。

気軽に読めるブックレットですので、ぜひ読んで、3人の看護師の声を聴いていただきたいと思います。紹介は次のサイトにあります。
https://dpj.jnapcdc.com/archives/2828
次のサイトから注文できます。湯島にも1冊、ありますので、読みたい方はどうぞ。
https://www.jnapc.co.jp/products/detail/3906

なお、NPO法人白十字在宅ボランティアの会が制作した「元気なときから知っておきたい在宅ケア動画シリーズ」の一つとして、平岩さんの在宅ケア体験インタビュー動画がありますので、関心のある方はこの動画もどうぞ。

【大好きだった自宅のお風呂と庭を最期まで】
https://www.youtube.com/watch?v=lx96nZwbsIU

久しぶりに、生き方や社会のあり方に関わる「大きな福祉」サロンです。
ぜひ多くの人に参加していただければと思っています。

〇日時:2022年8月28日(日曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「医療や福祉における拘束”について考える」
〇話題提供者:平岩千代子さん(身も心も縛られない暮らしを模索する社会福祉士)
〇会費:500円
〇参加申込先:qzy00757@nifty.com(佐藤)

 

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