■湯島サロン「『ヒューマン・ハーベスト』上映会&ディスカッション」報告
中国で行われている違法臓器収奪売買とそれに巻き込まれた臓器移植関係者の実態を告発したドキュメンタリー映画『ヒューマン・ハーベスト』をみんなで観て話し合うサロンを開催しました。
その映画の上映会活動に取り組んでいる張さんと根本さんも参加して、こうしたことの背景や日本での動きなどを話してくれました。
案内にも書きましたが、趙さんや根本さんの取り組みは、次のサイトをご覧ください。
映画『ヒューマン・ハーベスト』の紹介などもあります。
NPO移植ツーリズムを考える会
https://stop-oh.org/
SMGネットワーク(中国における臓器移植を考える会)
https://youtu.be/Mv8KehrX11c
映画の内容などは直接、映画を観てもらうのがいいと思いますので、ここではあえて紹介はしませんが、死刑囚や死刑制度が、世界中の臓器移植希望者の需要を満たすために権力者によって使われていることを告発しているのです。
映像によれば、こうした動きは20年以上前から世界各国で問題にされ(張さんによれば中国においても、だそうです)、反対表明なども出されているのですが、なぜか今もなお続いているそうです。なかにはそうした違法臓器移植への禁止法をつくった国もあるそうですが、日本では今なおあまり話題にもならずに、法制化の動きも今はまだ出ていないそうです。
最近、議員会館で国会議員も対象にした上映会をやったそうですが、参加した議員は30人弱だったそうです。そこから今のところまだ目立った動きは出ていないようですが。
映画を観た後、それぞれが簡単な感想を述べ合った後、話し合いに入りました。
話し合いもさまざまで、時には少しヒートアップしたりしました。
話し合いは、文字にするのは難しいのでやめますが、もっともっと話し合いの場があってもいいなと思いました。
張さんは、この問題を中国で行われている、自分とは無関係な問題だとは思っていいのかと問いかけました。私たちもまた、いつ同じような状況に巻き込まれないかもしれないというのです。そういう「想像力」をもなければいけないという指摘には共感します。
しかし、私はそれ以上のつながりを感じました。
この映画が始まって私がすぐに思い出したのは、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」でした。同時にまた、最近の経済が「人間の心身」さえをも「商材」にしている風潮にも重ねてしまいました。
ですから私には、いまの日本でもすでに同じようなことが行われているという気がしてならないのです。しかも、もっと巧みに、です。
いささか「想像力」が飛びすぎているかもしれませんが、大きな物語は、いつも小さな物語から始まります。
根本さんや張さんは、当面の目標を、多くの人にこうした事実を知ってもらうことと、そして日本でも違法臓器移植禁止を法制化することだそうです。
それには異論はありません。
私としては、とりあえず今回の上映会に参加できなかった人にもぜひ見てもらう機会をつくりたいです。
もしみなさんの中で、仲間での上映会をやりたいという方がいたら、根本さんが協力してくれると思いますので、ご連絡ください。
サロンに参加した方も、そういう上映会を自分も考えると言ってくれた人もいます。
やはり「知ってしまった者」としての責任は果たさなければいけません。
湯島でも、今回参加されなかった人で希望者が3人以上出てきたら、また上映会サロンをやろうと思います。
希望者は私にご連絡ください。
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