カテゴリー「サロン報告」の記事

2023/12/04

■「平将門の居館は我孫子市にあった!」

昨年、4月に湯島のサロンで、「平将門の居館は我孫子市にあった!」という報告をしてくださった、我孫子の文化を守る会の戸田七支さんが、「将門記」に出てくる場所を手賀沼周辺の実際の場所に比定した論考を書かれました。

私も、それぞれの場所を戸田さんに案内していただいたことがありますが、戸田さんの考えにすっかり取り込まれてしまっています。
この論考を公開していいかどうか戸田さんに確認し了解を得ましたが、その際、戸田さんは、「成田山を嫌い参詣しない人は手賀沼地方には大勢いる。茨城県南西部(通説)には一人もいない。この一事を持っても本拠地がどこであるか明らかであると思います」とメールをくれました。同感です。

今年も湯島サロンお出かけ編として手賀沼周辺将門ツアーを実現できませんでしたが、来年こそは実現したいと思います。
写真は、神田明神にあるものですが、戸田さんはこれこそ手賀沼(当時は香取の海)だと言っています。私もそう思います。

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2023/11/29

■第27回益田サロン「心と言葉と時間パート4」報告と次回の案内

円錐の上に逆円錐を重ねた新しい「環境-生物モデル」から、改めて「生物と環境」の関係を考えていこうという益田サロンの4回目は、これまでの議論を少し振り返るというかたちになりました。

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それに関連して、「環世界」的な見方やアフォーダンスという視点も参加者から出ましたが、話し合いにまでは至りませんでした。
また逆円錐よりも正円錐の方がいいのではないかという声もありました。
それぞれに発想を広げたいと思っている参加者もいますが、今回は議論を進めずに、言葉や考え方の確認が中心になりました。

益田モデルでは、「欲」がキーワードになっていますが、欲の意味も、たとえば円錐形の上下では変わっているように思いますし、そもそも「環境」や「関係」の意味も変わってきているために、それらを整理しないと話し合いが難しくなってきています。

今回は、必ずしも合意ができたわけではないですが、参加者の受け止め方の違いが見えてきたように思います。違いがわかれば話し合いは可能になります。

そこで改めて前回案内させてもらった内容で、「心と言葉と時間 パート5」を開催します。
人間は言葉を生み出すことにより、自らの環境を自らで創り出すことができるようになったという話から、そうした環境は自らが生きやすくなるためのものであり、そのために「公」という、新たな概念を生み出した、というところから出発したいと思います。

言葉が環境をつくりだすとはよく言われることですが、そこで生み出された「環境」は、生物にとって「本来の関係」にあるのか。また、「公」という視点から生物同士のつながりの問題や、そもそも「環境とは何なのか」にまで議論がいくかもしれません

次回は、益田さんと柿嶋さんを軸に、進めてもらおうと思います。おふたりによれば、「言葉と環境」「関心対象と環境」が切り口になりそうです。

〇日時:2023年12月21日(木曜日)午後2時~4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
〇テーマ:「心と言葉と時間 パート5 言葉と環境」
〇話題提供者:益田昭吾さん(細菌学者/慈恵医大名誉教授)
〇会費:500円
〇参加申込先:qzy00757@nifty.com(佐藤)

 

 

 

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2023/11/28

■11月2回目のオープンさアロン報告

11月2回目のオープンサロンはにぎやかなサロンになりました。

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オープンサロンはテーマもなく、参加した人が自由に話すことで話題は次々に移っていきますので、参加者次第で雰囲気も変わってきますが、最近はオープンサロンの常連も増えてきました。

今回は、竹形さんが取り組んだ認知症の人と伴に走る・RUN伴の話から始まり、劣化してきている日本の社会を変えるにはどうしたらいいのかという話まで、盛りだくさんでした。たとえば、自殺問題、種子法廃止問題、選挙に行くべきかどうか、陰謀と陰謀論の違い、日米合同委員会、資本主義のゆくえ、樺太に新しい国をつくろう

ちなみにいま、湯島には水素発生器を置いてあり、希望者は水素を吸入しながらサロンに参加するというスタイルをとっていますが、今回は2人の人が体験されていました。

 

 

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2023/11/21

■湯島サロン「ふるさと薬膳のすすめ 郷土食は日本の薬膳」報告

長年、郷土食を『ふるさと薬膳』と位置づけ、日本各地の農業や食文化、さらには女性起業支援やまちづくり支援などに取り組んできている新倉久美子さん(東方健美研究所代表)のサロンは、食の大切さを改めて気づかせてくれる示唆に富むサロンでした。

参加者が少なかったのがとても残念ですが、来年から始まる予定の「養生サロン(仮称)」で、季節ごとに「食養生」のサロンを新倉さんがやってくださるとのことですので、食や健康に関心のある方はぜひご参加ください。

