■以前話題になったSF「三体」を読みました
今年は中国の人たちのことを知りたいと思い、湯島で現代中国に関するサロンを継続開催することにしました。
それもあって、少しずつ中国に関する書籍も読もうと思い、まずは以前話題になったSF小説の『三体』を読みました。
第1部の「沈黙の春」は、1967年の文化大革命期の中国から始まります。あまりにリアルな展開に、これがSFかと思ってしまいましたが、第2部「三体」になると、VRゲームの話も出てきて、だんだん訳が分からなくなってきました。面白い話題はふんだんに出てくるのですが、そのほとんどが無駄に浪費されている感じで、いつになっても期待している展開になりません。
読むのをやめようかと思ったのですが、念のため訳者あとがきを読んだら、そのうちに、山田正紀の「神狩り」やJ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」のようなワクワク感が出てくるはずと書いてあったので、改めて期待して読み続けました。
しかし、結局は「神狩り」や「星を継ぐもの」の時のようなワクワク感は味わえませんでした。
私の理解力や想像力の劣化のせいかもしれないと思い、SF評論家でもある岡和田さんにどう評価すればいいかを聞いてみたら、期待通りの的確なコメントをもらいました。
ちょっと安心しました。
それにしてもこんな作品がいまやヒューゴー賞を受賞するとは。
ちなみに私は1980年代までしかSFは読んでいませんが、いい時代にSFを読んでいたと改めて思いました。いまはもう現実科学や想像世界がSFを超えてしまっていて、SFのSが一体何なのかがわかりにくくなってしまっているような気がします。
まあこんなことを言うと、岡和田さんからはまた笑われそうですが。
『三体』はその後も3作品が出版されていますが、もう読むのはやめました。
でも久し振りに、「神狩り」を読んでみようかと思います。
果たして今の私にSFを読む感性と知性が残っているかですが。
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