■『信頼されるリーダーになるための37の「やめる」』(ぱる出版)の紹介
先週、久しぶりにチェンジ・アーティスト代表の荻阪哲雄さんが湯島に来ました。
新著を出すので、店頭に並ぶ前に読んでほしいとわざわざ持ってきてくれたのです。
すぐに読もうと思っていたのですが、思ってもいないことが起こり、10日ほど気力を失っていました。ようやく気が戻ってきたので、読ませてもらいました。
さすがに実践の場を大事にしている荻阪さんだけあって、わかりやすいです。
企業やNPO、行政組織で活動している人たちだけでなく、社会で活動しているすべての人たちにお勧めです。信頼される存在になることは誰にとっても大切なことですから。
荻阪さんとの付き合いは長いです。私がまだ企業経営の変革に期待を持っていたころ、企業変革に取り組んでいた人たちとの付き合いはそれなりにありました。私の考えは、かなり主流とは違っていましたが、荻阪さんは「違い」ではなく「共通するところ」に焦点を当てて付き合ってくれていた気がします。
「共通するところ」とは、「社員一人ひとりを主役にするという視点」です。その視点に立てば、会社組織の原理も組織経営の理念もいまのような形とは全く違ってくるでしょう。「働くこと」の意味も、事業の意味も変わってくる。しかし、日本の企業は21世紀に入って、その道を放棄したような気がします。私が企業経営に関わるのをやめたのは、そういう思いが強まったからです。
荻阪さんは「組織開発」の専門家ですが、独自に開発した「バインディング・アプローチ」(トップダウンとボトムアップを「バインディング」つまり「結束」させる手法)をベースに実際の企業経営に関わってきています。その目線はいつも社員一人ひとりの気持ちに向けられているのです。理屈でそう言う人は多いですが、荻阪さんの場合は、理屈ではなく実践からの主張なので、地に足がついています。実際の企業経営現場に関わりながらも、大学でも教鞭をとってきたからこそなのでしょう。現場での実践・体験知が論理的にしっかりと整理されています。
荻阪さんは「社員参謀」という発想もお持ちです。「社員参謀」は荻阪さんの造語ですが、これからは、経営者にとっての参謀と同じく、社員にとっても参謀が必要だというのです。社員一人ひとりの力を引き出し、組み合わせていく上では、個人を起点にした参謀役が効果的だというわけです。
今度出版した『信頼されるリーダーになるための37の「やめる」』は、『社員参謀』『リーダーの言葉が届かない10の理由』につづく、荻阪さんの「組織開発」三部作の完結編です。
前作からちょっと間がありましたが、その分、荻阪さんの思いが深まり、わかりやすい実践語で書かれています。
完結編の本書は、表題からわかるように、リーダーがやりがちな37の悪習慣を「やめる」ことを提案しています。
信頼されるリーダーは、「やること」の前に「やめること」を決めている、と荻阪さんは言います。リーダーが「やめること」を自己決定すると、組織の優先基準が示され、メンバーが「やること」に集中できるようになる。つまり、信頼されるリーダーは、先に「やめること」を決め、仲間と一緒により良い道を築いていくというわけです。
リーダーの「アクション(やめる)」が、各自が自発的に動くという「リアクション(反応)」を促す。そういう象徴的なアクションを、「部下が安心して働くための環境づくり」「部下が楽に話せるため動作づくり」「部下が遠慮なく聞けるための傾聴づくり」「部下が相談しやすくなるための相談づくり」「部下と一緒に変わるための変化づくり」という5つの柱に分けて実践的に示してくれています。その気になればすぐにでもできる提案ばかりですが、意外とハッと気づかされることが多いはずです。
詳しい内容は出版案内をご参照ください。そして是非お読みください。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784827215007
私はもう組織活動はあまりしていませんが、生き方を問い直すヒントをいくつかもらいました。
そういう意味では、だれにもきっと気づかされることのある本だろうと思います。
もし本書を読んでもう少し議論を深めたいという方が複数いらっしゃったら、荻阪さんもお呼びして、読書会的サロンを企画したいと思います。テーマは「信頼」。
本を読まれて、関心を持たれた方は私にご連絡ください。
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