カテゴリー「お誘い」の記事

2019/04/09

■湯島サロン「憲法ってなんなのだろうか」のご案内

年に1度くらいは、憲法を読みたいと思って、今年もまた「憲法サロン」を開催します。
今回は10連休のど真ん中の憲法記念日53日に開催することにしました。
この日は憲法に関するたくさんのイベントもあり、講演会やフォーラムも多いので、いつもは避けていましたが、今年は逆にこの日に設定しました。

 昨年は、「日本国憲法で大切にしたい条文」をそれぞれ出し合いながら、憲法について自由に話し合いました。
その報告は下記にあります。
http://cws.c.ooco.jp/action18.htm#0526

 今年は、もっと自由に、そもそも憲法ってなんだろうか、そして今の日本国憲法は自分の生活にどうつながっているのだろうか、もし自民党が考えているような方向で憲法が変わったらどうなるのだろうか、などを考えてみたいと思います。
もっともそういうと、なんだか難しそうなので、まあ、これを機会に、日本国憲法をざっと読んでいただき、思ったことや気づいたことを話ってもらうのでもいいと思います。

いずれにしろ年に1回くらいは、憲法に思いをはせたいというのが開催の目的です。
もし憲法について語りたいという人がいたら、ぜひ語ってください。
なにしろサロンですので、自由な憲法談義ができればと思います。

〇日時:2019年5月3日(金曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「憲法ってなんなのだろうか」
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com

 

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2019/04/05

■湯島サロン「葬儀や供養に関する自由な話し合い」のご案内

湯島では「死」の視点から「生き方」を考えるサロンを継続的に開催していますが、今年も「葬送」や「看取り」「供養」を中心に置いたサロンを随時開催していきます。
そこで目指しているのは、「死を活かす社会」を目指したお葬式のあり方や供養のあり方、さらには「幸せな死」を目指す生き方を、みんなで考えていこうということです。
ただ、そのためにも、現在の葬送や供養にまつわることを知っておく必要もあります。

そこで、長年そうした活動に取り組まれてきた中下大樹さんを中心に、「葬送」に関する質疑応答も兼ねたQ&A型サロンも随時開催します。
今回は、その2回目のご案内です。

 葬儀や供養に関してご関心や「訊きたいこと」をお持ちの方はご参加ください。
開催時間がいつもと違っていますが、昼食時にかかりますので、軽食を用意しておきます。

〇日時:2019年4月28日(日曜日)午前11時~午後1時半
〇場所:湯島コムケアセンター
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf

〇テーマ:葬儀や供養に関する自由な話し合い
参加者のご関心や質問を中心に話し合いをしていく予定です。

〇参加費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com

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2019/04/04

■湯島サロン「過労死問題が問いかけるもの」のお誘い

4月から働き方改革関連法が施行されました。
日本人の「働き方」が、生命や生活を大事にする方向に変わっていくことを願いたいです。

過労死の問題は、昨年も一度、取り上げました。
前回は具体的な事件を中心に話し合いましたが、今回はそうした「過労死」の背景にある、いまの社会や私たちの生き方に焦点を合わせ、「過労死問題」そのものではなく「過労死問題が問いかけるもの」を話し合いたいと思います。

「働き方」はいうまでもなく「生き方」の問題ですから、過労死問題に無縁な人はいないといってもいいでしょう。
他人事ではなく、自分の問題として話し合えればうれしいです。
そして、できれば一歩進んで、そうした問題が起きないようにするために、何かできることはないかも考えていければと思います。

前回と同じく、東京と神奈川の過労死を考える家族の会世話人の小林さんに問題提起をお願いしました。
大型連休の最後の日ですが、ぜひ多くのみなさんに参加してほしいと思っています。

〇日時:2019年5月6日(月曜日)午後1時半~4時
〇場所:湯島コムケアセンター
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「過労死問題が問いかけるもの」
〇話題提起者:小林康子さん(東京と神奈川の過労死を考える家族の会世話人)
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com

 

 

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2019/03/21

■湯島サロン「贈与と共生の経済倫理学」のお誘い

以前、私のホームページやフェイスブックで、折戸えとなさんの著書「贈与と共生の経済倫理学」を紹介させてもらいました。

昨今の生きづらい社会から抜け出るヒントが得られますので、多くの人にぜひ読んでほしい本です。

http://cws-osamu.cocolog-nifty.com/cws_private/2019/02/post-6da3.html

しかし、難しそうな書名で、しかも厚くて高価な本ですので、そう簡単には読んでもらえないかもしれません。

最初は、本書を読んだ人たちでの読書会を想定していましたが、まずはその前に、本を読んでいない人も対象にして、本書からのメッセージを読み解くサロンを開くことにしました。


