■ジュリオ・ボカレッティ『水の世界史』はおもしろかったです。
ジュリオ・ボカレッティ『水の世界史』は、「人類文明は水をめぐる闘争・管理・利権の歴史である」という視点から、1万年の人類史を“水”という一本の軸で読み解く歴史書です。とても読みやすく、面白いです。いささか厚いのが難点ですが。
水は、究極のレス・プブリカ(公共財)ですが、同時にそれを扱う水インフラには、政治構造が顕現すると著者は考えます。制度としての国家に関心のある人にもお薦めです。
また、水は自然を支える基本要素でもあります。そこから、ちょっと違った世界史が説かれているので、歴史好きのひとならきっと楽しめます。
たとえば、2010年インドを襲った熱波から始まった物語は、国際政治を変えてしまいました。
著者のこんなメッセージが気になります。
歴史を振り返っても現代ほど、世界中の社会が、市民や消費者個人の権利をこれほどまでに重んじながら、その一方で、こうした自己の存亡に関わる重大事を扱う権限を、他者にすっかり委ねている時代はない。
AIも恐ろしいですが、水も恐ろしい。
昨今の大雨被害は、その警告かもしれません。
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