■湯島サロン「請願権の現実をご存じですか」報告
湯島のサロンでは、今年は改めて「平和」をテーマの一つにしようとしていますが、生活レベルでしっかりと平和を考えていこうという生活目線での平和サロン(茶色の朝サロン)も再開します。
このシリーズでは、単に話し合うだけではなく、実際の行動へとつなげていくことを意識していきたいと考えています。実際に具体的な課題に取り組んでいる方の呼びかけを歓迎していますので、呼びかけたい方は気楽にご連絡ください。
ここでも平和は、私たちの生活の安心につながる問題はすべて対象にしています。ただし大上段に「平和」を語るのではなく、実践が伴うものを重視したいと思っています。
今回の問題提起は、自分に降りかかってきた交通事故の問題に絡んでぶつかった「不都合な現実」を題材に、生々しく請願権活動に取り組んでいる濱中都己さんによる「請願権」がテーマです。
参加者も実際にさまざまな活動に取り組んでいる女性たちの参加が多かったこともあり、最後まで生々しい話し合いになった気がします。
途中で、ふたりの人からドイツの法学者イェーリングの「権利のための闘争」の言葉が引用されていましたが、実践活動に取り組んでいる女性たちの言葉には、やはりエネルギーを感じます。頭だけでの話し合いとは違うので、たくさんの刺激をもらいました。でもやはり男性と女性とでは思考回路が違うような気もして、男性の私としては、いささか身を縮めながら話を聴いていました。
濱中さんは、母親の自動車事故の話から話し出しましたが、すべてはそこからは始まったのです。ですから、実に生々しい。その事故の保険金の支払いをめぐって、濱中さんにとっては納得できないことが続出し、それを調べていくうちに、健康保険法の運用の問題点や金融ADR制度のおかしさやスラップ訴訟問題に行き当たったのです。
そして、いろいろな取り組みをしているうちに、憲法で保障されている請願権制度もまた形骸化していることに気づき、その問題に取り組みだしたのです。
実際に濱中さんは現在、2つの請願を国会議員の協力を得て、国会に提出しています
10年以上、ほぼ独力で進めてきた、その実践には頭が下がります。
でも一人では限界がある。そこで濱中さんは「みんなの請願支援センター」をみんなで作ろうと思いつき、湯島でも3年前にサロンを開いてくれました。でも「おかしなことを正そうという取り組み」は際限がなく、次々と問題や「闘争」に巻き込まれ、「みんなの請願支援センター」づくりはなかなか進まない。
今回は、そうした状況を打破して、前に進んでいく仲間を見つける呼びかけでもあったのです。
今回、濱中さんが問題提起した呼びかけは2つです。
まずは、請願権の制度を生きたものにしていこうというための組織づくり。加えて、いま実際に濱中さんが請願活動で取りくんでいる金融ADR制度や損保業界での保険金処理の仕方などでの国民の利益が損なわれている実態を広く知らせたいということです。その問題は、すべての人に関連しているからです。
そして、この2つは濱中さんのなかではつながっているのです。
最後に濱中さんは、いささかのジョークを込めて、面白い提案を出してきました。
「みんなの裏金基金協議会」を発足させ、互助会政党をつくろうというのです。
これに関しては、話し合いには至りませんでしたが、そこに込められた思いには、共感しました。しかし生活者感覚の女性たちには、なかなか受け入れられなかったのかもしれません。そこに男女の差を感ずると言ったら、非難されそうですが。
いずれにしろ、社会を憂えているだけでは、何も変わりません。
濱中さんの活動を広げていくために、何かできることを考えていこうと思いますが、一緒にやっていく人を募集したいです。
自動車事故の保険金支払いで問題を抱えている人、請願権活動で苦労している人、司法問題で大変な思いをしている人など、当事者意識のある人は特に大歓迎です。気楽に私宛にご連絡ください。
ちなみに、日本国憲法16条には次のようにあります。
「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」。
ここに定める請願権は、年齢に関係なく、外国人や参政権のない人も請願権櫛ができます。この条文がしっかり守られていけば、私たちの生活は間違いなく守られるような気がします。
近いうちにまた請願権(日本国憲法16条)を学ぶサロンや金融ADR制度や損保業界での保険金処理の問題を話し合うサロンを開催したいと思いますので、ぜひ問題を抱えている人や関心のある人の参加をお待ちしています。
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