本書で題材に取り上げられているのは、有機農業運動に取り組んでいる埼玉県小川町の霜里農場の金子さんを中心にした、さまざまな人たちのライフストーリーです。

そこで語られている「生き方」の基軸は、金銭契約を超えた「お礼制」と功利的な関係を超えた「もろともの関係」に集約されます。

いまの時代では、冗談だとか時代遅れと思う人もいるかもしれませんが(私もそう言われてきています)、少し前までの日本人の多くの生き方だったのではないかと思います。

そして、そこに、これからの私たちの生き方のヒントがあるかもしれません。


最初に本書の紹介とそこに込められたメッセージを解説してもらい、つづいて本書を読んだ人たちから感想を話していただき、そこからみんなで、できれば自らの生き方につなげながら話し合えればと思っています。

解説は著者にお願いするのがいいのですが、著者のえとなさんは本書を仕上げた後、亡くなられました。

そこで、えとなさんと伴走してきた伴侶の折戸広志さんにガイド役をお願いし、併せて本書の舞台になった霜里農場の金子友子さんや編集者の大野さんにも参加してもらうことにしました。


できれば、サロンの前に本書を読んできてほしいですが、読んでいない方も歓迎します。

読んでいない方も議論に参加できるような、気楽な話し合いの場にしますので、気楽に参加してください。


若くして旅立った著者の折戸えとなさんに喜んでもらえるようなサロンになればと祈っています。

どうぞよろしくお願いいたします。


〇日時:2019年4月20日(土曜日)午後2時~4時半

〇場所:湯島コンセプトワークショップ

http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf

○話題提供:折戸広志さん(「贈与と共生の経済倫理学」著者のパートナー)

〇テーマ:「贈与と共生の経済倫理学」を自らの生活につなげて考える

〇会費:500円

〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com

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2019/03/14

■腎臓透析中止に思うことを話し合いたいと思います

腎臓透析を中止したために死亡したというニュースに接した方の投書が、数日前の朝日新聞に載っていました。

Tousho


この報道に接した時には、なぜか最初に恐怖感と嫌悪感を持ったのですが、次第に、とても大切な問題提起をされているのではないかと思うようになりました。
そんな時に、この投書を読みました。
気づかされることが多く、改めて、生命とは何だろうと考えずにはいられません。

私の周りにも若くして腎臓透析を受けている人がいます。
本人はもちろんですが、家族の大変さも実感しています。
今回の件で、何もできずにいる負い目を感じながらも、いつのまにか傍観者になってしまっている自分に、改めて気づかされた感じです。
恐怖感と嫌悪感を持ったのは、こうした自分への非難と感じたからかもしれません。
他者の生命に対して、できることの少なさに、今回もまた襲われています。

投書した透析専門医の方は、数多くの事例を体験されているでしょう。
その方が、最後に、「ただ、善悪で結論を出して終わり、ではなく、死生観と医療のあり方について議論のきっかけになればと願う」と書かれているのに共感しました。

言葉で「死生観」というのは簡単ですが、実際には死生観を語ることは難しい。
昨日も、湯島で「お墓」をテーマにしたサロンをやったのですが、なかなか「死生観」を語り合うのは難しい。

そこで今朝、思いついたのですが、この事例をただ傍観しているのではなく、この事例を踏まえて、それぞれの死生観を語り合う場を持つことなら、私にもできそうです。
そんなわけで、急なのですが、記憶がまだ冷めないうちに、「腎臓透析中止の報道に接して考えたこと」を話し合うサロンを開くことにしました。
できれば、投書された方のメッセージを受けて、死生観と医療に絞って、批判的な議論ではなく、自らの生き方につなげる形での、肯定的で建設的な話し合いにしたいと思います。

急ではありますが、ぜひご参加ください。

〇日時:2019年3月24日(日曜日)午後1時~3時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:腎臓透析中止の報道に接して考えたこと
〇スタイル:肯定的で建設的な話し合い(できればそれぞれの死生観を話し合いたい)
〇会費:500円
〇申込先: 佐藤修(qzy00757@nifty.com)
今回は必ず事前に参加のご連絡を下記にください。参加者がいない場合は中止しますので。

