■第27回万葉集サロン「歌と語りのあわい 融合する〈わ〉と〈な〉」のご案内
万葉集サロンはここしばらく山上憶良の世界を楽しみましたが、今回は高橋虫麿の「詠霍公鳥一首并短哥」(巻9-1755.1756)と「能登国歌三首(の内二首)」(巻16-3879.3880)を読みます。
升田さんからのメッセージです。
いずれも全て長歌(反歌あり)ですが、虫麿の、托卵という習性ゆえに孤独に生まれたホトトギスへの感情移入。能登の、愚人(使用人)の失敗を皆で慰めようとする共同意識。そこには「な」と融合し協合しあおうとする優しさが包摂されています。民謡はからっとした明るい「からかい」かもしれません。
これらの情調はどこから来るのか。心地好い「〈た〉の中の〈わ〉」のありようを、歌の中の「言」から見てみることにします。
宮岡伯人(言語学)は「〈語〉は意味的な単位でなくカタチである」といいます。
つまり「〈ふれ〉られるもの」といい、小松英夫(日本語学)は「日本語に関する論議のほとんどがひとつのコトバ、ひとつの言いかたの正誤を問題にするものである」と批判します。
これらの視野にならって考えてみたいと思うのですが、文法的な規範から少しずれるかもしれません。ずれても万葉人は気にしないでしょう。楽しく読めればいいなと思っています。
高橋虫麿の世界から何が見えてくるのかとても楽しみです。
「言語学」「日本語学」と、また新しい話題へと視野が広がりそうです。
いつも書いているように、升田万葉集サロンは、歌を読みながら、当時の社会やそこでの人間の生き方に思いを馳せ、時には今の自分の生き方も問い直す示唆を与えてくれます。
今回はいつもよりもちょっと難しそうな気もしますが、どんな質問も許される気楽なサロンですので、万葉集など読んだこともない人もどうぞ気楽にご参加ください。
〇テーマ:「歌と語りのあわいー融合する〈わ〉と〈な〉」
〇日時:2023年6月18日(日曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇講師:升田淑子さん(万葉集大好き研究者/元昭和女子大学教授)
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)
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