カテゴリー「お誘い」の記事

2020/09/12

■「みんなの認知症予防ゲーム」のテキストが改訂されました

京都のNPO法人認知症予防ネットが、「みんなの認知症予防ゲーム」のテキストを全面的に改訂しました。20種類のゲームの解説のほか、予防教室の進め方も書かれています。
このゲームの普及活動の象徴的な存在だった高林さんも昨年、一線から身を引き、いまは名誉理事長になっていますが、その高林さんが、このゲームを通して目指していた社会のビジョンも、冒頭に書かれています。

20年ほど前に私は高林さんに出合い、以後、ささやかながらゲームの普及を応援してきました。一昨年には、ゲームのビデオ版の制作にも関わりましたが、私よりもご高齢の高林さんの元気にはいつも教えられることがたくさんありました。

このゲームの実践者の集まりを毎月湯島でやっていたのですが、コロナ騒ぎでいまは中断していますので、このテキストの紹介もなかなかする機会がありません。
湯島にテキストやビデオを置いていますので、関心のある方は声をかけてください。

ちなみに、今度改訂されたテキストは、NPO法人認知症予防ネットで販売しています。
1200円。連絡先は次の通りです。
n.yobo.200409@gmail.com
DVDもあります(3000円ですが)。

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2020/09/08

■湯島サロン「要注目!大きな歴史の分岐点になる米大統領選の読み方」のご案内

今春開催した中嶋一統さんの「陰謀論」を切り口にした現代を読み解くサロンに参加した方から、「その後の情勢」を話してほしいという要請がありましたので、中嶋さんにお願いしてまたサロンを開催します。

この半年で、世界の状況は大きく変わってきていますし、さらにまたこの先、大きく変わりそうです。そこで今回は、「要注目!大きな歴史の分岐点になる米大統領選の読み方」と題して、主にアメリカ大統領選を切り口に中嶋さんに話をしてもらうことにしました。

中嶋さんのサロンでは前から話題になっていたDS(ディープステート)も最近では公開の場で議論されるようになってきました。与えられた情報だけで世界を見ているとおかしなことが起こることは、最近の日本の安倍首相辞任騒ぎで思い知らされた人も多いでしょう。表層的な情報で世界を見ていては、見せられるものしか見えてきません。

今回もまた、頭を柔軟にして、世界を見ていく示唆を得るサロンにしたいと思います。

湯島で「陰謀論」を取り上げることに違和感をお持ちの方もいるようですが、中嶋さんもサロンで繰り返し話しているように、「陰謀論」という言葉を荒唐無稽なものと片づける風潮こそが、「陰謀の罠」とも言えるでしょう。

陰謀という表現には何らかの価値判断("悪い"とか“偽計”)が含まれていますが、そもそも「戦略」もまた明言されていない場合は「陰謀」と言えます。それに、どんな事件にも必ず「陰謀」、つまり隠された「意図」はあります。
ある事件や事象に隠されていることを読み解かない限り、与えられた事実をそのまま受け止め、意図されたように動かされる羽目にもなりかねません。
断片的な事実の奥にある物語を考えることは世界の理解を深めます。

というわけで、「陰謀」という言葉に惑わされずに、世界を見る目を養うという思いで参加していただければと思います。

〇日時:2020年9月27日(日曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「要注目!大きな歴史の分岐点になる米大統領選の読み方」
〇話題提供者:中嶋一統さん(「陰謀論」研究家/話し方教室主宰/ヒット商品企画)
〇会費:500円
〇参加申込先:qzy00757@nifty.com(佐藤)

 

 

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2020/08/03

■久しぶりのオープンサロンを今度の土曜日に開催します

突然のご案内ですが、土曜オープンサロンを久しぶりに開催します。
どなたでも大歓迎です。
話題も自由です。

よかったらご参加ください。

〇日時:2020年8月8日(土曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:参加者の思うがままに
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com

 

 

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2020/07/31

■地域通貨活動の映画づくりのためのクラウドファンディングへの応援のお願い

 湯島のサロンでは、時々、地域通貨が話題になりますが、19年前から長野県上田市で地域通貨活動に取り組んでいる「蚕都(さんと)くらぶ・ま~ゆ」というのがあります。
http://mayu.lolipop.jp/santo/