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■湯島サロン「スマート・テロワールを考える:非市場経済は可能か」のお誘い

湯島では、今の経済のあり方への疑問が時々話題になりますが、久しぶりにその問題を正面から話し合うサロンを開催します。
山口県で、循環する地域づくり研究所を主宰している東孝次さんに問題提起していただきます。

タイトルの「スマート・テロワール」という言葉はご存じない方も少なくないかと思いますが、一言で言えば、「美しく強靭な農村自給圏」のことです。
そのベースにあるのは、重商主義から重農主義へと社会のあり方や私たちの生き方を変えようという思想です。
提唱者の松尾雅彦さんは、農業や農村をとらえ直すことで、日本が今抱えている2つの課題、「少子高齢化」と「財政・貿易収支赤字」を解決することができるといいます。
農村にこそ日本最後の成長余力があるというのです。

東さんからのメッセージを下記しますが、そこにスマート・テロワールの説明もありますので、お読みください。

タイトルは難しいですが、私たちの生き方にもつながるテーマです。
ぜひさまざまな立場の人に参加していただきたいサロンです。

〇日時:2019年4月11日(木曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
○話題提供:東孝次さん(循環する地域づくり研究所・主宰)
〇テーマ:「スマート・テロワールを考える:非市場経済は可能か」
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)

〔東孝次さんからのメッセージ〕

お金至上主義が蔓延っている日本において、心豊かに生活することが難しくなっているように思えます。また経済優先の日本は、地方の疲弊をももたらしています。
このような日本の現状を変えるためには、根本的な変革が必要だと叫ばれて久しくなります。
そのような中、全国各地では、様々な試みが地道に取り組まれています。
その1つとして、「スマート・テロワール」の取組があるのではないかと、私は考えています。

今回のテーマを話し合うための情報として、“スマート・テロワール構想”について、少しご紹介させていただきたいと思います。
この“スマート・テロワール構想”とは、企業家である故松尾雅彦さん(元カルビー㈱代表取締役社長)が、日本、米国、欧州の農村を40年にわたり観察してきた結果に基づき、自らの仮説と実践、実績を通じて、日本の農村地域に明るい未来があることを提示し、農村再生を実現するための方策を示した構想です(2014年)。

このスマート・テロワールの骨格は、農産業に「耕畜連携」、「農工一体」、「地消地産」という3つの連携体制(「利他の循環システム」ともいえるもので、「共利共盛」となる「非市場経済」システムです)を導入し、圏内で消費者と生産者(農家と加工業者)が循環システムを構築するというものです。これにより、自給圏が構築でき、森林の活用・エネルギーの自給にまで積み上げることができると、農村はアルカディア(理想郷)になると考えられています。
「耕畜連携」とは、地域内の耕種農家と畜産農家との手間の交換(物々交換:互酬)で、このことにより安全な飼料の提供と土壌の改善を進めることができます。「農工一体(農工連携)」とは、地域内の耕種農家と加工業者とが契約栽培(自給自足:家政)を行うことで、耕種農家は安心して輪作の継続的改善を促進することができ、加工業者も安全な材料の提供を受けることができます。「地消地産」とは、地域で消費するものはできる限り地域で生産しようということで、それは同時に地元消費者の絶大な購買支援に生産者が応えることでもあります。

11日は、スマート・テロワール(地方都市を含む広域の農村自給圏)を考える中で、市場経済一辺倒の日本において、非市場経済の実現は可能かについて、皆様と一緒に考えさせていただきたいと思っています。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

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2019/03/13

■湯島サロン:人生も仕事も「もっと面白く♪」のお誘い

民間企業(東レ)を定年前に“脱藩”して、大学で「組織心理学」を研究している渕野康一さん(東洋学園大学現代経営学部客員教授)は、自らも「面白まじめ」を軸に〝自遊人”として生きています。

