■〔参院選で考えたこと:9〕同じ思いでも、手段は真反対になることもある
友人のフェイスブックで、参院選投票促進行動シリーズ創作画像の一つ、俳優の大村崑さんのメッセージを読みました。
僕が言いたいのは、戦争は勇ましいもんじゃないっていうこと。ひもじく、つらい日々が、来る日も来る日も、続くんだ。だから有権者はね、戦争しないよう動いてくれる政治家を選ばんと。
同感です。ただ、おそらくこの意見に反対する人はあまりいないでしょう。
みんな戦争などはしたくないと思っているはずです。
問題は、戦争をしないようにするにはどうしたらいいかという実際の行動になると、真反対の選択肢があるということです。
戦争を避けるために核兵器を含めて軍事力を強化しようという人もいれば、逆に非武装に徹しようという人もいる。
ややこしいのは、同じ目的を持ちながらも、その実現策に関しては、真逆の選択がありうるということです。
政治とは、おそらくそうした時には真逆になるような手段のどれを選ぶかを考えることです。話し合いは「勝ち負け」ではなく、お互いの納得できる道を探ることです。
ですから、いわゆる目的で政策を語ってもほとんど意味はないような気がします。
でも多くの候補者も有権者も、目的で議論することが多い。時に「手段」が目的になっている。それでは議論にはなりません。
これは、私が選挙でいつも感ずることです。
目的が同じであれば話し合いができるはずですが、手段が違うということだけで相手を拒否する人が少なくないのも残念なことです。
国会での与野党の議論を見ていても、建設的な議論よりも相手を否定する議論が多く、話し合いにはなっていないことが多いのはこのせいでしょう。
話し合いとは、意見の違う相手からどれだけ学ぶことができるかです。
相手を非難するだけでは何も生まれない。
候補者よりも、私たち有権者の見識が問題になるのが選挙だなとつくづく感じます。
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