私は2005年に信濃大町で開催された地域通貨の集まりに参加した時に、そこで蚕都くらぶ・ま~ゆの前田光俊さんにお会いしました。
とてもしっかりした活動をされていましたが、その後、私は妻の病気などあって、交流が途絶えていました。

その前田さんから、久しぶりにメールが来ました。
蚕都くらぶ・ま~ゆでは、千葉大学大学院生と一緒に、これまでの活動を振り返りつつ未来を展望するドキュメンタリー映画の制作を始めたそうです。
タイトルは『もうひとつの明日へ』。
住民一人ひとりが持続可能な社会を創る主人公であることを発信していきたいと前田さんは考えています。
すでにホームページはできています。
https://mayudocumentary.wixsite.com/website

映画づくりのための資金はクラウドファンディングでいま集めているところだそうです。
https://motion-gallery.net/projects/ma-yu2020
ついては、ぜひ応援してほしいと言うのです。

私も以前、いくつかの地域通貨に関わりましたが、前田さんたちの「まーゆ」はとても地に足着いたいい活動でした。
ぜひ多くの人に応援していただきたくて、紹介させてもらいます。

よろしくお願いいたします。
湯島でもまた地域通貨のサロンも開催を企画しています。

 

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■湯島サロン「国際労働機関(ILO)と新型コロナウイルス」のご案内

今回はちょっと専門的なタイトルのサロンのご案内ですが、サロン参加者のみなさんにはわかってもらえると思いますが、いつものようにカジュアルなサロンです。

国際労働機関(ILO)は、世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的に掲げて加盟国の労働問題を扱う国際機関として、1919年に創設されました。労働者および兵士による蜂起に起因するロシア革命が、ソヴィエト政権という新しい国家を生みだした2年後です(1922年に多民族国家からなるソ連邦が成立します)。ILOは、現存する最古の国際機関であり、かつ政府・労働者・使用者の三者の代表からなる唯一の国際機関です。

その後の世界の歴史において、今日にいたるまでILOは大きな役割を果たしてきていますが、私たちにはなかなか見えにくい組織です。しかし、労働時間短縮などを通して、私たちの生活に大きな影響を与えてきていることは事実です。

労働時間だけではありません。最近話題の「働き方改革」に関していえば、もっとまともな「働き方改革」をILOはすでに2009年に提唱しています。残念ながら日本では逆方向に進み、おかしな「働き方改革」になってしまっているのですが。また、近年のILOはハラスメント防止に向けた取り組みに力を入れていますが、その一方で日本の閣僚や与党政治家からは突拍子もない発言が相次いでいます。

グローバリゼーションが急速に広がり、移民問題が世界を揺さぶりだしているいま、改めてILOの役割は大きくなっているように思います。そう思っていた時に、サロンに参加してくださった小野坂さんが大学院でILOの歴史研究に取り組んでいることを知りました。

そこで小野坂さんに、「新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる国際機関の役割」や「新型コロナ騒ぎが問題を可視化してくれた労働問題」といった、いま世界で起こっているホットな話題も含めて、ILOをテーマにした講座型サロンをお願いすることにしました。国際機関とは一体何なのかを考える切り口になればと考えています。

そのテーマを導くための歴史の説明はなじみのない話も多いですが、結局のところ、どういった切り口に到達したのか、という話には、現在の労働環境を考える大きな示唆が含まれています。その上で現在の問題について、いつものように自由に話し合いたいと思います。だれでも歓迎の、気楽なサロンですので気軽にご参加ください。
「働き方」「新型コロナ」「世界の動き」に関心のある方であれば、きっと面白かったと言ってもらえるサロンになると思います。

それに小野坂さん自身、ちょっと興味ある存在ですので。

〇日時:2020年8月23日(日曜日)午後3時~5時
*開始時間がいつもと違うのでご注意ください。
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「国際労働機関(ILO)と新型コロナウイルス」
〇話題提供者:小野坂元さん(東京大学大学院学生)
〇会費:500円
〇参加申込先:qzy00757@nifty.com(佐藤)

 

 

