■第2回脱ひきこもりサロン「ひきこもり当事者の親にできること」報告
「脱ひきこもりサロン」の2回目は、親の立場から話題提供を吉田さんにしていただきました。吉田さんは1回目の当事者の話題提供のサロンにも参加してくださっています。
前回、ひきこもり当事者の立場で話題提供してくれた2人も含めて、引き続き参加してくれた人も多かったのですが、新たな参加者もありました。少しずつ輪が広がっていけばと思っています。
吉田さんは、ご自分の状況や気持ちをとても素直に開陳してくださいました。
「親として何ができるか」を悩みながら、長いこと問題解決に取り組んできていることが伝わってきました。「ひきこもり」に関する書籍もたくさん読み込んでいますし、セミナーやカウンセリングなどもたくさん受けてきています。その資料などもみんなに公開してくれました。
専門家などのアドバイスも聴きながら、ご自身の生活行動や考え方も大きく変えてきていますが、状況はなかなか変わらないという思いを強くお持ちです。
年齢も80歳になり、最近はまさに世にいう「8050問題」を強く意識されているようです。
話し合いの内容はオフレコですので紹介は差し控えますが、示唆に富む話がたくさん語られた気がします。何よりも、知識ではなくご自身の体験と思いを何ら飾ることも隠すこともなく誠実に話してくださったので、話しやすい場が生み出されたように思います。
聞き手にとってはなんでもないことかもしれませんが、当事者にとってはこうしたことがいかに大変なことなのかは、私も少しはわかっていますので、その勇気と誠実さには頭が下がりました。案の定、かなり手厳しいコメントもありましたが。
でもそのおかげで、サロンはいつも以上に生きた言葉が飛び交ったように思います。
同じ話でも、受け取り方は人によって違います。吉田さんの話そのものにも、共感したひきこもり当事者もいれば、批判的なひきこもり当事者もいました。当事者だけではなく、親の立場、第三者的な立場からも、受け取り方はいろいろでした。
感情の行き違いも少し起こりましたが、そうしたことはたぶん「ひきこもりの現場」でも起こっているのでしょう。お互いに、良かれと思っての言葉が相手を傷つけてしまうこともある。そうしたことが浮かび上がってくるサロンにしたいと思っていますが、吉田さんのおかげで2回目にして少し手ごたえを感じました。
まだ「知識ベース」での話もありましたが、逆に「言葉」や「知識」で問題を捉えがちな専門家への異論もでました。他者へのアドバイスや評価の志向もありましたが、それぞれが自分の問題として自分を問い質す状況も、前回よりは少し強まったような気がします。
オープンダイアローグの話題も少し出ましたが、ナラティブな対話はそう簡単ではありません。しかし、生活現場における日常用語でのやりとりを通して、自分の問題がうまくとらえられれば、状況は変わっていくでしょう。そんなサロンに育っていけばと思っています。
生き方は人それぞれで、さまざまです。
そうしたことを素直に認めあって、支え合っていけるようになれば、そもそも「ひきこもり」などが問題になることもなく、「ひきこもり当事者」などという言葉もなくなるでしょう。そんな社会への一歩が踏み出されそうな、そんな気がしたサロンでした。
第3回の脱ひきこもりサロンは、そんな思いも込めて、さらにもう一歩進めたいと思います。3月17日を予定していますが、案内を明日にでも出させてもらいます。
ぜひさらに多くの、そして様々な立場の人の参加をお待ちしています。
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