■『大衆の反逆』の新訳を読むことにしました
私は繰り返し読む本はあまりありません。
どうせ読むなら、新しい本を読みたいと思うからです。
しかし、繰り返し読んだ本もないわけではありません。
そのひとつが、オルテガ・イ・ガセットの『大衆の反逆』です。
最初に読んだのは、もう50年ほど前になりますが、それから数回読みました。
なぜか気になって読みたくなるのです。
3年ほど前にも、また読みました。どうもすっきりしないからです。
例えば、角川文庫版(神吉敬三訳)の解説には、こんな文章があります。
‟現代の大衆人は文明世界の中に突如おどり出た未開人であり、野蛮人なのである。これが「大衆の反逆」の本質であり、こうした大衆人が社会的権力の座を占めたところに現代の危機があるのである。”
私は「大衆」こそすばらしい存在だと思っていますので、「大衆の反逆」には肯定的な意味を感じています。しかし、オルテガは「大衆の反逆」に文明の危機を感じている。オルテガは本当にそう思っていたのだろうか。それがいつも気になるのです。
ところが先日、宇野重規さんの『政治とは何か』(講談社現代新書)を読んでいたら、『大衆の反逆』は大衆を批判する本ではなく、むしろ危機の時代にあって、現代人が自らを批判するための書なのだと書いてありました。そして、それは佐々木孝さんの新訳を読むとわかるというのです。
そこで岩波文庫版の佐々木孝『大衆の反逆』を改めて読むことにしました。
さてオルテガの印象は変わるでしょうか。
1980年代の「反乱の時代」に大きな期待をもって、人生を変えた私としてはとても気になるのです。今回が『大衆の反逆』を読む最後になるといいのですが、
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