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2020/07/29

■湯島サロン「21歳の私が今考えていること」のご案内

コロナ騒ぎで延期になっていた大学生の安藤令奈さんのサロンを開催します。
「若者からのメッセージ」サロンです。

前回案内時には、教育の仕組みなどから「21歳の私が望む未来」を語ってもらう予定でしたが、延期していた半年の間に、安藤さんにもいろんなことがあって、タイトルは「共創の渦を興し、地域からよりよい社会へ 〜コミュニティについて考える〜」となりました。
コミュニティは、湯島のサロンの根底にあるテーマですが、若者視点からのコミュニティ論を話してもらい、議論できればと思っています。

安藤さんは、四国の西条市で育ち、いまは東京で暮らしている大学生です。
私から見れば、「今様」であって「今様」でない、新鮮な若者です。
そんな彼女に、自由に語ってもらい、その後、彼女の問いかけを中心に、自由に話し合いたいと思います。

サロンの前に、安藤さんからのメッセージを参加者にはデータでお届けする予定です。
したがって、参加される方はあらかじめお申し込みください。

コミュニティというテーマにこだわらず、今時の若者は何を考えているのかという野次馬的な参加も歓迎します。世代を超えた話し合いから、お互いにいろんな示唆が得られるのではないかと思っています。
お盆の真っ只中ですが、今年はコロナ騒ぎで帰郷もままならない人も多いと思いますので、もしお時間が許せば、ぜひご参加ください。

〇日時:2020年8月16日(日曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「21歳の私が今考えていること」
〇話題提供者:安藤令奈さん(21歳の大学生)
〇会費:500円
〇参加申込先:qzy00757@nifty.com(佐藤)

 

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2020/07/25

■生活者としての目覚め

最近のマスク顔だらけの風景を見ていると、ヴァーツラフ・ハヴェルの「力なき者たちの力」に登場する青果店の店主のことを思い出してしまいます。

共産党支配下のチェコで、「全世界の労働者よ、一つになれ!」という党のスローガンを店先に貼っていた店主のことです。彼は、別に主張があったわけではなく、そうしないと目立つからという理由で、スローガンを貼ったのですが、その行為こそが、社会の「ゲーム」を生みだし、ゲームのプレイヤーとなり、ゲームの継続を可能にし、つまりゲームを本物にした、とハヴェルは言います。
社会を成り立たせているのは、安倍首相のような権力者ではなく、そうした青果店の店主たちだとハヴェルは言います。

ハヴェルは、体制を変えるのは、野党や「反体制知識人」ではなく、そうした店主たちが、真実の生に目覚めて、スローガンを貼るのをやめれば、それで社会は変わっていく、いやそれ以外では変わらないと書いています。
実際に東欧は、そうして、「自発的の全体主義」から抜け出したのです。

与えられた「嘘の生」から抜けて、自らの尊厳を思い出して、「自らの生」を自由に生きる「生活者」になる。何も考えずに従うのではなく、おかしいと思ったら、自分で考えて行動する。裸の王様を見たら、「王様は裸だ!」と言えばいい。そうした人たちが、社会を変えたのです。
日本人は同調圧力に弱いなどと物知り顔に解説するのではなく、あるいは政府をこきおろすのではなく、自分はどうしたいのかを考えて、自分を生きればいい。

Go-Toトラベルがいいとか悪いとか東京都と国の政策が違うとか、そんなことはどうでもいい話で、大切なのには自分がしっかり考えて行動することです。そうすれば、新型コロナも、たくさんあるリスクのひとつでしかないことに気づくでしょう。マスクも、必要だと思う時にするようになるでしょう。

私には、いまの日本人は、北朝鮮の国民と同じように思えてなりません。
いやハヴェルが「力なき者たちの力」を書いた時代のソ連統治下のチェコと同じ。
だから、ハヴェルの書いた「力なき者たちの力」(人文書院 2200円)を多くの人たちに読んでほしいと思います。

チェコを民主化し、大統領になったハヴェルは、こう書いています。

政治的な力は、体制の変化を行なう点にあるのではなく、「ここと今」という、より良い生を賭けた日々の現実の戦いの中にある。

そして、ハヴェルはその戦いを実現したのです。
政治は国会議事堂や政党の中にあるのではありません。
いまだに「野党統一戦線」とか言っているようでは、何も変わりません。

立派なイデオロギーやビジョンよりも、いまここで直面している問題に誠実に直面して、自分で考え自分で納得した行動をとればいい。それこそが、「下からのイニシアティブ」が生まれてくる起点です。政治は「生活」から始まり、生活で終わるのです。
山本太郎さんは、そういう政治を目指しているように、私には思えます。
だから、日本の政治状況を変える唯一の希望に思えるのです。

