■第19回益田サロン「破傷風菌における自己とは何か」のご案内
前回は、ジフテリア菌を切り口に「人間の知能とは何か」を考えましたが、今回は破傷風菌を切り口に、改めて「自己とは何か」、そしてできれば「コミュニティとは何か」の問題を考えたいと思います。
破傷風菌は自らの内にある毒素が宿主である人間や動物を殺し、その死骸から大量の栄養を得ることによって、破傷風菌が大増殖し、存続していくことを可能にします。しかし、毒素を外部に出して破傷風を発症させるために、自らの内にある毒素を外部に出し、自ら崩壊しなければいけません。
宿主が死亡して大量の栄養を提供してくれる時に、毒素を発した破傷風菌はもうその恩恵は享受できないのです。恩恵を享受できるのは、毒素を出さなかったほかの破傷風菌なのです。
この場合、「自己」というのをどう考えればいいでしょうか。
自己を滅ぼして仲間の存続に寄与する破傷風菌と自らの存続を支えてくれるために存続をやめてしまう破傷風菌との関係をどう考えればいいのか。
自己を存続させるという時の「自己」とはいったい何なのか。
それは当然、「自己の生き方」にもつながっていきます。
文学的な表現を使えば、生き続けるためには時に小さな自己を犠牲にしなければいけないのです。
病原体の世界から、私たち人間の生き方を考える。
これが益田さんの大きな関心事だと思いますが、今回は破傷風菌から、私たちの生き方への示唆やヒントをもらおうという話です。
こう書くと何やら難しそうな話に聞こえそうですが、「自己」をどう捉えるかは、誰もが日常的に考えていることではないかと思います。たとえば、「居場所」とか「コミュニティ」の話は、まさに「自己」をどう捉えるかにつながっているでしょう。
そんな話を、益田さんの細菌学の知見を一つの視点にしながら、気楽に話し合えたらと思います。
ぜひさまざまな人の参加を期待しています。
〇日時:2023年1月13(金曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「破傷風菌における自己とは何か」
〇話題提供者:益田昭吾さん(細菌学者/慈恵医大名誉教授)
〇会費:500円
〇参加申込先:qzy00757@nifty.com(佐藤)
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