■岸田首相の裏切りと日本仏教界への期待
岸田政権は、原発政策を反転させようとしています。
広島に基盤を置いている人とはとても思えません。
それにしても、3.11の福島原発事故のことはもう多くの人は忘れてしまったようです。
最近は、堂々と次世代原発が話題になるほどですし、福島事故後の原発運転基準ももう完全に忘れられてしまっているようです。
このことは、当然ながら核兵器政策にもつながっています。
思い出すのは、3.11直後の2011年12月1日、全日本仏教会が宣言した「原子力発電によらない生き方を求めて」です。
もう忘れられてしまった感がありますが、社会への関心を持っているのかと不信感を強めていた日本の仏教界が宗派を超えて宣言したことに大きな期待を持ちました。
その宣言文は、もう忘れてしまった人も多いのではないかと思いますので、冒頭部分と最後の部分を少し引用させてもらいます。
ちなみに全文は全日本仏教会のホームページをご覧ください。
http://www.jbf.ne.jp/info/detail?id=14294
宣言は次のように始まります。
東京電力福島第1原子力発電所事故による放射性物質の拡散により、多くの人々が住み慣れた故郷を追われ、避難生活を強いられています。避難されている人々は、やり場のない怒りと見通しのつかない不安の中、苦悩の日々を過ごされています。また、乳幼児や児童をもつ多くのご家族が子どもたちへの放射線による健康被害を心配し、「いのち」に対する大きな不安の中、生活を送っています。
広範囲に拡散した放射性物質が、日本だけでなく地球規模で自然環境、生態系に影響を与え、人間だけでなく様々な「いのち」を脅かす可能性は否めません。
そして宣言文の最後もぜひ思い出したいです。
私たち全日本仏教会は「いのち」を脅かす原子力発電への依存を減らし、原子力発電に依らない持続可能なエネルギーによる社会の実現を目指します。誰かの犠牲の上に成り立つ豊かさを願うのではなく、個人の幸福が人類の福祉と調和する道を選ばなければなりません。
宣言は必ずしも脱原発をうたっていませんが、『「いのち」を脅かす原子力発電』という認識に宣言の真意が読み取れるような気がします。
昨今の風潮に対して、ふたたび全日本仏教会が動いてくれることを期待するとともに、私たちももっと、「いのち」に対する大切さを思い起こしたいものです。
私にとっては些末な問題であるコロナにこれほど騒ぐくせに、なぜ日本人は「いのち」をこんなにも軽く扱うのか、不思議でなりません。
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