新倉さんは今回、大きくふたつの話をしてくれました。

ひとつは「土地と食」という切り口から、地域食文化の継承と創造の意味や「身土不二」の大切さを、もう一つは「季節と食」という切り口から陰陽五行説を踏まえた「食養」の取り組み方。まとめて一言で言えば、「その土地でとれた食材を食べ、その季節にとれる旬のものを食べること」(「風土はフード」)こそ、健康につながる「食養生」だというお話でした。
最近の私たちの食生活は、こうした食文化から大きく離れてしまってきていますが、果たしてそれでいいのか。そうしたことを改めて考えさせられました。

最初に新倉さんは、中国の「薬膳」には、病気を治すことを目的とする「食療」と、病気にならないよう予防するための「食養」の二面性があると話してくれました。そして、地域独自の食文化である郷土食を、薬膳的観点から見直し、現代風にアレンジして、「日々の食事によって健康を取り戻し、身も心も健やかに過ごしていくための「食養」を目的とした健康料理」として広げていこうというのが、新倉さんの「ふるさと薬膳」構想です。新倉さんは、全国各地に実際に出かけて行って、そうした「ふるさと薬膳」の芽を各地に育ててきたのです。

そうした活動の背景には、昨今の日本の食生活への新倉さんの心配があります。
日本は古来、穀物をそのまま煮炊きして食べる「粒食の食文化」でしたが、最近は欧米の「粉食の食文化」が中心になってきているため、日本人の体質との齟齬を生じ、心身両面でのさまざまな問題が起きているのかもしれません。
新倉さんは、改めて命の源である「食」について真剣に考えてみる時期が来ているようだと言います。そのためにも、古くから伝わる季節の郷土食を掘り起こし、再評価して次の世代へ伝えていくことが必要だと考えているのです。

つづいて新倉さんは、季節と食の話をしてくれました。
最近では技術の発展によって季節を問わず食材を選べますが、これは薬膳の考え方からいえば“とんでもないこと”だと新倉さんは言います。たとえば、夏の野菜は身体を冷やす作用があり、秋から冬にかけて出廻る根菜類は身体を温め、蕗のとうやわらびなどの苦味ある山菜は春の香りとともに夏に向かって注意しなければならない心機能を高める作用をもっている。そのように自然のサイクルと人間の身体は本来切り離せない。旬のものを食べることはその季節の体調を整え、次の季節への身体の準備なのです.

最後に新倉さんは中国の陰陽五行学説に基づく「五行配当表」を紹介し、季節季節の食養生のポイントを説明してくれました。
これはとてもわかりやすく、またすんなりと理解でき、誰でもすぐに取り込めそうです。
新倉さんの了解を得て、その「五行配当表」を添付しますが、簡単に言えば、食物の持つ五味五性の性質と人間の臓器との関係を五行で閑連づけ、バランスよく配合することが「薬膳」の基本であり、特に五味五性の調和が大切なのです。

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そして、これに基づいて、これから向かう冬の「食養生」についても話してくれました。一言で言えば、「冬は腎臓、体を温めよ」というのが冬の食養生のポイントだそうです。
私のように、「柚子胡椒」や「黒豆」についてさえ、まともな知識のないものにもとてもわかりやすいお話で、サロン翌日から早速、私も心がけています。

盛りだくさんのお話でしたので、その一部しか報告できませんが、また季節ごとに食養サロンをやってくださるとのことなので、関心をお持ちの方はぜひ次回に。

話し合いもいろいろ示唆に富むものでした。
どうしてこんな食事情になってしまったのか、給食による陰謀のせいではないか、伝統食をきちんと伝えていくためには孫に対するおばあちゃんの役割が大きい、でも三世代交流も少なくなってきた、コンビニや電子レンジは便利だ、など、いろんな話題が出ました。

それにしても、お話を聞いていて、日本古来の食文化が大きく変わりつつあることの恐ろしさを改めて思い知らされました。
社会のあり様は、もしかしたら、まさに食によって規定されているのかもしれません。身体的なアレルギーの増加やメンタルヘルスの問題も、そうしたことと決して無縁ではないでしょう。

新倉さんが指摘されたように、改めて「食のあり方」を根本から考え直したくなってきました。
食とは一体何なのか。どなたか「食を哲学する」サロンをやってみませんか。

次回の「春の食養生」サロンは立春の頃を予定しています。

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2023/11/20

■湯島サロン「水素は健康に役立つか」報告

水素健康法に関するサロンは予想に反して参加者は少なく、健康に関するサロンの難しさを感じました。

近藤和央さんから、まず水素健康法に関して、活性酸素の説明とそれがもたらす身体的な障害、そしてそうした活性酸素障害に対する水素が持つ効能に関しての説明があり、つづいて、水素水や水素ガスの吸入、水素サプリメントなどの水素摂取方法が具体的に紹介されました。
水素健康法のなによりもいいところは、副作用が全く見つかっていないことだそうです。だから安心して誰にも勧められる。

