■「タリバンが今、世界で一番知的な人たち」
今日は、腰痛対策で朝、1時間ほど歩いた以外は、ずっと在宅でした。
散歩の帰りに図書館で新書を借りてきました。
その一冊が、内田樹さんとイスラム学者の中田考さんと山本直輝さんの鼎談の「一神教と帝国」という新書です。とても読みやすく一気に読んでしまいましたが、気づかされることがたくさんありました。
たとえば、こんな発言が中田さんからあります。
「タリバンが今、世界で一番知的な人たち」。
中田さんは、「タリバンは女性蔑視で女の子たちに学校も行かせないじゃないかという、西側諸国の批判があります。しかし、タリバンは女性の教育を禁止しているわけではない。理由があるから今は一時的に禁止しているだけなのです」とも言います。
一番若い山本さん(30代なかば)はトルコの大学で教えていますが、地に足着いた研究をされているのが伝わってきます。前にも彼の「スーフィズムとは何か」を読んで教えられたことがたくさんあったのですが、この鼎談では改めてまた山本さんの発言にいたいほどの刺激をもらいました。やはり海外にいるせいでしょうか、発想がまるで違う気がします。惚れ込んでしまいます。
「リンガフランカ(普遍言語)としてのアニメ日本語」といった話題も盛んに語られています。コミックは最近読んでいないし、アニメは「キングダム」以外は見る気も起きないのですが、「NARUTO」とか「ゴールデンカムイ」はちょっと気になってきました。
鼎談をまとめた新書なので、気楽に読めますが、内容は実に深く、刺激的です。
冒頭の「タリバン評価」に示唆されているように、日本の報道や日本人の著作とは全くと言っていいほど違った指摘が、いきいきと展開されています。
教えられることも実に多い。
ぜひ多くの人に読んでもらいたい本です。
やはり未来はイスラムかアニミズムかですね。
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