カテゴリー「政治時評」の記事

2025/02/11

■学術会議問題に思うこと

今朝の朝日新聞に、「学術会議 これで決着?」というタイトルで、日本学術会議前会長の梶田隆章さんのインタビュー記事が出ています。

 菅首相(当時)による日本学術会議の会員6人の任命拒否事件は、私にはとんでもない犯罪行為だと思えるのですが、いまだなおきちんとした対応はされずに、むしろ菅さんの意図していた方向に動いているように思います。
この問題は、湯島でもサロンをやりたいのですが、なかなかきちんとした問題提起をしてくれる人が見つからずにまだ実現していません。

朝の梶田さんへのインタビュアは朝日新聞の編集委員の高橋純子さんです。
梶田さんも高橋さんも、その書いたものはいつも共感しています。
今回の記事も、とても共感できるものです。
でもやはり視野の狭さを感じます。

この問題が、アカデミアの問題ではなく、社会全体の先行きにどんな意味を持っているのか、なぜ事態の流れが反転しないのか、に関して真剣に捉えられていないような気がします。たぶんおふたりもある意味、あきらめているようにさえ感じられます。

この問題はアカデミアの問題ではない、だからその解決はむしろ学術とは無縁に生きている生活者の問題にしていく想像力が必要なのではないか。
高木仁三郎さんがいたらどう動くだろうか、とつい思ってしまいます。

どなたか湯島のサロンで問題提起し解説してくる人はいないでしょうか。
もし話してもいいという方がいたら私にご連絡ください。

 

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2025/02/06

■嘘を「正々堂々」と語る政治に慣れてきてしまってるのが恐ろしい

森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんをめぐり、関連文書の不開示決定を取り消した大阪高等裁判所の判決に対し、政府は上告しない方針を決めました。
財務省は、この関連文書の存在を認めたわけです。

これはどういう意味を持っているのでしょうか。
要するに、政府は嘘をついていたということです。
嘘をつくことに関して、以前から何回か書いているように、政府の姿勢が変わったのは私の印象では小泉政権からです。
嘘が堂々と政治答弁として活用されるようになると当時のホームページにも書きましたが、日本は嘘を「正々堂々」と語る政治という点では、トランプ政権よりも早かったのです。いまさらトランプのフェイク政治に驚く人たちの気持ちがわからない。
日本には小泉さんという偉大な先人がいたのです。

それにしても、どうしてこうも嘘だとわかっていても嘘にみんな従ってしまうのか。
そういう風潮と、オレオレ詐欺や闇バイトがなくならないのとはつながっています。
20年前に危惧していた社会にどんどん近づいている気がします。
嘘をつく人がみんな好きなのでしょうね。
そうとしか思えない。

もちろん私は嫌いです。
嘘だけはつきたくないということを信条にしていますから。
でも、いまのような状況では意図しない嘘を私も気づかないままについているのでしょうね。
いやな時代です。

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2025/01/28

■「楽しい日本」にワクワクします

久しぶりに政治への期待を持ち出しています。
あんまり評判のよくない石破政権への期待です。

期待の理由は、石破さんの施政方針演説に出てきた「楽しい日本」という言葉です。
やっと国家ビジョンが出てきた。
私には、池田政権の「豊かな日本」と鳩山政権の「友愛政治」に次ぐ3つ目の共感できる国家ビジョンです。

 もっとも今の「野党」にはこれは不評のようです。
立憲民主党の野田さんは「空回りしている印象」と言い、日本維新の会の前原さんは「『楽しい日本』と言われても、国民は不安を抱えその気になれない」と指摘しているそうです。それはそうでしょう。おふたりには国民の生活などどうでもいいでしょうから。
何しろ2人とも日本の与野党構造を壊した人ですから。

 「楽しい日本」を目指す政治には、私はワクワクします。
「平和」や「経済成長」と違って、楽しいは個人ごとですから、ゼロサムにはなりません。

 施政演説で石破さんは、「楽しい日本」とは、すべての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦し、「今日より明日はよくなる」と実感できる。多様な価値観を持つ一人一人が、互いに尊重し合い、自己実現を図っていける。そうした活力ある国家です、と述べています。

