■国家が人間をどう捉えているかを象徴するのが「死刑制度」
葉梨法相の「(法務大臣は)死刑のはんこを押す、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職」発言が問題になっています。
この発言の意味が岸田さんはじめ閣僚には全くわかっていないようなのが恐ろしいです。
法治国家の法は国民を統治していくための基準です。
国家(政府)が人間をどう捉えているかが象徴されているのが「死刑制度」です。いわゆる先進法治国家で死刑制度を法に取り込んでいる国はわずかしかありませんが、日本は制度のみならず執行も行われている稀有の国です。
要するに、日本の法体系は、個々の人間の生命よりも国家の秩序を優先しているわけです。こういう思想の元では、戦争において兵士の生命は国家制度よりも優先されます。
しかも、こうした思想は、政府だけではなく、日本国民の多くが共有している思想かもしれません。
葉梨法相の発言を咎めない岸田首相は論外として、そんな人が参加している政府の閣僚に留まることを恥じる閣僚がだれも出てこないことに恐ろしさを感じます。
発言にはその人の思想が象徴されます。ですから、発言を咎めるのは単なる「言葉狩り」ではないのです。葉梨さんは即刻議員をやめるべきだと私は思います。こういう人が国民を戦争に向かわせるのですから。
私の突然の入院で遅れていましたが、死刑制度に関するサロンを今月下旬に行う予定です。ぜひ多くの人に参加していただき、死刑制度について話し合ってみたいと思っています。葉梨さんにも参加してほしいものです。
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