■戸矢学さんの『飛鳥幻想』(方丈社)、面白かったです
戸矢学さんの『飛鳥幻想』(方丈社)を読みました。
これまで気になっていた2つのことが解消しました。
まず中大兄皇子と大海人皇子という名前が気になっていました。兄弟であれば、大・中が反対ではないかとずっと思っていたのです。
もう一つは、中大兄皇子と大海人皇子の諡号の「天智」と「天武」はどう考えても反対ではないかということです。これも実像とは反対です。
この本を読んで、いずれもが納得できました。
中大兄の「中」は「中臣」、大海人の「大」は「凡(大)海」という養育氏族からもらっているというのです。天智と天武の逆転は、諡号を撰進した淡海三船が天智の直系の大友皇子の曾孫だったので、意図的に反転させたのです。
いずれもあっけないほどの理由です。
まあこの2つは、この本から気づかせてもらったことの一部ですが、この本はとても納得できる内容でした。
著者の戸谷さんは、梅原猛の『飛鳥とは何か』を継ぐ意図で書いたそうですが、考えは必ずしも同じではありません。しかし、梅原理論への私の疑問も解消してくれました。まあちょっと引っかかるところはないわけではありませんが。
古代史に関心のある人にはお薦めです。
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