趣味は「①富士山②ジャズピアノ③温泉・銭湯④花鳥風月⑤寺社参拝・・・」と多彩に10個ぐらいあります。ただ多趣味なだけではなく、「面白さ」や「まじめさ」を掘り下げて、人生や社会をもっと面白くするための「面白まじめ道」を究めることが、渕野さんが一番大切にしていることです。
大学でも、「富士男♪先生」の愛称で、リーダーシップ論や人間関係論の「面白まじめな講義」をやっています。
当初、「個人と組織の関係」シリーズの一環としてのサロンを考えていたのですが、それだけでは渕野さんの持論を十分に聞けないような気がして、経営問題に限らずに、生き方サロンとして、渕野さんに自由に語ってもらうことにしました。
実際に渕野さんは、地元(浦安市)では社会教育活動にも関わっていますし、災害救助犬や里海うらやすネット、とらえもん(虎会門)など、ご自分でも様々なボランティア活動にも取り組んでいます。もっと言えば、「面白まじめ」な〝自遊人”としての生き方の効用を、身を持って体験されています。

テーマは「もっと面白く♪」。
どんな話になるか、楽しみなサロンです。
参加者それぞれの人生が「もっと面白く♪」なるための、まじめなサロンです。
すでに人生の面白さを満喫している人はさらに面白く、人生は面白くないと思っている人もそれなりに人生が面白くなるサロンです。

人生や仕事を面白くし、世の中や社会を明るく平和にするためにも、ぜひご参加ください。
経営学の先生ですが、誰でも歓迎の気楽な「面白まじめサロン」ですので、お気軽にどうぞ。

〇日時:2019年3月30日(土曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「会社も人生ももっと面白く♪」
〇問題提起:渕野康一さん(面白まじめ求道者)
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)

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2019/02/27

■湯島サロン「一緒に暮らす生き方」のお誘い

死も視野に置きながら、新しい生き方を考えようというサロンの一環として、今回は「一緒に暮らす生き方」をテーマにして、コーポラティブハウスやコレクティブハウス、あるいはシェアハウスやコハウジングなどを話題にするサロンを企画しました。
話題提供者は、NPO 都市住宅とまちづくり研究会の関さんにお願いしました。

家族のありようも最近は大きく変わってしまいました。
独りでお住まいの方も、増えてきました。
仕事をやっていたり、元気な時は、独り住まいもいいかもしれませんが、仕事を辞めた後のことを考えると、不安になる人も少なくないようです。
仕事を通した「人のつながり」が、仕事を辞めた後も、同じように続くとは限りません。
昔と違い、家庭(家族)も老後の暮らし場として、誰にでもあるわけではありません。
かといって、いわゆる「福祉施設」に入居するのも、不安がある。
自分が納得できる老後の暮らしを実現するためには、そうした心積りで準備をしていくことも大事です。
いや、その前に、どんな選択肢があるのかくらいは知っておきたい。
そういう人も少なくないようです。

そこで今回は、「一緒に暮らす生き方」というテーマで、事例も学びながら、できるだけ自分の生き方につなげながらの話し合いをしたいと思います。
できるだけ具体的な話にしていきたいと思っていますので、なにか訊きたいことがあれば、お気軽に問いかけてもらえればと思います。

ぜひ多くの人に参加していただきたいと思っています。

〇日時:2019年4月7日(日曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
○話題提供:関真弓さん(NPO都市住宅とまちづくり研究会)
〇テーマ:「一緒に暮らす生き方」
〇会費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)

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2019/02/22

■縁カフェの一時休店とオープンカフェの再開

昨年試験的に開店営業した「縁カフェ」は、1年間やってみましたが、思うような展開ができず、一時、休店することにしました。
売り上げは年間で2万4000円でしたが、売り上げが休店の理由ではありません。
なかなかお客様を広げられずに、どうも私の応援のために無理に来客している気配も感じられたからです。
行き場やホッとできる場のあまりない人の場にしたかったのですが、こういう場があることをどう伝えたらいいか方策が見つからなかったのも反省です。
そこでいい方策が見つかるまで休店します。
縁カフェの基金24000円は当面コムケア基金として保持します。

それに代わり、かつてのようなオープンカフェを再開します。
以前のように金曜日の夜が集まりやすいのでしょうが、居場所のあまりない人の集まる場を目指しますので、日曜日の午後にしました。
毎月、第1日曜日に開催します。

湯島のサロンは、テーマサロンが中心になってきましたが、このサロンは以前のようにまったくテーマなしです。
正午からスタンバイし、サロンそのものは1~4時を想定。出入り自由です。
ほとんど無意味のサロンですが、無意味と思われるものほど意味があるというのが、いささかひねくれた私の考えなので、
ただ、私が突然急用ができたりすることもあるので、絶対開催ではなく、原則開催です。
参加費は今まで通り、500円を目安に、部屋のどこかにあるお布施缶に入れてください。
会場の維持のために充当させてもらいます。