ワクワクしないわけにはいきません。

もっとも石破さんご自身の表情がいつもあまり「楽しそう」ではないのは気になります。
でも、「現実はそうではないから、それを目指す」のがビジョンです。
石破さんの顔が楽しそうになる方向に日本の政治を進んでいくといいのですが。

いや、まずは「楽しい日本」に向けて進んでいくと信じましょう。
信じなければ何事も始まりませんから。

でもまあ昨日のテレビの様子だと、日本国民の多くの考えている「楽しさ」が、どうも私の考えている「楽しさ」とは真反対なような気もしていささかの不安はありますが。
フジテレビもおかしいですが、他のテレビ局も同じだなあと痛感します。
いや多くの日本人はもうみんな同じような気もしないではありません。

それはともかく、「楽しい日本」に向けての政治は全面的に応援したいです。
そしてまずは自分の周りを楽しくしたいです。

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2024/12/18

■原発復活は核武装化につながっているようで不安です

経済産業省が新しい「エネルギー基本計画」の案を発表しました。

3.11の後に決められた「原発依存度を可能な限り低減する」という文言が削除され、原発がまた復活していく路線に戻ってしまいました。それは同時に、核武装国家への道だろうと思います。
3.11の体験は結局、何も変えなかったのです。
原発離れの流れを変えて、また原発復活・核武装化への流れに変えたのは、いまの立憲民主党の野田政権でした。
民主党への政権交代で、新しい芽が生まれたのを、すべて潰して、それまでの路線に戻したのは野田さんだと思いますので、私には彼は悪魔のように見えるのです。
その彼がまた、政権交代を主張している。私には悪夢です。

それは私の狭い料簡に基づく偏見でしょうが、それにしてもなぜみんな、原発がある意味での核兵器であることに気づかないのか。
不思議でなりません。

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2024/11/19

■ポストトゥルース政治が本格化しました

21世紀になっての日本の議員選挙には、かなり危ういものを感じていましたが、日本ももうすっかりアメリカ並みのポストトゥルース政治になってしまったようです。

それにしても、先日の兵庫県の知事選挙の結果には唖然としました。
おかげで以来、体調が極めて悪い。
法律の精神さえ守れない人が、法律の精神を繰り返し破り、選挙妨害さえしている人の助けを借りて、再び当選。マスコミは、それを平然と報道している。

アメリカの最近の大統領選挙の茶番よりも、もっと恐ろしいものを感じます。
日本もいまやアメリカの文化に毒されてしまったのでしょうか。2000年も守り続けてきた文化が失われてしまったのでしょうか。

私が、日本がポストトゥルース政治へと向かうこと危惧したのは2002年の小泉政権の時でした。当時、あまりの違和感にホームページにメッセージを書きました。

http://cws.c.ooco.jp/messagefile/messagekiroku.htm#m2

小泉政権で、日本の政治は変質に向けて舵を切った気がしますが、ここまで嘘が覆い尽くす政治になるとはさすがに私も思っていませんでした。

ポストトゥルース政治を加速させたのはITでしょう。
ITを使えば、どんなことも「事実」にできる。もちろん「ポストトゥルースの事実」、つまり「つくられた事実」ですが。
データもいかようにも書き換えられ、映像も記録もすべて書き換え可能になっています。無実の人を有罪にすることなど、いとも簡単なことでしょう。
もはや「事実」などというのは存在しないのかもしれません。

こういう時代に生きるということは、果たして何なのでしょうか。
もうみんな、かつての意味では生きていないのかもしれません。

にもかかわらず、最近どうも足腰が痛いのはなぜでしょうか。
やはり私はまだ生きているのでしょうか。

生きるべきか、いきていないべきか。
いまの私には、それこそが問題です。
生きるのをやめたら、きっと安楽な人生が待っているのでしょうね。
でも足腰はともかく、心や頭の痛さには、もう少し耐えて生きようと思います。

それにしても、不快なことのなんと多い毎日でしょうか。

 

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2024/11/05

■政治の変質

アメリカ大統領選の結果は明日の午前中には結果が判明するようです。
ただいつものように、結果は拮抗して、混乱が生じるでしょう。
私は今回は、ハリスで決着だと思うのですが、ハリスが勝てばアメリカは内乱になり、国家が崩壊するとも言われているようです。しかし、そもそも近代国民国家は制度的にもう壊れているように思います。というか、制度として役割を終えているように思います。
選挙制度の本質も見えてきたような気がします。

