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2026/09/21

■湯島サロン「わたしの「農」体験談」報告(2026年9月19日開催)

農に取り組む薬剤師の崎川さんのサロンにつづいて、今度は農に取り組む弁理士の可兒佐和子さんに、ご自身の「農」体験談を紹介してもらうサロンを開催しました。
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40代半ばの可兒さんはこれまでほとんど農業とは縁のない生活をしてきました。農業に関心があったわけでもありません。いまの弁理士の仕事は楽しく、仕事を変えるつもりも全くない。それが、昨年、なぜか米づくりに取り組み出したのです。

きっかけは、知人から土中環境の話を聞き、興味をもって調べているうちに、「稲の多年草化栽培」研究会の存在を知り、「稲は本来多年草である。お米はもっとかんたんにつくれる」と知ったことです。そんなに簡単なら、都市で暮らす人に移住以外の選択肢もあるのではないか、自分でも生活のなかに米づくりを取り込めるかもしれないと考えたのです。
米づくりというと、村中総出での田植えを思い出しますが、多年草化した稲であれば、個人でもできる。

というわけで、好奇心の強い可兒さんは、早速研究会に参加。よくわからないなりになぜか感銘をうけ、その勢いで相模原市で行われている多年草化した稲による米づくり研修会に参加、杉並から毎回2時間半かけて、通い出したのです。しかも伴侶も巻き込んでの夫婦参加です。ちなみに今回のサロンにも、伴侶の足立さんも参加してくれました。
https://nagominou.com/?page_id=1579

実際にはじめてみると、つらいことも多いものの、ともかく新しい気づきがあるし楽しみもある。それに研修には、日本中からいろいろな目的・動機を持った人たちが集まってきていました。そういう人たちと共同作業を通してつながりが育ち、交流も始まったそうです。
自然への理解も体験的に深まり、水の流れやその力、あるいは生物多様性の実態も実感できてきたようです。自然とのつながりもまた、深まったと言ってもいいでしょう。

研修は1年で終了しましたが、その後実験田んぼを同期の仲間たちと借りてあと4年ほど続ける予定だそうです。みんな、「農業」ではなく自分の食べる分の稲を作りたい人たちなので広い田んぼではなく、機械も使用しない。不耕起で化学肥料も使わないそうです。

こうした活動に取り組むうちに、自分が住んでいる杉並区の公園内に、ボランティアが田んぼを運営しているところがあるのを知り、そこで行っている家族向けの田植えや収穫などのイベントにも参加するようになりました。そこでも稲の多年草化栽培と同じく、「不耕起+冬季湛水」という農法でやっているそうです。

さらに今年になって新しい進展がありました。
相模原よりもっと遠い、福島県の会津の自然農法無の会の有機農作業に手伝いで通うことになったのです。
https://munokai.com/?srsltid=AU7gw4V_bamw2ENLbIfgQ2uDj4xMYrnC83PYEvkwqElGf2NAfKgVSccA

きっかけは、去年から関わり始めたYou be You株式会社の「アトリア」というコミュニティのメンバーから誘われて、そこが関わっている会津の自然農法無の会の農作業に参加、そこで食べたお米がやたらおいしかったこともあり、また初めての家族以外の人との共同生活も新鮮だったので、ここにも1年通うことにしてしまったそうです。
ここでは、各地から集まった10人ほどが一緒に、大きな古民家に寝泊まりする共同生活なので、相模原市とはまたちがった体験で、農業体験というよりも、生活の中に農があり自然があるという感じだと可兒さんはいいます。農のある生活と言ってもいいでしょう。

とまあ、この2年の可兒さんの生活は、農に関わることによって大きく変わってきているようです。まだ十分には言語化できないことも多いようですが、生き方も考え方も変わってきていることは間違いないでしょう。

可兒さんは、何か明確な目的があって、農に関わりだしたわけではありません。
「稲の多年草化」という新しい取り組みに興味を感じたことから始まったのですが、今では趣味という感じではないものの、自分にとって「農」はともかく「人とつながり・人を知る場」としての面白さを感じていて、いまや欠かせないものになっているようです。
多年草化栽培が今後の米づくりの一つの選択肢になるかどうかは未知数ですが、もうすこし関わってみたいと可兒さんは言います。

稲の多年草化で、個人でも手軽に米づくりができるようになれば、いま不安視されている日本の米作問題も解決するかもしれませんが、それよりも可兒さんが体験されているように、農に関わることで、人とのつながりや自然とのつながりが変化し、生き方や考え方が変わっていけば、社会も平安な方向に変わっていくだろうなと改めて感じさせてもらいました。

可兒さんは、稲の多年草化によって、都会のプールや家のバケツでも米づくりができるのではないかと言います。大きな水田で機械化を進め工業的に取り組んで、商品としてのコメを生産・消費するのではなく、自分(たち)の主食のコメは自分(たち)でつくるようになれば、社会のあり方は全く変わるでしょう。

霜里農場の金子友子さんも参加していたのですが、内から見る農とはまた違った、外からの農の捉え方や効用などがわかって面白かったと言っていました。
できれば1~2年後にまた、可兒さんのお話をお聞きしたいなと思いました。

なお、稲の多年草化に関しては、湯島のサロンで「地湧の思想」のサロンを主催している増田圭一郎さんが、小川誠さんの『稲の多年草化栽培』を出版しています。
https://www.amazon.co.jp/%E7%A8%B2%E3%81%AE%E5%A4%9A%E5%B9%B4%E8%8D%89%E5%8C%96%E6%A0%BD%E5%9F%B9-%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E8%AA%A0/dp/4910533028?tag=search5-22
CWSコモンズの蔵書にもありますので、関心のある方はお読みください。

食と農のサロンはこれからも続けたいです。どなたか話したい人はいないでしょうか。

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