■なぜみんな地域活動が嫌いになるのか
昨日、自治会の年度会計監査の集まりがありました。
私は昨年度の会計監査の一人なのです。
私たちの自治会では、16ある班が順番に会長役を引き受け、班のなかで会長などの役員を決めます。任期は1年ですが、会長は翌年は副会長、そしてそのあと2年は会計監査を務めることになっています。私は2年前に会長の役をさせてもらったので、昨年度と今年度が会計監査なのです。
昨年度の会長から丁寧な説明を受け、監査は無事終了しました。
その時に話題になったのが、会長職の大変さです。
そして一度会長職をやった人は、もう2度とやりたくないと言う人が多いという話になりました。
たしかに会長職は大変で、あまり意味があるとは思えないような会議によく参加しなければいけないのです。仕事をしている世代の人にはなかなかできることではありません。
そういう話をしていて、気づいたのですが、もしかしたらこうした自治会活動が、多くの人の地域活動嫌いを引き起こしているかもしれません。さらに勘ぐれば、そこにこそ「自治会活動」の狙いはあるのではないか。
私の体験からも、多くの場合、「自治会」と言っているものの、行政などの下請け的な活動が多く、私の感覚でも「住民活動」というよりも「市民活動」「公民活動」と言った方がいいようなものが多いのです。自分たちから自主的に行う、本来的な意味での「自治活動」はその気にならなければ何もしなくても終わります。
私が会長だった時には、幸いに私たちの班のみなさんが自発的にいろいろな役割を自主的に引き受けてくれました。ですから私はとても楽でしたし、出席を求められた会議も、意味がないものは欠席し、そこで何か主張できることがある場合には参加して意見を言いました。しかも私が会長をさせてもらった時期は、コロナの関係で地域のお祭りもなく、仕事量が少なかったこともありますが、あまり負担には感じませんでした。防災活動も副会長に一任でした。
また、会計も会計監査もすべて、会計役の人に一任していました。ですから、今回、初めて詳しい内容の説明を聞かせてもらったのです。
自治会としてやろうと思えばできることはいろいろとあります。ただ私たちの自治会の場合、任期は1年ですので、注意しないと次年度の会長役に負担をかけてしまうので、あまり勝手なことはできません。事実、私は20年ほど前に会長をやったときに、自治会の顧問的な長老役の人から、余計なことをやり過ぎないようにとお達しを受けていました。今回もそのことは、それなりに頭にあり、結果的には、独自の活動はしませんでしたが、それなりに楽しい会長仕事だった気がします。
でも多くの人には、自治会の仕事は負担でしかないようです。
私自身は、これから社会を変えていくのは、いわゆる「地域主義」的な住民活動だと思っています。期待していたNPO活動はどうも経済にからめとられたような気がしますが、逆に自治体行政のレベルでの地域主義は広がりだしています。
若い世代の意識も変わりだしている。
高齢世代が主役の「自治会」活動は、そろそろ役割を終わったのかもしれません。
昨日はそんなことを考えていました。
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