■日本人には単一の意志があるのか
昨日、「日本人ファースト」に関して否定的な意見を投稿したのですが、読んでくださった方が多く、なんと100を超えるコメントをもらいました(私のコメントも含めてですが)。
そして、話は「家族ファースト」の是非にまで広がり、私は「家族ファースト」ではないかという評価までもらいました。
いろんな意見が飛び交ったので投稿の意味はあったかと思うのですが、やはりどうも気になって、もう一度、投稿したくなりました。
ちなみにこういうテーマのサロンはこれまでも何回かやってきたつもりですが、サロンではなかなか伝わらないのかもしれません。
よく言われるように、ポピュリスト政治家は「人民」は単一の意思をもっていると信じているようです。そもそも「民」という言葉には、そういうニュアンスがこもっていると思いますが、実際にある国土で生きている人たちは、それぞれに違った価値観や利害関係を持った存在です。一括りできるような存在ではありません。
ですからそもそも「日本人ファースト」というのは、所詮はそう発言しているポピュリスト政治家自身が想定している虚構の日本人本位ということになるはずです。
少なくとも神谷さんが行っている「日本人ファースト」の「日本人」には私は入っていないと思います。「日本人ファースト」という価値観に反対しているのですから、入るはずがないのです。
ここでナチズムを例に出すのはまた反論を呼び起こしかねませんが、有名な「アイン・フォルク、アイン・ライヒ、アイン・フューラー」(「一つの民族、一つの国家、一人の総統」)を思い出してしまいます。
ナチズムにとって、フューラー(総統)が考えることがドイツ人の考えることであり、それに異を唱える人はドイツ人ではなかったのです。その人たちがどんな仕打ちを受けたかは言うまでもないでしょう。
Kinoshitaさんが、「参政党は「日本人ファースト」。トランプは「America First」で「アメリカ人」とは言っていません」とコメントしてくれました。ここも政治家の立ち位置を感じさせます。
「America First」と「アメリカ人」とは全く意味が違います。
前者には、アメリカに住むすべての人たちが含意されていますが、後者には、誰かが考える「アイン・フォルク」となってたぶん「排除」が作動します。
もちろん前者は、「アメリカ人」だけではありません。国土も歴史も含まれるでしょう。
国家の統治者としての発言としては、納得できます。
そこがトランプと参政党や小池都知事との違いだと私は思っています。
参院選のサロンをやりたくなってきましたが、それよりも今は、多くの人にしっかりと考えて、投票してほしい気持ちでいっぱいです。
今日も川田龍平さんはがんばっています。
応援しています。
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