■退院後の自宅養生で考えたこと
入院中に考えたことをFBにアップしたら、それを読んだ娘から、退院後の自宅療養で考えたことも書けと言われました。娘には大変な負担をかけているからです。たしかに、私自身も退院後が大変でしたし、娘はさらに大変なのです。
もちろん娘は皮肉を込めて言っているので、書くことは望んでいないでしょうが、素直な私は書くことにしました。
何が大変かと言えば、やはり食事です。
一応、退院時に栄養士にいわれた通りのことには注意していましたが、ちょっとした油断で大変な状況になってしまうのです。特に内臓系の病気の場合、退院後の食事は大変です。食事指導を実際に個人に当てはめるのはそんなに簡単なことではありません。個人の好みもありますが、食はそれこそ個人によって全く違うのです。ただ脂っぽいものをやめるとか甘いものや刺戟性のものは避けるというような話ではないのです。
それに多くの場合、食生活は3度の食事だけとは限りません。
また私の場合のように、1週間も点滴投与で絶食していた場合、慎重に戻していかないといけないでしょう。退院したから入院前と同じような食生活に戻れるわけではありません。
あまりに自分の恥をさらすのもと思い書いていませんが、実のところ、2回も失敗があり、いささか食事不安症になっているのです。
そのうち、一回目はかなりひどい状況で、悪夢のような一夜を過ごしました。事情を知っている友人からは再入院を勧められましたが、入院嫌いな私は自力で頑張りました。それで娘は大変だったわけです。私も実に苦しい数時間でしたが。病気は当人よりも周辺の人が精神的には大変なのです。
生活リズムもなかなか取り戻せません。
病院ではやることもないので、院内の散歩やラジオ体操もやっていましたが、自宅では時間をつぶすことはいくらでもあり、生活リズムをとるのは難しいのです。
それに自宅だとどうしてもわがままになります。特に私のように、「家族は迷惑をかけ合うのが当然」という思いを持っている場合、ナースでもスタッフでもない娘は大変です。「来世でお返しするから」と言ったら、「もう来世は関わりたくない」と言われてしまいました。さもありなんと思います。
そうは言うものの、家族関係はお互いの行動に根強く埋め込まれています。介護疲れや介護トラブルの事情が少し実感できるような気もします。当事者は本当に大変なのです。
これは知識や理屈の話ではないのです。
娘から指摘されて私が気づいたのは、私の生活がいかにいい加減だったかということです。そういう意味では、生活を見直すいい機会になりました。
最大の教訓は、やはり同居している人がいることの心強さです。
最近独り暮らしの友人知人が増えていますが、やはり人は誰かと一緒に住むのがいいような気がします。たしかに独り暮らしが一番気楽でしょうが、病気になった時に一番支えになるのは、一緒に住んでいる人のような気がします。
施設や家族とは違う意味での、仲間と一緒に暮らす「家」の仕組みが創り出せないものか。それこそが私が目指す「ケア・コミュニティ」の基本だなと改めて思っています。
家族ほど近すぎず、施設ほど遠くない関係が維持できる「仲間たちの住居」が構想できないものでしょうか。
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