最初のオープンサロンは、3月3日です。
私がまだ会ったこともない人の来店をお待ちしていますが、飽きるほどあっている人も歓迎します。

よろしくお願いいたします。

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2019/02/19

■「贈与と共生の経済倫理学」(折戸えとな著)をぜひ多くの人に読んでほしいです。

とても共感できる本に出会いました。
折戸えとなさんの書いた「贈与と共生の経済倫理学」(図書出版ヘウレーカ出版)です。
有機農業の里として知られる埼玉県小川町にある霜里農場の金子美登さんの実践活動と、そこに関わりながら、誠実に生きている人たちのライフストーリーをベースに、新しい生き方(新しい社会のあり方)を示唆する、意欲的な本です。
「贈与と共生の経済倫理学」という書名にいささかひるんでしまう人もいると思いますが、さまざまな人の具体的な生き方や発言が中心になっているので、自らの生き方とつなげて読んでいけます。
要約的に言えば、人間の生の全体性を回復するための実践の書です。

ただ読みだしたときには、ちょっと驚きました。
レヴィナスの「他者の顔とは、私たちに何かを呼びかける存在としてそこに現前している」という言葉や、イリイチのコンヴィヴィアリティ(自立共生)といった言葉が出てきたからです。
しかし、さぞや難解な文章が続くと覚悟したとたんに、今度は金子さんや彼とつながりのあるさまざまな立場の人たちに対するインタビューによって描き出される生々しいライフストーリーが始まります。
そのあたりから、引き込まれるように一気に読んでしまいました。
ちなみに、レヴィナスとイリイチの言葉は、本書の描き出す世界の主軸になっています。
もう一つの基軸は、ポランニーの「経済を社会関係に埋め戻す」という命題です。
こう書くと何やら難しそうに感ずるかもしれませんが、そうしたことを解説するのではなく、むしろそうした概念に実体を与え、日ごろの私たちの生き方につなげていくというのが、著者の意図です。

金子美登さんがなぜ有機農業に取り組んだのかは、きわめて明確です。
象徴する金子さんの言葉が最初に出てきます。

「より安全でよりうまい牛乳を、喜んで消費者に飲んでもらうことが、私のささやかな望みであり、これが可能でないような農業はあまりにもみじめなのではないか。このようなことが実現されてはじめて、自分の喜びが真の喜びになると思っていたのである」。

つまり出発点は、金子さんの生きる喜びへの思いなのです。
私は、そこに、理屈からは出てこない「ほんもの」を感じます。

しかし「この本質をつく農業を行っていたのでは、目的の生活がなりたたない社会の仕組みとなってしまっている」という社会の現実の前で、金子さんのさまざまな活動が始まっていきます。
その取り組みは、失敗したり成功したりするのですが、いろんな試行錯誤の結果、現在、行きついているのが、金銭契約ではなく、「お礼制」という仕組みです。
「お礼制」とは、出来たものを消費者に贈与し、それへの謝礼は「消費者の側で自由に決めてください」という形で、生産者と消費者がつながっていく、という仕組みです。
そのつながりは、お互いをよりよく知りあい、「もろともの関係」に育っていくことで、双方に大きな生活の安心感が育ってくる。
そして、ものやお金のやりとりを超えた人のつながりが広がっていく。
新しい生き方、新しい社会のあり方のヒントがそこにある。

契約を超えた「お礼制」と「もろともの関係」に集約される本書の内容は、簡単には紹介できませんが、出版社であるヘウレーカのサイトにある解説で、概要はつかめるかもしれません。
https://www.heureka-books.com/books/396
また本書の帯に書かれている内山節さんの推薦文も、本書の的確な要約になっています。
「有機農業によって自然と和解し、価格をつけない流通を成立させることによって貨幣の呪縛から自由になる。それを実現させた、独りの農民の営みを見ながら、本書は人間が自由に生きるための根源的な課題を提示している」。

つまり、本書は自由に生きるための生き方を示唆しくれているのです。
それもさまざまな生き方を具体的に例示しながらです。
そして、自由な生き方にとって大切なのは〈責任・自由・信頼〉を核にした生き方だというメッセージにつながっていきます。
言葉を単に並べただけではありません。
折戸さんは、「責任」「自由」「信頼」の言葉の意味をしっかりと吟味し、それをつなげて考えています。

