■第1回湯島憲法サロン「安保政策と日本国憲法改正を考える」報告(2026年2月1日開催)
改めて憲法の勉強をしたいという富沢このみさんの提案でスタートした「湯島憲法サロン」の第1回目は、参加者が少なかったのがとても残念ですが、とてもいいサロンになりました。
これから継続開催していきたいと思います。
富沢さんは、昨今の安保政策などが気になりだして、改めて憲法を学び直そうと考え、憲法関係の本を読みだしたそうです。その一冊の佐藤欣子さんの『お疲れさま日本国憲法』(TBSブリタニカ 1991年)には、現行憲法には、国家の理念が欠けており、国民の義務が明記されていない。その結果さまざまな問題が起こっていると書かれていた。最初に私が富沢さんからメールをいただいたのは、なぜ日本国憲法にはこの2点がないのかという問いかけでした。
私にとっては、その問いは「思ってもいない問い」でしたが、富沢さんもそこからさらにいろいろと調べられたようです。
今回、ご自分の疑問を整理し、それを考える材料まで集めてくださって、問題提起してくださいました。当初の疑問のいくつかは、すでにご自身で解いていらっしゃいましたが、それも含めて、話してくださいました。
富沢さんはまず「憲法とは何か」という問いから始めました。
「国家権力を縛るもの」、そして「国柄を示す国家の理念を示すもの」というのが、現在、富沢さんが行き着いた結論のようです
日本国憲法に「国民の義務が明記されていない」というのは事実誤認ですが、憲法が「国家権力を縛るもの」であるなら、そこに「国民の義務」が書かれているのはなぜなのか、という疑問が生まれます。富沢さんは世界の憲法でも、国民の義務が明記されている国と明記されていない国があることを調べてきてくれました。ここから「国家と国民」の関係が透けて見えてきます。それはまさに「憲法とは何か」を示唆しています。
そして、「日本の憲法とは何か」「日本に主体性はあるのか」という問題にもつながっていきます。さらに、例年5月に開催してきた憲法サロンでよく話題になる「日本国憲法と日米安保条約の関係」へとつながっていく。
「国柄を示す国家の理念を示すもの」に関しては、前文も含めて現在の日本国憲法には十分表記されていないと佐藤欣子さんは書いていますが、そうでしょうか。
富沢さんは、日本国憲法の前文や自民党の憲法改正案、それに併せて大日本帝国憲法の告文や憲法発布勅語まで紹介してくれました。また、国の理念を明記している他国の憲法の例も紹介してくれました。
日本国憲法が「天皇」から始まっていることに関しても話題になりました。そうしたなかに、まさに日本の国の形が示唆されていると言う人もいるでしょう。
富沢さんはまた、日本国憲法が「護憲・改憲」論ばかり盛んで、他国の憲法のように、修正がまったく行われてこなかったことと憲法裁判所がないことに関しても問題を投げかけました。あまりに強い憲法改正アレルギーで、憲法そのものが私たち国民の手の届かないところにあることが問題なのかもしれません。
そして後半は、憲法第9条と日米安全保障条約の話題へと移りましたが、これに関しては時間の関係で、富沢さんの集めた情報や問題の紹介が中心で、話し合いを深めるには至りませんでした。これは、自民党改正案も含めて次回取り上げられる予定です。
最後に富沢さんは、「どういう国にするかを明示する必要があるのではないか」「国家権力を縛るもので合って欲しいが、「主権者である」国民の義務もやはり大切ではないか」「国民の中にある根深い不信感(再び戦争するのでは)が逆に憲法を国民から遠いものにしているのではないか」というような問題提起をして、次回への課題を与えてくれました。
私が今回、改めて感じたのは、やはりどういう書籍や専門家の話から入るかで、考え方は大きく方向づけられるということです。だからこそ、いろんな考えや立場の人と話し合うことが大切なのだと思いました。
中途半端な報告になってしまいましたが、むしろこのサロンを通して、問いかけ者の富沢さんが何を学び何に気づいたか、また話してみてどんな感想を持たれたか、などを報告してもらえれば、サロンの雰囲気や価値が伝わるように思いますので、富沢さんにお願いしようと思います。富沢さん、ぜひお願いします。
第2回憲法サロンは3月1日(日曜日)を予定していますが、次回も富沢さんにお願いしたいと思います。今回と同じく、富沢さんの問いかけをもとに、みんなで話し合えればと思います。参加者の素朴な問いかけも大歓迎です。
どんなに小さなことでもいいです。わからないこと、気になること、そんなことを話題にする憲法サロン。この憲法サロンは継続します。
月に一度くらい、憲法に関して話し合う機会があってもいいでしょう。
ぜひ多くの人の参加をお待ちしています。
問いかけたいことがあれば、ご連絡ください。
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