■入院して改めて感じた医療のあり方
先月、8日間入院しました。
改めていろいろなことを感じましたが、20年ほど前に考えていた「医療制度のパラダイムシフトの素人見解」を思い出しました。探してみたら、その一部が見つかりました。
http://cws.c.ooco.jp/iryou-1.htm#am
入院中に書いた「病院生活日記」を読んだ医学者の友人が、5チャンネルで放映される「トラベルナース」というのは結構好番組だと思います、とメールをくれました。
昨日、過去にさかのぼってみて観ました。米国のナース・プラクティショナー(一定レベルの診断や治療などを行うことができるナース)の資格を得た若者が日本に戻ってきて病院で活動する話です。
https://www.tv-asahi.co.jp/the_travelnurse/
そこに出てくる不思議なナースが口癖のようにこう云うのです。
医師は病気を見て病気を治す。
ナースは人を見て人を治す。
全く同感です。
入院中の8日間、医師は私に一度も診察には来ませんでした。
途中、MRI検査や3回の血液検査をしましたが、医師はそのデータを見て、ナースに指示を下すのでしょう。入院中に2回、ベッドのところに来てくれましたが(一度は退院の報告)、別に診察するわけではありません。まさに、人よりも病気を見ている。
これは今回の経験ではありませんが、診察していても患者のほうを見ずに、最初から最後までパソコンの画面だけを見ている医師もいました。私の妻はそれにとても失望していました。
入院中に、ナースやスタッフとのコミュニケーションが不十分なのも何回か経験しました。意見が違っていることもありそうです。お互いに忙しいので仕方がないのかもしれませんが、患者にとっては気になることです。
患者を見ない医師と患者の状況を詳しく見ているナースと、患者にとってどちらが頼りになるか。いやこういう病院体制でいいのだろうかと思ってしまいます。
おそらく医師の仕事の多くは間もなくAIに置き換わられてしまうでしょう。でもナースの仕事は残るでしょう。と考えれば、どの仕事が病院や医療の核になるかは明らかなはずです。
こんなことを書くと、今回、私が入院していた病院を非難しているように思われるかもしれませんが、そうではありません。病院はいずれもがんばっているのです。でも大きな方向性に、私は違和感を持っているのです。
ところで、「トラベルナース」ですが、日本でも制度導入への検討が始まっているようです。日本看護協会からも提案がなされています。
https://www.nurse.or.jp/nursing/np_system/index.html
医療のあり方が、根本から見直される時代に向かっているのがとてもうれしいです。
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