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2023/06/20

■湯島サロン「7回目のサンティアゴ巡礼」報告

7回目のサンティアゴ巡礼から帰国してまだ10日という鈴木章弘さんに、身体的な感覚が残っているうちにとお願いしたサンティアゴ巡礼報告は14人の参加がありました。

Sanchago202306

予想に反して鈴木さんはいたって元気そうで(疲れよりも精気が勝っていたようです)、そのうえ、修道女手づくりのアーモンドタルトケーキを持ち帰ってきてくださり、参加者にふるまってくれました。参加者が多かったため、もしかしたら遅れてきた方にはまわらなかったかもしれません。私も一口いただきましたが、おいしかったです。

今回は、いわゆる「フランス人の道」約900km35日かけて歩いたそうです。
コロナ禍でこの数年、巡礼に行きにくかったこともあり、今回はこれまでになく巡礼者が多く、宿を確保するのも大変だったそうですが、それもまた楽しんできたようです。

鈴木さんは、まずご自分のサンティアゴ巡礼史を紹介してから、今回の巡礼行を決心するまでの経緯を話してくれました。以前なら、行こうと思ったらすぐ決行だったのに、今回は各国のコロナ予防の水際対策が気になって迷っていたそうです。その時に大学時代のゼミの先生の「なにかを「しない」理由をつらつら挙げているうちはその人はなにも「しない」。なにかを「しよう」とするとき、そこに理由は必要ない」という言葉を思い出したそうです。
そして、この数年は、なんでもコロナのせいにすればよかったことに改めて気づかれたそうですが、たしかにその影響がこれからどんな形で表れてくるのか気になります。これはサンティアゴ巡礼とは関係ない話ですが。

その言葉の「押し」があったのかどうかわかりませんが、出発予定日の1週間前にネットで航空券購入ボタンを押して、4年ぶりのサンティアゴ巡礼がスタート。これまで6回も行っていますので、持ち物はほぼ流用。荷物は最小限の4.7kgにまとめ、あとは手荷物。鈴木さんはスマホは使っていないので、現地で入手した地図が頼り。宿の予約もあえてすることなく、これまで通りの巡礼スタイル。

ところが行ってみて驚いたのは、前述の通りの巡礼者の多さです。
とりわけ多かったのは韓国人だったそうですが、日本人も多く、過去5回の巡礼で出会った日本人の総計をはるかに上回る数の日本人巡礼者と出会ったそうです。
たった一人で歩いていた最初に行ったころとは違い、行列をなしての巡礼風景もあったようですが、それでも昔ながらの人間の触れ合いも体験できたようです。

話し合いの時にも話題になりましたが、巡礼路では誰とも気楽に声を掛け合える雰囲気があることもあって、今回も鈴木さんはいろいろな人との出会いを得たようです。
しかもその出会いは、その後も長く続くようです。それもまた巡礼の「つづき」なのかもしれません。巡礼は巡礼路を超えてつづくようです。

鈴木さんは、巡礼最新事情や印象に残った人、ことば、出来事などを、エピソード風にいくつか紹介してくれましたが、一言でいえば、多様な人、多様な考え方、多様な価値観、多様な世界と出会うことが巡礼の楽しさだそうです。観光地化やスマホによるデータ整備などの動きにもかかわらず、鈴木さんはご自分の巡礼ペースを崩さずにこれまで通り、それらを楽しんできたようです。
それに、巡礼も7回目ですが、いつも利用するお気に入りの定宿でも新しい体験を楽しんできたようで、時間的な巡礼も楽しんでいるのです。

巡礼後に到達したサンティアゴ大聖堂での香炉の大振り子にはさぞかし感動するのだろうと思うのですが、意外とそうでもないようです。前回もお話がありましたが、達成感よりもむしろ旅が終わってしまったという寂しさのほうが大きいそうです。
サンティアゴ大聖堂は肉体的な目的地。精神的にはそこはむしろ出発地なのだそうです。それこそが「巡礼」と「旅行」の違いなのかもしれません。

鈴木さんは、今回出会った巡礼者の言葉もいくつか紹介してくれました。
「巡礼しても神からのメッセージは降りてこなかった」(33歳女性/ライター)
900km歩いてもこれからどう生きていくべきか答えは出ていない」(31歳男性/元商社マン)
サンティアゴから帰ってきてから、もう一つの巡礼が始まるのかもしれません。
「巡礼の道で起きることはなにかのメッセージ」(50代女性)と言った人もいたそうです。鈴木さんも、巡礼で得たものを生活に活かす、「
常生活の巡礼化」をよく口にされますが、今回もきっとたくさんのメッセージを受けてきたのでしょう。

参加者の中にも、サンティアゴ巡礼を考えている人も何人かいました。
実際の歩き方などの質問も出ていましたが、サンティアゴ巡礼への関心がこんなに高いことにも驚きです。それはたぶん、いまの世相と無縁ではないのでしょう。

鈴木さんが話してくれたサンティアゴ巡礼の魅力をきちんとお伝えできないのが残念ですが、関心のある方はぜひ鈴木さんにお問い合わせください。きっと喜んでいろいろと話してくれると思います。

ちなみに今回の総責用は約50万円、うち半分が航空券代だそうです。円安もあって、感覚的には費用は倍増だそうです。

またいつか、今度はサンティアゴ大聖堂から始まった巡礼編をお願いしようと思っています。鈴木さんが受けてくれればの話ではありますが。

 

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