■「経済」と「保守」の意味
昨日の高市総理の所信表明演説の報道で、朝日新聞の今朝の見出しは、「経済重視 保守色も鮮明」とあります。
先日のサロンでも話題になったのですが、最近の「経済」や「保守」の言葉遣いに大きな違和感を持っています。
経済は、そもそも「経世済民」の意味でつくられた言葉です。人々の生活が豊かになり、世の中も豊かになる。それが「経済」に込めた意味だと私は思っています。
いや私だけではないでしょう。多くの人が、「経済が良くなれば暮らしも良くなる」と思っているようです。ですからみんな「経済成長」に期待します。
でも今の経済は果たして「経世済民の経済」でしょうか。
私には真反対のように思えます。
産業や国力が豊かになるのが経済で、そのために人々の暮らしは逆に窮乏するのではないかとさえ思います。
昔、フランスの哲学者ジャン・ボードリヤールが来日してこういいました。
「日本が豊かなのは国民が貧しいからだ」
それが日本の今の「経済」ではないのか。
「保守」も変質したように思います。
高市さんの政策がどうして保守なのか私にはわかりません。
私たちはかつて、言葉で洗脳されて、エコノミック・アニマルに「進化」させられました。まだその世界から抜け出せないでいるのではないか。
そんな気がしてなりません。
今日も湯島でサロンですが、以前、サロンに参加した大企業の経営幹部から言われたことがあります。
「佐藤さん、どうしてこんな生産性のないサロンをいつもやっているのですか!」
生産などせず消費ばかりしている工業世界の人に言われたくなかったのですが、こういう批判は複数の人から受けています。
最近は面と向かって言われたことはないですが、たぶんみんなの価値観は変わっていないのでしょうね。
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