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2023/10/25

■映画会サロン「私の父もそこにいた~証言によるベトナム残留日本兵の存在」報告

映画「私の父もそこにいた~証言によるベトナム残留日本兵の存在」を観て、制作者の添野江実子さんと話し合うサロンには、9人が参加しました。
映画からも多くの学びをもらいましたが、「ベトナム残留日本兵だった養父の人生をもっと知りたい」という思いから始まった添野さんの映画づくりとそこから始まった(未完の)物語からは大きな感動をもらいました。添野さんの思い(文字ではなかなか表現できません)にもっと多くの人に触れてほしいと改めて思っています。

映画は40分ほどで、ネットで無料配信されていますので、ぜひご覧ください。
https://asiandocs.co.jp/contents/164?fcid=7

添野さんの紹介記事や取材記事もネットで出てきますので、ぜひお読みください。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/39671335a0b0b72ba6969b09b1bbf9894f441ae5

第二次世界大戦後、日本に戻れなかった残留日本兵が、ベトナムでは700人ほど発生したそうですが、添野さんの養父もその一人です。
残留日本兵というと、横井庄一さんや小野田寛郎さんを思い出しますが、事情はそう簡単ではありません。残留にはそれぞれの事情と理由があったはずです。そういうことへの思いが、恥ずかしながら私にはあまりありませんでした。せいぜいが、映画『ビルマの竪琴』の主人公のように、仲間を弔うというような積極的な意志を持って残留した人もいただろうなという程度の思いしかありませんでした。
添野さんが気づかせてくれたような「政府の都合に振り回される」「残留地の状況に巻き込まれる」ということに関しては、さほど深くは考えていなかったのです。

添野さんの養父は、ベトナムに残留し、一時期、ベトナム独立同盟(ベトミン)に参加したそうです。どういう経緯でベトミンに参加したのか、理由はわからないようですが、厚生労働省恩給局の「帰還者名簿」には「残留理由」が「逃亡」とされて、いまもなお名誉回復されていないそうです。一方では、英雄視された人もいる。残留日本兵にはさまざまな歴史があるのです。不条理を感じます。
そこに、「国家と国民」を考える材料がある。決して他人事ではないでしょう。

添野さんの映画づくりは、しかしそう順調だったわけではありません。
資金作りのために、クラウドファンディングを考えましたが、なかなかうまくいかず、動き出しはしたものの、結局、集まったのは目標額には程遠い金額でした。

それでも添野さんはあきらめずに、ともかく動き出した。そしていろんな人の協力もあって、映画は完成し、上映会も行われだしました。講演をする機会も増えだしました。
思いをもって動き出せば、自分の力を超えた力が集まりだす。添野さんの実践は、思いの実現を目指している人にとってはとても参考になります。

添野さんは、映画づくりに取り組んだおかげで、ベトナムに関わる多くの人と出会い、ベトナムにも何度か行っています。そしてベトナムという国やそこで暮らす人たちへの関心を高めているようです。

ある取材で、添野さんはこう話しています。
「父とベトナムの出会いは不幸な戦争がきっかけだったけれど、私はベトナムと日本の絆をつなぐ活動や、子どもの教育支援に携わっていきたい。活動する中で父を助けてくれた人の子孫との出会いがあるかもしれないですから」。
まさに「恩送り」の生き方です。そういう添野さんの、前向きの姿勢には教えられます。国家ではできないことが、国家を超えた人のつながりで実現することもある。

いま、添野さんは会社を立ち上げて精神障害をもっている人たちのための施設づくりに取り組みだしています。ベトナムでの枯葉剤の影響を受けた人たちとの出会いと無関係ではないようです。
その会社の名前を「バンロン」(Van Long・雲龍)としたそうです。これは添野さんの養父がベトナムで暮らしていた村の名前だそうです。今年の初め、やっとそこがわかり、訪問してきたそうですが、いつかバンロン村に役立つ事がしたいと添野さんは言っています。

添野さんのエネルギーの源泉は「父のことを知りたい」でしたが、いまはむしろ「自らのルーツを知りたい」に移っているようです。その思いは、今回のサロンに参加していたおひとりに大きな力を与えてくれたようです。彼女もまた、いま、自らのルーツ探しに動き出したところだそうです。いつかその人のサロンがあるかもしれません。
自らのルーツへの関心は、人を元気にしてくれるようです。

肝心の映画の内容の紹介はできませんでしたが、それはネットでぜひ見てください。
そしてもし仲間で、映画上映会を開きたいという方がいたら、あるいは、添野さんの話を聴きたいという方がいたら、ぜひ添野さんに相談してみてください。きっと協力してくれると思います。

添野さんの映画が、これからさらにどんな物語を生み出していくのか。
とても楽しみです。

Soeno

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