■湯島サロン「なんで戦争が起こるのだろう(第2回)」報告
「なんで戦争が起こるのだろう」を話し合うサロンは、2回目にもかかわらず10人を超す人が集まりました。関心の高さに改めて驚きました。
やはりみんな、どこかで不安を感じているのかもしれません。自分の考えを話してみんなの感想を聴きたいと言って、大事な用事までキャンセルして急遽参加してくれた方もいます。
最初に参加者それぞれの思いを話してもらい、その後、自由に話し合いました。
とてもうまく現状を整理してくれた人がいます。
これまで平和憲法に守られて日本が戦争に巻き込まれなかったわけではなく、日米安保に守られて戦争に直接関わらないできただけではないのか。しかし、アメリカ政府の力や意識が変わってきて、最近は何か不安を感じる。それに万一、戦争が起こったりしたら、雰囲気に乗って自分が戦う先頭に立たないとも限らない。そうならないように、自分でできることを探したい。
戦争は避けられないのではないかという人も何人かいました。
人間は本来、生存のために「戦う本能」を持っている。いま人類は資源的にも環境的にも限界に近づいている中で、戦争は不可避ではないか。だから、自らが軍事力を高めて攻められないようにすることが必要だというのです。
しかし、本当に人間の「戦う本能」は、防衛を超えた攻撃性を持っているのでしょうか。
考古学や人類学の意見も一様ではありませんし、心理学者の意見は時代によってころころ変わりますので、絶対ではありません。
歴史は私たちの生き方で変えられるのではないかと私は思っています。
そういう大きな話の一方で、今回も個人としては周りの人(そして在留外国人)と仲良くしたり、自らの内心を見つめたりすることで心の平安を高めると、社会の見え方も変わってくるという話も多かった。そうしたことは、今日からでも誰にでも、できるはずです。
しかし、そうはいっても政治の影響は大きい。安保法制という名の、軍事化がどんどん進んでいますし、先の選挙では徴兵制までが取り上げられてきました。政治に無関心でいたら、ある日突然、「赤紙」(召集令状)が届いて、戦場に駆り出されるかもしれません。
外国人と仲良くなっても、突然にイスラエル建国時のように、敵味方に区分けされて殺戮し合う状況に追い込まれるかもしれません。いまでもそれを煽っている人がいますし、それに煽られている人もいる。
いや、だからこそ、いろんな人たちの問題を、自分の生活ともつながっているという想像力が大切なのです。分断は戦争につながりかねません。自分の世界を守ろうとして他者への関心を失えば、あのニーメラーのように後悔することにもなりかねません。
https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/tachiyomi/4319380.pdf
どうすればいいか。
もっと私たちは、政治に関しての話し合う場をつくっていく必要がある。
その気になれば、そういう場はいくらでもできるはずだと、実際に地元でそういうことを心がけている人が呼びかけました。私も全く同感です。
幸いに最近は、「政治」の話が以前ほど「タブー」ではなくなってきました。
それにその気になれば、政治に働きかける仕組みも増えてきています。
あまり話は出ませんでしたが、近現代の歴史や世界情勢を学ぶことも大切です。そうした背景知識の有無が、事実を正しく理解するうえでとても大切です。
勝手な私見を言えば、たとえば、最近出た『新書昭和史』(講談社現代新書)くらいは読んでおくと政治の見え方も変わってきます。騙されにくくなる。
ほかにも、デジタル民主主義とか良心的兵役拒否とか、政治のパラダイム転換や1968年革命(5月革命)の話題も出ました。
データベースのエビデンスの話や戦争すると決める人と戦場で戦う人は違うという話など、他にもいろんな論点が出ました。
いずれにしろもう人類には未来がないのではないかという悲観的な話。もしそうなら一挙にすべてが消えてしまうような(たとえば惑星衝突のような)ことが起こってほしい、という話。そんな話も出ました。
ともかくにぎやかなサロンでした。
私の意見はかなり叩かれたので、とても疲れましたが、たくさんの気づきももらえました。
改めて、CWSコモンズ村としても、できることをもっとやっていこうと思いました。
「政治」に関するサロンをこれから増やしていこうと思いますし、CWSライブラリーでも「政治」の背景を知る本を紹介していきたいと思います。
しばらく休んでいた『茶色の朝』サロンも10月から再開します(22日開催の予定)。
参加された方、ぜひ足りない部分を補ってください。
なんだか肝心なことを書き忘れているような気がしてなりませんので。
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