■核の怖さをもっとしっかりと見つめたい
岩波ブックレットの『被ばく「封じ込め」の正体』を読みました。
まだまだ私たちは、核の恐ろしさをきちんと知らされていないとともに、私自身もなかなか知ろうとしてこなかったことを思い知らされました。
この本は、5人のジャーナリストが書いた本です。
本の紹介に、「核開発と並行して誕生した国際機関は不都合な真実を隠して被害を封じ込めてきた。現場の声をつなぎ、80年の歴史を辿る」とあります。
被曝者(被爆者ではありません)の声はどうもきちんと聴取されていないようです。
そのうえ、実際に被曝者の声も聞かずに、専門家たちは勝手に基準をつくり、被曝者支援よりも国家政策の支援に加担しています。
福島原発事故の時に話題になった「100ミリシーベルト」神話がその典型例です。
https://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/etc/Kagaku2011-11.pdf
私は現場に足を運ばない専門家を一切信じませんが、5人のジャーナリストのこの本を読むと改めて唖然とします。
本書に書かれている衝撃的な文章を少し長いですが、引用します。
私たちは、「核の時代」のまっただ中にいる。この時代に終止符を打つことができないまま、80年という年月の経過を許してしまったのだ。
その背景には、核開発や原発を推進するためにつくられてきた、被ばくを訴える声を「封じ込め」る国際的な体制がある。それをより強固なものにし、牽引さえしているのが、広島、長崎、ビキニ、福島と、甚大な核被害を4度も経験した日本である。日本は「核被害国」であると同時に、「核加害国」なのではないか。
私も日本の国民の一人ですが、ということは、私自身もまた、被曝者の救済に目をそむける核加害者になっていた、というわけです。
知らなかったとでは済まされない話でしょう。
改めて核の問題に目を向けたいと思います。
この本を読んでサロンを開きたいという人がいたら、サロンを開きますので、ご連絡ください。
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