私は「生活者」という言葉は、誰にでも通ずる言葉だと思って、説明も付けずに使っていましたが、複数の人たちから「生活者」ってなんだと質問されました。
どうも「生活者」という言葉は、まだなじみにくい言葉のようです。
消費者や労働者、生産者という言葉は、説明なしで通ずるのに不思議です。

それで81日に「生活の視点で政治や経済を考えるサロン」を開くことにしました。
私が考える生活者とは、自分の生活を大事に生きている人という程度のことなのですが、ハヴェルが言う、「真実の生」を求める「ディシデント」につながるところがあります。
もっとわかりやすく言うと、財務省の赤木さんの奥さんのような人です。

よかったらサロンにご参加ください。

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2020/07/21

■「隠蔽されてきた行政行為の不適切性および違法性」の可視化を目指す本の紹介

濱中都己さんの「世にも恐ろしい損保犯罪の話」(平成出版 1300円)をご紹介します。

本書の出発点になった事件に関しては、私も濱中さんからお話をお聞きしながら、お役にたてていない反省があるのですが、湯島のサロンで改めて取り上げたいと思っています。

まずは出版社による本書の紹介文をお読みください。

本書は、日本のエリン・ブロコビッチとも言える、著者の執念の賜物です。 日本では、すでに既得権のある大企業、とりわけ損保業界に、はむかう人はいません。 母親の交通事故をきっかけに、国民健康保険を利用する形で交通事故の補償をするのはおかしいのではないかと著者が主張すると、不当逮捕・冤罪被害となってしまいました。しかも恫喝も続きます。 本書を読んで、不当な立場におかれている「弱者」について、ぜひ考えていただきたいです。

エリン・ブロコビッチ。
ジュリア・ロバーツ主演の映画「エリン・ブロコビッチ」を観た人も少なくないでしょう。
私も数回見ましたが、そう言われてみると、たしかに著者の濱中さんにはそういう雰囲気があります。偶然に出合ってしまった問題を掘り下げていくうちに、利権構造で固められ、不労所得に覆われている日本の社会にぶつかってしまい、どんどんと深のめりしている濱中さんには、むしろエリン・ブロコビッチ以上のパワーを感じます。

本書には、その濱中さんが、突然の母親の交通事故から、国民健康保険をむしばむ巨大損保会社の犯罪に巻き込まれ、怒りを強めていく過程が克明に描かれています。そうした「生活者」の怒りの対象はどんどん広がり、そして金融省までも含む既得権益による「社会的犯罪」に挑むことになっていくという、生活と深くかかわった告発の書です。

そこで示唆されているのは、単に損保業界の話にとどまりません。
たとえば、本書では特別民間法人の話が出てきますが、そこに現在の日本社会の本質が垣間見えています。すべて利権に絡め取られ、労働と収入は全く無縁になっているとさえ思いたくなる日本の経済社会の実相が、です。

しかし、ほとんどの人がそうした仕組みに組み込まれているために、おかしなことを「おかしい」とさえいえなくなっている。その仕組みを変えないといけないと、濱中さんは立ち上がっているわけです。まさに、物知り顔で事実を見過ごす人たちとは違う、「生活者」ならではの行動です。
そうした行動の結果、濱中さん自身が、「恫喝訴訟」とも言われる、威嚇目的のスラップ訴訟の対象にされるのですが、そこから日本の司法界の問題も見えてきます。
国民が安心して暮らせて行いけるための、せっかくの「保険」や「司法」という社会の仕組みが、それらの目的とは全く真反対の運用がされている現実も垣間見えてきます。

濱中さんは、単に問題提起しているだけではありません。身体をはって行動しています。たとえば、交通事故損保犯罪対策委員会を立ち上げたり、「反スラップ法制定」の請願活動を呼びかけたりしています。

本書の「あとがき」の一文を紹介します。

いままで国民の目から巧妙に隠蔽されてきた行政行為の不適切性および違法性を可視化し、行政立法の内容等を行政訴訟の対象とすることによって不適切性や違法性を早期に是正することは国民の権利義務の正当性実現と救済にとっても極めて大きな意義を有します。

