■中国深圳での日本人学校の男児刺殺事件に思うこと
中国深圳での日本人学校の男児刺殺事件は、私にとってはこの数日に中で一番大きな事件でした。
現場に花束を持って追悼に来た中国の男性が、この事件で中国人のことを決めつけないでほしいと言っていたのが心に残りました。
残念ながら多くの日本の人たちは、この男性の危惧の通り、中国や中国人への不信感を高めているように思えます。
岸田首相は襲撃を「極めて卑劣な犯行」とし、「中国側に対し、事実関係の説明を強く求めていきます」と発言しています。
「中国側に対し・・・求めていきます」という発言にも私は違和感を持ちます。
なぜならこれは中国だけで起きている問題ではないからです。
せめて中国側と一緒になって、状況改善に取り組んでいきたいという姿勢を持ってほしいと思うからです。
もちろん中国政府の姿勢には問題を感じます。
事件の詳細があまり報道されていないことにも問題を感じます。
でもこれもまた別に中国が特別の訳でもないでしょう。日本でも状況はさほど変わっていないと思います。
しかしその一方で、事件が明らかになってくるにつれて、被害男児を追悼する動きが広がっているようで、そうしたことには安堵します。
こうしたことは、どこの国であろうと自然に起こる人間の本性だからです。
政府は信頼できずとも、人間は信頼できます。
こうした事件を、政府はそれぞれの思惑から事実を隠蔽しながら有利に利用しようとしますが、国民、というか個々人の立場からは、中国とか日本とかとは関係なく、同じ動きが起きるのです。
そのことを改めて思い知らせてくれる事件です。
だから私には、最近一番心に残る事件なのです。
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