金子さんは「ことばの世界に生きていない」と自らを位置づけているそうですが、折戸さんもまた、別の意味で「ことばの世界に生きていない」人だと感じました。

本書のキーワドは、書名にあるように、「贈与」「共生」「倫理」です。
いずれも聞き飽きた退屈な言葉ですが、この「流行語」がしっかりと地に足付けて語られています。
しかもそれが大きな物語を創っているばかりか、人が生きることの意味さえも伝えているのです。
同じような言葉を並べた、書名が似た本とは全く違います。

たとえば「倫理」。
倫理に関する本を読んで私はいつも違和感を持ってしまいます。
私の実際の生き方につながってこないからです。
倫理(ethics)という言葉の語源であるギリシア語のエトスは、「ねぐら」「住み処」という意味です。
つまり、その人の生活圏での暮らしを通じて形づくられる「生き方」や「振る舞い方」、言い換えれば、どうしたら快適に暮らせるかのルールとすべき価値の基準が「倫理」だと、私は考えています。
折戸さんは、たぶんそういう意味で「経済倫理学」という言葉を選んだのでしょう。
崇高な理想などとは無縁の話で、「いかに善く生きるか」が著者の関心です。
そして、それぞれが善く生きていれば社会は豊かになると、たぶん確信しているのでしょう。
私も、そう確信している一人です。

生きやすさを求めることを「倫理」と考えれば、そのカギとなるのは「贈与」と「共生」だと折戸さんは言います。
ここでも折戸さんは退屈な定義には満足していません。
贈与とは「他者との関係性を豊かにすること」であり、「共生」とは「もろともの関係」で生きることだというのです。
いずれにも「覚悟」が必要です。
これだけで、本書は退屈な「贈与」や「共生」を解説する本ではないことがわかってもらえると思います。

ついでに言えば、書名にあるもう2つの言葉、「経済」と「学」についても、折戸さんは、前者は「オイコノミクス(家政)」「経世済民」と捉え、後者に関しても、あいまいな「言葉」だけでは不十分だと指摘しているような気がします。

以上のことは、私の勝手な解釈ですので、折戸さんからは叱られるかもしれません。
しかし、本書を読んでいると、彼女の深くて実践的な問題意識と新しい学への意欲をいたるところで感じます。

ところで、レヴィナスの「顔」はどうかかわっているのか。
そこに込められたメッセージは「個人の尊厳の尊重」であり、ほんとのコミュニケーションは、顔を持った個人間で行われるということです。
個人が存在しなければ、ほんとうのコミュニケーションも成立しない。
そして、イリイチのコンヴィヴィアリティやサブシステンス概念は、まさに「もろともの関係」に具現化されています。

折戸さんが「終わりに」に書き残した文章を、少し長いですが、引用させてもらいます。

巨大システムの中で個が一括管理されていくような世界で、自然と不可分につながっている人間たちの尊厳をかけた運動は、私たちの生存と生きがい、生産と再生産、自由、責任、信頼にとってなくてはならない不可欠な要素なのである。その意味において、たとえすべての人が、生活全体を「もろとも」の関係性で構築することは不可能であったとしても、このような関係性のない世界では、私たちは生きることができないといっても過言ではないだろう。

関係性のない世界で生きることに多くの人が馴らされてきている現在の社会に少しでも違和感を持っている人には、ぜひとも読んでいただきたい本です。
きっと新しい気づきや生きるヒントを得られると思います。
そして、できるならば、折戸さんが残したメッセージ(本書の「おわりに」に示されています)を引き継ぐ人が現れることを心から願っています。

いつも以上に主観的な、しかも長い紹介になってしましたが、もう少し蛇足を。
著者の折戸えとなさんには、私は残念ながらお会いする機会を失しました。
お名前はお聞きしていましたが、まさかこういう本を書かれていたとは知りませんでした。
折戸えとなさんは、本書を仕上げた後、亡くなりました。
お会いできなかったのが、心底、残念です。
本書を読んだ後、どんな人だったのだろうと思っていたら、その後、会う機会を得た折戸さんの伴侶から、なぜか写真が送られてきました。
人は会うべき人には必ず会うものだという私の確信は、今回も実現しました。

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