「隠蔽されてきた行政行為の不適切性および違法性」の可視化。
濱中さんの活動がそのきっかけの一つになればと思い、私に何ができるかを考えていますが、まずは本書の紹介から始めることにしました。
濱中さんに頼んで湯島のサロンも開催したいと思っています。
またご案内させてもらいます。

 

 

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2020/07/17

■企業経営関係の本を2冊、紹介させてもらいます

久しぶりに企業経営関係の本を2冊、紹介させてもらいます。
「カイゼン4.0-企業にイノベーションを起こす」と「トヨタチーフエンジニアの仕事」です。書名からのイメージとは違い、企業関係者だけではなく、さまざまな立場の人にも示唆に富む内容なので、紹介させてもらうことにしました。

いずれも個人を起点に置いて企業経営に取り組んできた体験をまとめたものです。
それぞれの著者とは親しくお付き合いさせてもらっていますが、そのお人柄と誠実な仕事ぶりから生まれた、信頼できる実践的な経営書です。

ポストコロナ時代の経営を考えるための示唆が得られるだけではなく、仕事とは何か、経営とは何か、そして働くとは何かを問い直す視座も得られると思います。

まずは、企業を現場から変えていこうという活動に長年取り組まれている柿内幸夫さんの新著です。
『カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす』(柿内幸夫 サニー・プラス 1500円)

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柿内さんの著作は以前にも紹介させてもらいましたが、今回は柿内さんが実際に取り組んだ事例をふんだんに紹介しながら、これまでの実践知を改めて、体系的にまとめています。
「カイゼン」活動と言えば、モノづくり現場でのコスト削減や生産性の向上というイメージが強いと思いますが、柿内さんの目指す「カイゼン」は、企業にイノベーションを起こす活動です。ですから本書の書名も、『カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす』とされています。

柿内さんは、こう書いています。

カイゼンという日本発の技術は、お金がかからないシンプルな技術であり、正しく運用すると生産性や品質はもちろんのこと、新商品や新マーケットをも生み出してしまうすごい不思議な技術なのです。そしてこれは日本にしかできない特別な技術です。ですから正しいカイゼンができていない会社が多い今の日本の中小製造業の状況は、とてももったいないと思っています。
私はカイゼン指導が専門のコンサルタントです。そして私の指導先ではそのすごいことが普通に起きています。

本書でも紹介されていますが、まさに「すごいこと」を、柿内さんはいろんな会社で引き起こしています。
しかも、現場のカイゼンにはとどまりません。会社そのものが大きく変わるばかりでなく、異分野のヒット商品が生まれたり、新しいマーケットが発掘されたりすることもあるそうです。

柿内さんは全組織協働型の経営改革活動と言っていますが、その原動力は会社を支えている全員の力ですので、大きな資金投入など不要です。
魔法のような話ですが、その取り組み方法はきわめて簡単なのです。
ポイントは、社長など経営トップと現場で働く人々が同じ目線に立って、一体となって取り組むことですが、それをどうやって進めるか、そして経営とは何か(経営者の役割とは何か)が、本書には具体的に書かれています。

とても読みやすい本ですので、会社の経営に関わっている方にはお勧めです。
会社だけではなく、NPOや行政の方にもおすすめです。

つづいて、トヨタ出身の北川尚人さんの新著です。
『トヨタチーフエンジニアの仕事』(北川尚人 講談社α新書 880円)
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トヨタの経営と言えば、原価低減や品質管理に優れたトヨタ生産方式がすぐに頭に浮かびますが、もう一つの「トヨタの強さ」は次々とヒット商品を生み出すトヨタ製品開発方式であり、その中心的役割を果たすチーフエンジニア(CE)制度です。

長年トヨタで、チーフエンジニアとして、新車を開発してきた北川尚人さんは、これからの成熟した経済社会にあっては、この製品開発システムこそが企業の活力の根源だろうと考えています。
「現在、世界を席巻する巨大IT企業GAFAはトヨタのCE制度を徹底的にベンチマークし、プロダクトマネジャー制度として導入し、大きな成果に繋げていることは意外と知られていない。プロダクトマネジャー制度の源流、本家はじつはトヨタのCE制度だ」と北川さんは言います。
つまり、モノづくり企業にとどまらず、トヨタのCE制度にはこれからの企業経営の活力の源泉のヒントがあるというわけです。