 日本ではどうか。石破さんは勘違いしたようで、石破政権は私には大失望ですが、かといって、それに代わる選択肢はないような気もします。
私の友人は、玉木政権に導いて即崩壊、というシナリオで政治革新を計るという選択肢もあると言っていましたが、野田政権にしろ玉城政権にしろ、ましてや小泉政権や高市政権などは、思っただけでぞっとします。
つまりもうこれまでのような政権体制を期待したらいけないのかもしれません。

政治のあり方は、この数年で大きく変わるのでしょう。
どうも発想を、それこそパラダイム転換しないといけないようです。
アメリカ大統領選挙も、日本の首相指名も、今やもうショーでしかなくなったようにも思います。
であればこそ、地道な政治を、自分たちの住んでいるところからもう一度再構築していかないといけないのでしょうか。

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2024/10/28

■選挙結果はやはりいささか憂鬱な結果に終わりました

選挙結果は、やはりいささか憂鬱な結果に終わりました。

予想に反して、やはり野田立憲民主党が議員を増やしました。
また「野田の悪夢」です。
前回の政権交代で、せっかく政治の変革の夢を与えてくれた鳩山民主党を否定して、原発依存・消費税依存・米国依存の政治に戻した野田さんが復権したのですから、私にと手は、まさに政権後退です。

また政治を変える芽を持っている石破さんを壊してしまうのかと思うと、実に憂鬱です。
国民民主党が伸びたいのも、恐ろしい気がします。石丸さんの成功に感じたのと同じ恐ろしさです。
投票率に関してはもっと恐ろしい。

しかし憂鬱に浸っていてはいけません。
れいわも伸びたし、参政党(私は支持しませんが)も伸びた。そこに政権交代の可能性を見なければと思います。

以上は勝手な私の感想ですが、今回の選挙結果を見て、いろいろと思うこともあるでしょう。その気持ちを忘れないうちに、みんなで話し合うサロンを11月3日に開催します
ぜひご参加ください。

〇日時:2024年11月3日(日曜日)午後2時~4時半
〇場所:CWSコモンズ村湯島オフィス
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「衆議院選挙結果に思うことを話し合うサロン」
〇会費:500円
〇参加申込先:qzy00757@nifty.com(佐藤)

 

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2024/10/26

■政権交替ならぬ政権後退を避けるために投票に行きましょう

明日は衆議院選挙の投票日です。

投票する人がいないとか、どうせ投票しても何も変わらないという人が少なくないですが、ともかく投票には行ってほしいです。
投票する人がいなければ、自分で育てなければいけません。
投票にも行かずに、政府を非難するのはフェアではありません。

私が予想する選挙結果は、私にはおそらく滅入るような結果でしょう。
自民も立憲も維新も振るわないと思いますが、喜ぶわけにもいきません。
政治のリーダーシップには「勢い」が不可欠ですが、いまのリーダーには勢いがない。
私が支援するれいわも、どうも劣化してきている。
政権交替ならぬ、政権後退は必須です。
しかし、変革の前には一歩後退も不可欠です。変革や飛躍の前には一歩後退も必要ですから。願わくば、変革や飛躍につながる後退を起こすことです。

そして、次の選挙には期待したいものです。
そのためにも、明日の投票には行かなければいけません。

 

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2024/10/18

■れいわ新選組の公式チャンネルの山本太郎さんの政見放送をぜひ見てほしいです

選挙が始まりました。

今回の選挙には複雑な思いがあります。
「政権交代」が云々されていますが、いまの野田立憲民主党が仮に勝ったとしても、政権交代とは言えない気がします。私自身は、いまの自民党には辟易ですが、野田さんはそれ以上に信頼できません。政治がまた大きく引き戻される。「政権後退」です。
野田政権よりは、石破政権が信頼できます。ですから、自民党に勝ってほしいという気さえします。でもそれでいいのか。実に悩ましい。

それでも一応、各党の政見放送はできるだけ見ています。実に面白い。
なかなか時間が合わなかったのですが、今日、初めてれいわ新選組の山本太郎さんの政見放送を見ました。

