■「日本解体論」をお薦めします
最近、精神的にあまり調子がよくありません。
もうそれなりの歳なので、もっと寛容になれるはずなのですが、怒りや失望感から抜け出せないばかりか、いらだってしまうことがむしろ多いのです。
そんななか、昨夜、「日本解体論」という白井聡さんと望月衣塑子さんの対談をまとめた新書を読みました。生々しい「事件」や「個人」が具体的に語られていて、実に面白かったのですが、あとがきで、白井さんが次のように書いていました。
私はいらだってきた。劣化と腐敗を目にしながらそれを指摘しない人々、それに目をふさぐ人々、そしてさらには、奇妙奇天烈な理屈をこねくりまわして「悪いのは野党」「悪いのはリベラル」等々のプロパガンダを垂れ流す、おそらくは毒饅頭でお腹が一杯になった連中を少なからず見てきたからだ。
私が最近陥っている「いらだち」も、同じものだと気づきました。
まあ、そんなことはどうでもいいのですが、この本を是非とも多くの人に読んでほしくなりました。前半はいささか冗長で退屈ですが、後半はとても具体的で興味深いです。
毒饅頭好きの人がますます増えている状況の中で、こうした議論がまだ出版されるところにわずかな光を感じますが、白井さんの気持ちがとてもよくわかります。
1000円で入手でき、しかも対談形式なので気楽に読める本です。
読んでもらえるととてもうれしいです。
読んで話したくなったら、ぜひ湯島のオープンサロンに話しに来てください。
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