北川さんは、トヨタで10年間、チーフエンジニアとして数多くの新車の開発に取り組んできました。そうした自らの実践を通して蓄積してきた体験知を、わかりやすくまとめたのが本書です。
本書の中心は、北川さんの体験から生まれたCE17条(言い換えれば、ヒット商品開発のポイント)の紹介です。その第1条は、「車の企画開発は情熱だ、CEは寝ても覚めても独創商品の実現を思い続けよ」です。これだけ読むと、北川さんはただの猛烈社員のように思うかもしれませんが、そうではありません。それに続く17条を読んでもらうと、北川さんの「働くことの哲学」あるいは「生きる哲学」がわかってもらえるでしょう。

「一人でも多くの人を幸せにする乗り物を開発したい」というのが北川さんの夢だったそうですが、それは言いかえれば、「自動車メーカーの人間として何とかできないのか」と考えつづけることでした。そのために北川さんは、仕事のかたわら、まちづくりに関わったり、老年学を学んだり、障害者施設を訪問したりしていました。会社の中にいるだけでは、新しい製品は見つかりません。
本書には、そうした北川さんの夢への取り組みが具体的に紹介されています。

時代は大きく変わり、「HOW」から「WHAT」へと社会が求めるものも変わってきている。WHATを生み出し続けられる価値創造の仕組みこそが、これからの企業の活力につながっていく、と北川さんは言います。
トヨタが創り上げてきたCEのシステムは、これからの時代、メーカーだけではなくサービス分野を含むさまざまな企業にとって役に立つだろうと考えた北川さんが、自らの実践知を惜しげなく公開した本書には、力を失ってきている日本の企業を活性化するヒントがたくさんあるように思います。

製品開発のためのテキストとしても参考になるでしょうが、むしろこれからの働き方を考えるような読み方も面白いのではないかと思います。

機会があれば、おふたりにも湯島でサロンをやってもらいたいと思っています。

 

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2020/07/07

■第1回益田サロン「病原体から考える生物と環境の関係」のご案内

湯島のサロンで、病原体やウイルスの話をしていただいている細菌学者の益田昭吾さんの定期的なサロンをスタートします。
3月に企画し、案内も出していましたが、コロナウイルス騒ぎで延期になっていました。

益田さんのサロンに参加されたことのある人はご存知でしょうが、益田さんは「病原体も我々と同じ生物である」という姿勢で、長年、病原体の研究に取り組まれています。
ちくま新書で、「病原体から見た人間」も出版されていますが、病原体のことを知ることで、私たちの生き方や社会のあり方に関する大きなヒントが得られるというのが益田さんのお考えです。
3月には、連続講座型のサロンを考えていましたが、もっとやわらかい感じで、毎回、その時々の社会問題なども考慮しながら、益田さんに話題提供してもらおうと思います。
一方的な講座ではなく、参加者との対話スタイルを基本にしたサロンですので、参加者の関心にも柔軟に対応してもらえると思います。

第1回は、「生物と環境」というテーマで、いわば病原体という生物に関する全体像を話してもらいます。病気を起こす微生物を病原体と呼ぶそうですが、そうした病原体も本来の環境とは平和裡に共存していること、病気は環境が本来の環境ではない場合に限って起こる現象であること、などがわかると、病原体への親近感も生まれ、コロナウイルスへの見方も変わるかもしれません。新型コロナウイルスが人間を本来の宿主にできるかどうかなども話題になるかもしれません。

細菌学とは直接関係はありませんが、益田さんはものづくりとか記号論などにも関心が深いので、そんな分野にも展開していくかもしれません。時には細菌学から全く離れたようなサロンもあるかもしれませんが、あくまでも「益田さんの世界観」を軸にしたサロン展開を考えています。
新しいサロンのスタイルのモデルになればと思っています。

できるだけ継続参加をお願いしたいですが、湯島のサロンは無理をしないのが基本ですので、参加できる時の参加で大丈夫です。
いつものように、気楽にご参加ください。

〇日時:2020年7月26日(日曜日)午後2~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇講師:益田昭吾さん(細菌学者/慈恵医大名誉教授)
〇テーマ:「病原体から考える生物と環境の関係」
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)

 

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