■第34回万葉集サロン「巻1-5~6の「軍王」の歌」のご案内
「帰化人の歌」最終回は、何かと問題の多い、巻1-5~6の「軍王」の歌を読みます。
予告させていただいていますが、今回は恒例の第3日曜ではなく第2日曜なのでお気をつけください。
「軍王」の歌は、巻1の、しかも雄略天皇・舒明天皇・中皇命の歌に次ぐ位置に置かれている歌ですが(ちなみに次に額田王の歌が続きます)、読み手の「軍王」に関しては、古代文献ではここにしか名を見ない伝未詳の人物です。
また、題詞によると、舒明天皇が行幸した折に、軍王が詠んだ行幸従駕歌とありますが、体裁はともかく、全く地名が詠み込まれておらず、いわゆる行幸従駕歌とは違っています。
作者、人物像、作った年代、どこでどんな場所でなど、解決されていない問題の多い歌ですが、今回はこの歌を通して、これまで読んだ帰化人の歌を、改めて逆照射からの読み解きをしていこうというのが升田さんのお考えです。
歌を読みながらいろいろな問題に言及し、これまで読んできた帰化人の歌を重ねながらまとめてもらえるということです。
歌の解釈だけではありません。
軍王が帰化人であるとすれば、この問題の多い歌を、編集の際にここに挿入したことにこそ、当時の列島に先住していた人たちが「帰化人」をどう思っていたかを考える重要なヒントがある、と升田さんは言います。
つまり「帰化人」とは一体何なのか、にも話は行くかもしれません。
ちなみに、軍王を舒明期に百済から渡来してきていた百済王の子の余豊璋を指すとする説もありますが、想像を膨らますには事欠かない人物です。そもそも「軍王」とは不思議な名前です。これだけでも升田さんは1時間以上話してしまいそうで、いささか心配ですが、どうなりますか。
いずれにしろ、升田さんは、日本人倭歌と帰化人との交流はとても刺激的だったと考えています。その交流のなかで、「た・な・わ」の捉え方も大きく変わっていく。「自己」の捉え方はもちろん、人と人のつながり方や社会のあり方が変わってくる。
話題満載のサロンです。
みなさんの参加をお待ちしています。
〇テーマ:「帰化人の歌を読む④ 巻1-5~6の「軍王」の歌」
〇日時:2024年8月11日(日曜日)午後2時~4時
〇場所:CWSコモンズ村湯島オフィス
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇講師:升田淑子さん(万葉集大好き研究者/元昭和女子大学教授)
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)
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