■湯島サロン「サンティアゴ巡礼に出かけてきます」報告
湯島サロンではサンティアゴ巡礼がよく話題にあがります。
サロン常連の鈴木さんが、コロナ騒ぎ前は毎年のようにサンチャゴ巡礼路を歩き、報告のサロンをしてくれていましたし、昨年も2回のサンチャゴ巡礼関係のサロンがありました。
ちなみに、湯島でサンティアゴ巡礼のサロンを最初にやったのは20年以上前です。サンチャゴ巡礼の映画を制作しようとしていた黛まどかさんに2回ほど、サロンをやってもらったことがあるのです。
そんな「場所の記憶」の影響もあったのか、最近サロンによく来ている仲谷さんが、突然にサンティアゴ巡礼に行くと言い出したのには驚きました。
そこで、出発前に、仲谷さんにサロンをお願いしました。10人が集まりました。ほとんどがサンティアゴ巡礼を考えている人でした。サンティアゴ巡礼通の鈴木さんも参加してくれました。
意外だったのは、黛さんのサンティアゴ巡礼の映画づくりに深くかかわっていたのが、サロンにもよく来る出版活動をしている増田さん(今回も参加)だったことです。今回、話を聞くまで知りませんでした。世界はほんとうにつながっています。
仲谷さんは、最初に、今回歩くコースを紹介してくれた後、なぜ巡礼に行くことになったのか、そして行くことにしたのか、を話してくれました。
やはり湯島サロンでの鈴木さんたちの話を聞いたのが影響を与えているようですが、それだけではないようです。最近、ちょっと身内にいろんなことが起こったことも関係しているようです。人生の節目で、しかも巡礼に出かけられる状況になったということのようです。いかにも突然のような気がしましたが、そうではなかったのです。
それにそもそも仲谷さんは「異文化コミュニケーション」に関心をお持ちです。これまでも、仲谷さんは、カウチサーフィンのネットコミュニティで海外から日本に旅行に来ている人たちを対象にしたイベントなども主催し、交流しているそうですが、そうした経験からも、サンティアゴ巡礼に行くハードルも低かったようです。
つづいて、巡礼で何をしてきたいかについても話してくれました。
一言で言えば、「自分と直面し、気づいていない自分に出会いたい」ということだそうです。日本での日常生活では、なかなか他者と「深い話」はしにくいが、巡礼で会った人とは、人生とは何か、生きるとは何か、というような深い話ができるのではないか。だから巡礼で、いろんな人と出会い、話したいというのです。
深い話。心を開いての深い話を交わし合うことは、巡礼路での出会いであればこそ、可能になるのかもしれません。自らもまた、何の憂いなく心を開けるでしょうし。利害関係やその後の付き合いへの影響も考える必要もありません。
それに、そういう思いをもって巡礼に向かう人も少なくないでしょう。余計な気を遣うことなく、話を切り出せるし、心を開きあえる。
そして心を開いた深い話し合いを、巡礼路は守ってくれるはずです。
そこには長い歴史の「場所の記憶」があるからです。
最後に、仲谷さんは巡礼に向けての準備の話もしてくれました。
靴もバッグも調達し、いま持っていく荷物を絞っているところのようです。
ちなみに、飛行機のチケットはとっているそうですが、宿泊の予約はまだだそうです。そのあたりは、何回も言っている鈴木さんのアドバイスも受けながら、しかしあまりアドバイスに従うことなく、鈴木さんを心配させながらも、仲谷さんらしく進めているようです。
今回仲谷さんが歩くコースは、最初にピレネー越えをするコースなので、まあ最初を乗り越えられれば大丈夫でしょう。
意外としっかりと準備しているので少し安堵しました。
参加者からの質問は、かなり具体的なものも多く、また巡礼の意義などの話や、日本の巡礼路などの話も出ました。
参加者みなさんの話もとても興味深いものがありました。
みんなどこかで、人生を「歩き直したい」と思っているようです。
仲谷さんには、巡礼から戻ったらまたサロンを開いてもらおうと思います。
それがいつになるか少し不安ですが、どんな話が聞けるのか、そして仲谷さんがどんな自分と出会ってくるか、とても楽しみです。
また参加者のなかにはサンティアゴも含めて、巡礼に行きそうな人が少なからずいましたので、ぜひまたそれぞれの巡礼体験の話をしてもらおうと思います。
巡礼サロンも、湯島サロンの定例サロンの一つにしていきたいと思いました。
鈴木さんから前に言っていただいたように、湯島サロンもまた「巡礼場」にしたいと思っていますので。
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