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2026/09/30

■湯島サロン「幸せに生きることを阻む「お金に関わるしくみ」」報告(2026年9月27日開催)

「誰もが心底幸せになる世界」づくりに取り組む大野忠治さん(あまねく社会研究所代表)の構想をお聞きするサロンでした。
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大野さんの構想の鍵は「お金」です。
「お金に関わる5つのしくみ」が5000年かけて、私たちの心に不安や恐れを埋め込み、私たちが幸せになるのを阻んできた、というのが大野さんの出発点です。そして、もしそうなら、その「お金の仕組み」を変えればいい。お金を「私たちの心だけでなく、社会や環境をも守るもの」にしていけばいい、と大野さんは考えています。

構想の話に入る前に、大野さんはまず「本当の幸せとは何か」から話を始めました。
大野さんが考える「本当の幸せ」とは、「自分を大切に思い、自分はありのままで大丈夫なんだ」と思える自尊心を持つことで安心でき、自分を愛せるようになり、他人も心から愛せること」です。
もしそうであれば、幸せは自分で実現できるはずですが、社会の状況はそれを許しておらず、自尊心を奪ってきていると大野さんは考えています。
ここで、まずちょっとした議論がありました。私が疑問を呈してしまったのです。
私は、この意味ではいまも「幸せ」ですが、その気になれば、誰もがこの意味での「幸せ」は手に入るのではないかと思ったのです。「青い鳥」の話を思い出したのです。
しかし、ここにこだわりすぎると話が進まないので、これはまた改めて別のサロンに任せたいと思います。

つづいて大野さんは、そういう自尊心、つまり「幸せ」を奪ってきた「お金にまつわる5つの仕組み」を説明してくれました。「単一穀物大規模栽培(最初の税)」「お金」「資本主義」「利子」「債務貨幣制度」の5つです。
最初の「単一穀物大規模栽培(最初の税)」とは(最初の税)とあるように、「国家」の意味のように私は受け取りました。
大野さんも、国家ができる前には、食糧など自分たちが生きていくために必要なものを自然の中から自由に自分自身の力で得ることができた。つまり、「天の恵み・地の恵みを得ていた状態」だったのに、約5000年前に「国家」ができ、麦や米が、今の税金の代わりになって支配者に納められた、と言います。やはり「国家」が問題なのです。
つづいて、「お金」「資本主義」「利子」「債務貨幣制度」の説明。こうした仕組みによって、私たちはいまや「無限の経済成長」を強いられる状況に置かれてしまったというわけです。
こういう認識はいまではほぼ社会共通のものになっていますが、その度合いをどう評価するかは人によってかなり違います。そこから論が分かれていくわけですが、大野さんは、そうしたことの核になっている「お金の仕組み」を変えるところに焦点を置いています。

ちなみに、食糧とエネルギーに関しても、大野さんは言及しました。そのいずれにおいても、現状の仕組みのせいで、「不安と恐れ」が広がっているというのです。

そういう状況を解決するにはどうしたらいいか。
大野さんが解決策の鍵と考えているのが「ベーシック・インカム」と「公共貨幣制度」です。つまり、「お金の仕組み」を変えれば社会は変えられるというのです。

べ-シックインカムを大野さんは、「すべての国民に、生活に必要な額のお金を定期的に配ること」と定義し、「天の恵み・地の恵み」の代わりになるものと捉えます。それによって、すべての人が、「何も持たない存在」ではなくなり、「自尊心」を持ち、自由と自立を得て、心の底から安心して、幸せになる、というのです。
私にはかなり違和感があります。「天の恵み・地の恵み」というよりも、「国の恵み」のように感ずるからです。

解決策の2つ目は「公共貨幣制度」です。
「公共貨幣制度」に関しては、前にサロンもやりましたが、簡単にいうと、政府が借金を伴わずにお金を発行し、経済を安定させるために計画的に供給する仕組みのことで、現在の債務貨幣制度(銀行が貸し出しで作るお金)とは違って、誰の負債にもならない貨幣として発行されるお金です。
たしかに、公共貨幣は、利子や返済義務はありませんが、信用をベースにしているという点では、債務貨幣の一種です。結局は、国家の恵みということになりはしないか。

しかし、大野さんはこう言います。
べ-シックインカムがあれば、「天の恵み・地の恵み」を得ていたのと同じ状態になり、公共貨幣制度になれば、お金は「私たちのもの」になる。また、有機農業や再生可能エネルギーへ移行すれば、食糧やエネルギーは、私たち自身や地域社会のものになる。つまり、すべての人々のもとへ広く行き渡る。
そして、大野さんは、「広く行き渡っている状態」を「あまねく」と言うので、このような社会を「あまねく社会」と呼ぼうと提案します。

以上が、大野さんの構想です。
大野さんは、そうした「あまねく社会」を実現する活動を起こそうとしています。そのために、まずは「あまねく社会」について学ぶ団体を作ろうとしています。
そこで「あまねく社会」実現のための道筋を考え、活動につなげていこうというのです。

現在の社会の問題点や言葉、たとえば債務貨幣制度の説明などに時間がとられすぎてしまい、肝心の「あまねく社会」の具体的な構想やそれに向けての構想の紹介が不十分だったこともあり、話し合いはあまり対話型にはならず質疑応答型になった気がします。
また大野さん自身、限られた時間では十分の説明ができないため、詳しくは間もなく公表する論考に書いてあるという説明になってしまいました。

大野さんのホームページはすでに公開されています。
https://www.amaneku-ri.org/

そこに順次大野さんの論考が発表されていきますので、関心のある方はご覧ください。
そして一緒に活動していきたい方がいたらぜひ大野さんに連絡してください。

なお、「お金の問題」は別のおふたりからもサロンを提案されています。貨幣論は正面から取り組むと難解なので、躊躇しています。関心のある人はご連絡ください。
またベーシック・インカムに関しては、前にも一度、サロンをしましたが、改めてベーシック・サービス論と併せてのサロンを考えています。

 

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