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2024/06/13

■湯島サロン「夏の食養生」報告

食は地域と季節に深くつながってこその「薬膳」だという新倉久美子さん(東方健美研究所代表)の食へのアドバイスを、季節ごとにお願いしていますが、立夏を過ぎた今回は、「夏の食養生」でした。

このサロンには初参加の方も多かったので、いつものように、食養の考え方や新倉さんの提唱している「身土不二」のふるさと薬膳の解説から始まりました。
何回聞いても、いつも新しいエピソードが追加されていて、気づかされることが少なくありません。

「食養生」に関しては、参加されていない方もいるので、改めて簡単な要約をしておきます。ひとつは「土地と食」という切り口から、地域食文化の継承と創造の意味や「身土不二」の大切さ、もう一つは「季節と食」という切り口から陰陽五行説を踏まえた「食養」の取り組み方。まとめて一言で言えば、「その土地でとれた食材を食べ、その季節にとれる旬のものを食べること」(「風土はフード」)こそ、健康につながる「食養生」だというお話です。

「食べ物は薬」という「薬食同源」の話もありました。こうしたことから新倉さんは「ふるさと薬膳」を各地に広げてきたのです。
詳しくは第1回の報告を読んでください。
http://cws-osamu.cocolog-nifty.com/cws_private/2023/11/post-c35e3b.html

つづいて、「夏の食養生」について具体的にお話しいただきました。

夏の暑さの影響を一番受けやすいのは心臓だそうです。ですから心臓への気遣いが大切です。体内にたまりがちな暑熱をほどよく排除して心臓への負担を軽くしてやらないといけません。
そこで、夏の食養生のポイントは、「暑熱をとって心臓への負担を軽減すること」。そのためには、体内の暑熱を逃がす「涼性の食材」を選ぶことが大切です。
野菜で言えば、キュウリ、ナス、トマト、ピーマンなど、夏が旬の野菜。白身の魚や貝、豚肉も体内の暑熱をほどよく排除してくれる食材だそうです。
ちなみに、大切なのは「体内の余分な暑熱をとること」で、「身体を冷やすこと」ではないそうです。

味で言えば、「苦味」が大切だそうです。夏野菜はほとんどが苦味を持つそうです。と言っても、最近の野菜は食べやすくなっていて、キュウリも昔ほど、苦味はありません。
苦味と言えば、お茶の苦みもいいそうです。たとえば、夏のしゃぶしゃぶに茶葉を一つかみいれるのも良いそうです。

心臓の異常は舌に出るので、毎朝舌を見るのがいいと新倉さんは言います。たとえば、舌の周りが赤くなったり、ひび割れが出たりしていたら要注意。心臓というよりも、心機能に問題が生じているのかもしれません。心機能の低下による不具合は次の季節にまで持ち越す可能性もあるので、注意しなければいけません。
らっきょも血をサラサラにしてくれる効果があるのでいいそうです。

食欲がない、何となく体がだるくて寝苦しい、など夏バテと言われる症状が出るこの季節を健やかに過ごすための、食養生のポイントを、漢方では、食べ物によって体内の「蔭」を補い、心臓系統の機能を高めようとの意味から、「補蔭養心」という言葉で表すそうです。

最後に新倉さんは、「夏は心臓、苦味」と覚えましょうと、私でも覚えられる一言にまとめてくれました。

ちなみに私は、新倉さんの話を聞いた翌日から、らっきょを食べ出し、苦いお茶を飲むようにしました。これでこの夏はもう大丈夫でしょう。

こうした新倉さんの食養指針の背景にあるのは、長年の調査研究、そして実践を通して、新倉さんが整理した「(新倉版)陰陽五行配当表」(添付)です。
ぜひ一度、新倉さんの話をお聞きになって、この表を冷蔵庫にでも貼っておくといいと思います。ともかく簡単に新倉さんの話を思い出せますので。

Photo_20240613082701

いつも報告にも書かせてもらっていますが、食は生き方にも深くつながっています。
「夏の食養生」を切り口に、最近ともすれば失われがちの「季節感」を取り戻すだけでも、生き方や世界の見え方が変わるかもしれません。

なお、藤倉さんは、今月から「週刊金曜日」に、写真付きで食養について毎月連載されるそうです。今月の28日号が連載第1回です。よかったらぜひお読みください。

蛇足ながら、この報告で書いた内容は、参加者の一人でもある私が理解した限りのことなので、文責はすべて私にあります。私の「食」や「食材」に関する知識は、かなり低いので、誤解や誤認があるかもしれません。このサロンを通じて、一生懸命勉強していますので、お許しください。

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