■節子への挽歌5556:死刑制度を考えるサロンでのこと
節子
昨日は「死刑制度」をテーマにしたサロンの2回目でした。
北原千香子さんが、死刑制度賛成の立場から問題提起してくれました。
北原さんと最初に出会ったのは、たぶん、青山学院大学で自殺をテーマにした公開フォーラムをやったときです。それ以来、湯島のサロンも時々来てくれます。サロンの活動にも共感してくれ、前回も支援の気持ちを口座に振り込んでくれました。
今回の参加者の中では、死刑制度賛成は2人だけで、残りの7人は反対でした。
話し合いはなかなかかみ合わなかったのですが、問題はだんだんと整理できてきました。
制度賛成にこだわっている北原さんのおかげです。
サロンの報告は時評編で行いますが、ここでは別の話です。
死刑の可能性のある事件は、殺人事件ですが、家族が殺害されたという人は今回のサロンにはいなかったのですが、親しい友人が殺害された人はいました。
私も、友人家族が全員殺害されたことがあります。有名な世田谷一家殺害事件です。殺害された宮沢みきおさんとはある活動でご一緒していて、事件の1週間ほど前にも彼と会っていました。彼のパソコンから私のメールを見て、事件翌日には私のところにも連絡があり、湯島にも警察官が何人かやってきました。
宮沢さんは、とてもやさしい人で、夢を持っていました。
私は犯人への怒りは強かったですが、宮沢さんならきっと犯人を死刑にすることは望まないだろうなと思った記憶があります。ただ宮沢さんの義姉の活動にも共感は持てます。
節子が亡くなったのは、その後です。
しかしいまもし節子や娘が事件で殺害されたらどうか。
たぶん事件直後は犯人を殺したいと思うでしょう。
でも時間がたつうちに気持ちは変わると確信できます。
むしろ死刑などで死んでほしくない。
なぜそんな事件を起こしたのかを知りたいですし、もし理由がわかればそういう理由をなくしていきたい。
話がどうも横にそれてしまっています。
こういう問題は書きだすとどんどん深みに入ってしまう。
今回、時評編にではなく挽歌編に書きたかったのは、そういうことではないのです。
そのサロンで、友人を殺されたDさんが、でも私は犯人に死刑になっては欲しくないと言い出し、その後、言葉に詰まって泣き出してしまったことです。
それを見て、自らもDVなどで辛い思いをしたことのある若い女性が、Dさんに軽く手を差し出したのがとても印象的だったのです。
辛い思いは人を豊かにしてくれる。
改めてそう思ったのですが、そう思うとますます北原さんのことが気になってきました。
まあ、それはそれとして、いまの私は節子がつくってくれたと、改めて思わされたサロンでした。
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