■〔参院選で考えたこと:8〕投票先がほぼ決まってきました
先日の湯島のサロン「新しい経済・新しい政治」で、「国家(全体)視点ではなく個人の生活視点で経済や政治を考えよう」という呼びかけをさせてもらいましたが、その視点で今回の参院選の政見放送を見ると、多くの政党がすべて従来型の経済や政治の枠内にあるような気がします。
共産党はまさにその本性を露呈していて、個人の政見放送でさえ、党首の話が半分以上を占めています。要するに個人を尊重していないことを象徴しています。志位さんが言うのではなく、個人の候補者が自分の言葉で同じ理念を語れば、説得力が高まりますし、内容も豊かになるはずですが、それがない。ということは政策展開も期待できないような気がします。
まあしかし、これは共産党だけの話ではなく、個人政見放送なのに、党首が出過ぎな傾向が強まっています。
ということは、政治は明らかに、私にとっては新しい方向ではなく、古い方向に戻っています。システム優位な政治です。
原発再稼働や軍事力増強が堂々と明言されるようになったのも驚きです。
3.11の後、飯館村に言った時、村民の方から「実際に体験してみないと本当の大変さはわからないのかもしれない」というような言葉をお聞きしました。そうかもしれません。こんな短期間に原発不安がなくなるとは思ってもいませんでした。
私が言う「自分」視点という基準は、正確には「自分たち」視点です。なぜなら、自分一人では生きていけませんから、どうしても自分たち仲間視点ということになります。いわゆるコモンズ視点ですが、そのコモンズは自分という個人がしっかりと存在するコモンズ。イヴァン・イリイチの言葉を借りれば、コンヴィヴィアル(自立共生)な仲間というような意味です。
軍事力強化は核保有論まで出てきかねない勢いです。まあ原発と核兵器は同じものだと思いますが、ここでもベクトルは反転するどころではありません。ウクライナの現実に対するに多くの人の反応を見て、日本人はいつからこんなに好戦的になったのかと驚いています。
物価高対策が大きな論点になっています。フェイスブックで友人が「参院選の国民の関心事トップは「物価対策」だと。。家畜か、おめーら」と嘆いていましたが、ついつい「超いいね」を押してしまいました。でも考えてみると、家畜は与えられた餌をただ食べるだけなので、「物価」などは気にしないでしょう。
それはともかく、前に書いたように、問題は「物価」ではなく「食の安全」や「食の自給」だと思います。それこそが、政治に期待することだと思いますが、そこにはなぜか国民の関心は向かいません。政策に大きくかかげている政党はありません。
生存さえも脅かされている「下級家畜」に甘んじることなく、コンヴィヴィアルな(自立共生)できる社会で暮らしたいと思う私にとっては、そろそろ投票先も決まってきました。今回はいつもとはかなり違った人と党に入れることになりそうです。
この時期、自分の好みだけで決めると、自分の好みとは違った結果になりそうですので。
みなさんはどうでしょうか。
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