■湯島サロン「健康に役立つのは薬か栄養か食材選びか? 薬剤師が農に関心を持ったわけ」報告(2026年9月14日開催)
今年の湯島の重点テーマの一つ「食と農」のサロンです。
今回は薬剤師から食に関心を強め栄養士に、さらに食材への関心から農に取り組み出している崎川康子さん(農に取り組む薬剤師)に、ご自身の体験からの生々しい「健康と食と自然」の話を聞きました。自分の健康や社会の健康、そして自然の健康に関心のある人にはぜひ聞いてほしい話がたくさんありました。
ともすると多くの人は仕事(専門)から世界を見るようになりがちですが、崎川さんはどうも反対のようで、世界をどんどんと拡げています。
したがって仕事もどんどん変わっている。いや、仕事ばかりではなく、気になるとまた学び直して世界を広げるという、ともかく止まることがない。長く付き合っている友人は、会うたびに新しい仕事に取り組んでいるので楽しみだと言います。
多くの人は、どこかに定住しがちですが、崎川さんはどんどんと動いている。
おそらくこれが人間の本来の生き方なのだろうなと、私はその生き方に関心を持ちました。
そこをこそ話題にしたかったのですが、今回は「農と食」のテーマのサロンです。
始まりは大学で学んだ薬学を活かして薬剤師として化学メーカー企業に入社。そこから調剤薬局、中医学系の漢方薬局、さらには学校薬剤師として活動。薬剤師の世界でも、立場によって違った世界が見えるのでしょう。そしていろいろな「疑問」も見えてくる。
多くの人は、そうした疑問にも何とか帳尻合わせをして、その世界に定住しがちですが、崎川さんは止まりません。
薬局である相談者に食の話をしたら、薬を飲んでいるからと関心を持ってもらえず、そうしたことが直接の契機になって、栄養士の専門学校に入学。今度は行政栄養士として、食に関わることになります。
しかし、そこでも食品成分や栄養摂取基準、さらには食料関係の政策に「疑問」を感じるとともに、日本の食材・食品の実状にも「問題」を感じたようです。
そして、東京農大のグリーンアカデミーに入学。いまは農作業にも取り組んでいます。
家庭菜園に取り組み、菌ちゃん農法に取り組み、農場の作業も始めましたが、そこでもまたいろいろな気づきを得てしまう。
学んでいるうちに、もう「農」に取り組むだけでは間に合わないという気がしてきたようで、最近の関心は生態学です。
ネイチャー・ポジティブという考えにも出合った。気候崩壊はもしかしたらすでにティッピングポイント(転換点)を越えてしまい、もう消極的な環境対策では間に合わず、自然破壊の流れをマイナスからプラスへ反転させる積極的な「自然再興」策が必要だと崎川さんも考えているようです。
「人の健康は地球の健康とつながっている」というのが、いま現在の崎川さんの結論です。そして、その考えに基づいて、いろいろな活動に取り組んでいる。
こうした流れに並行して、自らの身体にも関心を持ち、合気道や気候にも取り組んでいます。私たち個人一人ひとりも、地球の一部として、地球の健康の一部を構成しているという考えに、私も共感します。地球(自然)とのつながりは、私も日々感じています。
崎川さんの生き方とそこでの気づきなどをざっと紹介しましたが、サロンでは、それぞれの段階で、つまり薬剤師として、栄養士として、農作業者として、崎川さんが気づいたことや考えたことを話してくれました。
この話が私にはとても参考になりました。私自身の薬に対する姿勢や食材に対する姿勢も、いくつか考え直す気にもなりました。
本当は、この話を報告するのがいいのですが、いささか微妙な問題も含む内容なので、中途半端に書くと誤解を引き起こしかねないため報告はやめますが、ぜひとも多くの人に聞いてほしいと思いました。
知っている人は知っているのでしょうが、知っているのと実践につなげるのとでは全く違います。知りながら、気になりながら、大きな流れに流されてしまっている人も少なくないはずです。
医療界や食品産業や農業の現場においても、仕事としておかしいと思いながらも、実際には行動を起こせないでいる人も多いでしょう。でもそうやって、見逃してきているうちに、気候危機はティッピングポイントを越えてしまったかもしれません。
いろいろなことを考えさせてもらったサロンでした。
できれば、いつかまた同じサロンを崎川さんにしてほしいと思っています。
もっと多くの人たちに聞いてほしいと思うからです。
なお、明日19日は、今度は弁理士なのに農を始めた可兒さんのサロンです。
お時間が許せば、ぜひご参加ください。
食と農は、私たちが生きていくための基本ですから。
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