〔病院生活日記18:同室者と私に悲劇
実は、前の日記を書き終わろうとしていた時に事件が発生したのです。
同室の斜め前のBさんが私に「ナースを読んでください」と声をかけたのです。
小さな声だったので、最初は気づかず、3回目に気づきました。私が偶然にもカーテンをあけていたのがよかったです。
急いで近寄って確認すると、ともかく痛くて動けないのでナースを呼んでくれと小さな声でいうのです。その様子は尋常ではありません。たまたま風呂帰りで私は点滴をしていません。ナースセンターは階の反対側ですので、そこまで走っていきました。そこですぐにナースに来てほしいと伝えたのですが、なかなかナースが来ません。病院の人たちは慣れているので慌てないのでしょう。
そこで通りがかった人にともかく様子を見てほしいと言い、ふたりでBさんに確認したら、ともかく横になりたいというのです。それで私も手伝って横にしようとしたらBさんは悲鳴をあげました。よほど痛かったのでしょう。
それでナースの来るのを待っていたら、私の点滴の用意をしたナースM(高須)さんがやってきました。私よりもBさんをと言って、様子を見てもらいましたが、いろいろ調べて大丈夫だというのです。たぶんベテランのナースなので、いろんな数値を見てそう判断したのでしょう。そして、私の措置に入ろうというので、私などよりBさんをケアしてよ、と頼みました。いまは少し落ち着いてきてはいても、先ほどの大変さを私は知っているので気が気ではありません。
彼女から患者なら自分のことを考えるように言われましたが、高齢の私よりも若い彼のほうが大切でしょう、と言ってしまいました。
彼女は彼が大丈夫なのを確信していたのでしょう。彼のデータをすべて知っているのですから。でも彼の気持ちは私の方が知っています。
結局、彼女も担当医を呼んでくれましたが、彼も彼女と同じ判断で、しばらくこのまま様子を見ることになりました。
まあこう書くとさほどたいしたことには感じないでしょうが、現場にいた私は、知識がないが故にかなりの緊迫感を持ちました。
その後もまだいろいろあったのですが、一段落してから私の点滴を再びつなぐことになって、針を入れ替えようということになりました。腫れてきているのでそのほうがいいというのです。それに長い入浴をしたので、このままでは今日のノルマが果たせないおそれがある。少しくらい遅れてもいいでしょうと言って一度は見送ったのですが、Bさん事件で来ていた別のナースが私の腕を見てこんなに腫れるまで我慢したらダメでしょうというので。それで結局、私の針は改めて刺し換えることになったのです。
換えるのは1本と思っていたら、あっという間に2本を抜いてしまいました。
そして今度はまた左手に2本です。彼女は点滴には自信があるというので任せることにしましたが、なにしろ9回目ですので、場所が見つかりません。結局、手の平の曲がり角です。彼女はベテランですから、見ていてやり方も速いのですが、仕上がりはカバーもつけてくれない。困ったものです。
まあ彼女とのやり取りはさらに面白い話に展開していくのですが、どこまで公開していいかどうかいささか迷うような内容です。
日記を書き出すと際限がないですね。 困ったものです
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