実にわかりやすい。
涙が出るほどに感動しました。
裏金問題などは私には些末な話に感じます。
今の日本で問題なのは、税制であり、財政です。
消費税は理念的に私にはありえない税制ですが、そこにこそ日本の政府の本質が感じられます。裏金問題などに目を奪われて、大きな悪を見逃してはいけません。

ぜひ多くの人に、この政権放送を見ていただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=XyyHqQ3mhkM&t=11s

私が元気なうちに、山本太郎政権が実現することをいつも夢見ています。
忙しくて選挙に行けない人たちが、この動画を見たら、日本の政治は変わるはずです。

まだご覧になっていない方、ぜひご覧ください。

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2024/10/02

■悪口ばかり言っていると性格が歪みますよ

石破内閣が発足しました。

ところが最初からつまづき続きです。
それに加えて、まだ始まってもいないのに非難や悪評流しがなんと多いことか。
野党の党首の発言も、相手を非難するばかり。最初から一緒に日本という国を良く指定校などという気がさらさらない。考えているのは自分の利益だけ、とさえ感じられてしまう。少しは相手を信頼する体験もしてほしい気がします。たとえ裏切られ続けようとも、です。信頼しない相手から信頼されるはずはありません。

まだ何も動きだしていないのに、マスコミの扇動に乗って国民の間でさえ「公約破り」の声が実にかまびすしい。
なんだか寂しい社会になってしまった。他者を貶めて何が楽しいのか。
それが自分をどれほど貶めることかみんな気がついていない。
悪口ばかり言っていると性格が歪むことにも気づいていない。

私は昨今の日本の政府には批判的ですし、高市さんや小泉進次郎さんは論外としても、石破さんにも共感できないでいます。
でもそういう人でも総理大臣になった以上は、私は基本的には敬意を持つようにしています。国民主権と言うのであれば、石破さんは間違いなく国民によって選ばれた存在だからです。その建前を否定してしまったら、私自身の尊厳を維持できなくなる。

でも私のところに届くメールやメッセージは、石破さんの悪口が実に多い。
みんな寄ってたかって権力者を罵倒し、あることないことを言って、権力者を貶めようとする。その姿勢が私は好きになれません。

それに政治においては自分の信念を即実行することにも私はあまり賛成できません。
いわゆる「公職」にある場合は、信念と実行は同じものにはなりません。
もし総理になった途端に自分の思うことができるのであれば、それは独裁者でしかない。
そういう社会から何とか抜け出してきたのが20世紀ではなかったのかと思います。
今また世界は読者による支配の世界へと戻りだしているような気もしますが、少なくとも私はそうした流れには抗いたい。

総理になった途端に夫婦別姓制度を公言しなくなったとか、公約に反して解散時期が早いとか、もちろん私はとても残念ではありますが、それが「私人」と「公人」の違いだと思うので、むしろ意に反した決断をしなければいけなかったことに同情し、できれば応援していきたいと思います。
まあその結果、岸田政権のような結果になったとしても、それはそれで仕方がない

しかし、鳩山政権のような結果にはなってほしくない。
鳩山内閣が発足した時、「友愛政治」が打ち出されたのに対して何と世間は冷たかったことか。もし多くの人が共感し応援したら、沖縄の基地問題もいい方向に向かったと思いますが、みんなで鳩山さんをあざ笑っていた。私は涙が出るほど感動し、日米関係も反転すると思っていましたが、鳩山さんを裏切ったのは、なんとアメリカではなく日本の政治家と官僚とマスコミと、何よりも国民だった。

国民のレベルにあった政府しか持てないという言葉がありますが、この数十年、まさにそれを実感しています。

せめて半年くらいは、新首相を応援しようという姿勢を持てないものなのか。
少なくとも私にはあまり石破さんの悪口を言わないでほしいと思います。そういうメールを見ていると気持ちが萎えてくる。

他者の悪口は、多くの場合、自分のことを言っているというのが私の経験知ですが、他者の悪口を言う人は私はだんだん嫌いになりますので。
私の親しい友人たちにも、伝えておきたい。

まずは信頼しましょう。それこそが政権が変化した意味ではないでしょうか。

 

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