しかし、残念ながら日本ではまだ摂取のための機器が高価なこともあって、なかなか普及していません。普及しないために高価にならざるを得ず、そのために普及しないという、にわとりと卵の関係を打ち破り、水素健康法をもっと広げていきたいというのが近藤さんの思いです。
水素には、身体の老化を抑える抗酸化作用もあり、高齢社会における医療費削減の視点からも、もっと関心が持たれてもいいテーマかもしれません。
最後に、そのために近藤さんが取り組みたいという構想も紹介してくれました。

近藤さんの話につづいて、水素健康法の実践者である鈴木久美子さんが、ご自身の体験を生々しく話してくれました。
鈴木さんは水素風呂を中心に水素健康法に取り組んでいますが、さまざまな効果があると話しだしました。それがとても楽しそうで、水素の効用をできるだけ多くの人に知ってもらいたいという思いが伝わってきました。
水素風呂は、浴槽で水素を発生させ、そこに入浴することが基本なので、日常的にも取り組みやすい健康法ですが、それ以外にもいろいろな使い方があることも紹介してくれました。

ちなみに私は、今回、がんの治療の意味も込めて、水素風呂と水素ガス吸入を1か月ほど体験しました。残念ながら癌の症状を改善させるには至りませんでしたが(1か月で効果を期待するのが非常識ですが)、体調面では大きな効用を感じました。
しかし、自分が問題を抱えてしまうと冷静な判断力を失いがちで、わらをもすがる思いで信じようとする自分と逆に冷ややかな目で「バラ色の効用」に反発する自分がいるのです。第三者の話を聞くと、そうした揺れ動く自分の考えを整理することもできて、こういう話し合いの場の大切さを改めて実感しました。

水素とメンタル療法の話題も出ましたが、今回はあまり体験知がないため、話は深められませんでした。これに関してもいつか取り上げたい気がします。

近藤さんも鈴木さんも、自分や身近な人の体験から、水素健康法をぜひとも広げていきたいと考えています。
近藤さんは、水素自販機(コインを入れたら一定時間水素ガスが出る)をシニア集合住宅や高齢者の施設などに導入し、みんなでシェアしていくことによって、個人負担を限りなく小さくしていこうというシステム開発に取り組もうとしています。
そのための実証実験に取り組んでくれるような施設を探しています。
もしお心当たりのある方がいたら、ぜひご連絡ください。
また水素風呂に関する効用や利用法に関しては鈴木さんが詳しいですので、関心のある方はご連絡ください。

なおいま湯島では近藤さんたちのご好意で、水素ガス発生吸入を希望者には無料で体験できるようにしています。
体験されたい方は、下記のサイトを通して、近藤さんにご連絡ください。
 https://chouseisan.com/s?h=4f4e06443fc947e7891eac9d13e9ffb5
また近藤さんの思いに共感してくださる方がいたら、ぜひご連絡ください。

今回は水素健康法でしたが、こういう健康のための体験を話し合う場の大切さへの思いをさらに強めました。
健康に関する体験知は、みんなにとっての大きな財産です。
実践者を通して、さまざまな健康法に触れる場を来年からは定期開催したいと思っています。

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2023/11/15

■湯島サロン「がん民間療法体験に取り組んで」報告

前立腺がんが見つかったのを契機に取り組んでいた「40日奇跡プロジェクト」の報告をさせてもらいました。当日配布したレジメを添付します。

最初に、前立腺がんが発見された経緯と「40日プロジェクト」に取り組むことにした意図を説明させてもらいました。一言で言えば、「奇跡」を起こして、「常識の罠」を打破したかったのです。そのための「実験台」になることです。

主治医との合意に基づいた取り組みであるととともに、私の友人から勧められたメニューだけに取り組みました。すべて友人の勧めだけで、世上喧伝されている「民間療法」や「サプリメント」への取り組みは皆無です。またいわゆる標準医療を否定するのではなく、統合医療的な発想に基づく取り組みであることを改めて説明させてもらいました。40
取り組むメニューは日を追うたびに増えてきましたが、最後の1週間に定型化されたスタイルをレジメにまとめています。実に盛りだくさんで、まじめに取り組んだら、毎日が「治療のための生活」になりかねませんが、それでは本末転倒ですので、まあ適当に手を抜きながらの取り組みでした。

目指す目標は、基本的には身体の生命力の向上ですが、併せて事態を楽しみながら、多くの友人たちからの好意を素直に受け取ることでした。それこそが、私が願う「すべての人の幸せが私の幸せにつながる」(宮沢賢治)からです。
ちなみに、毎朝行っている「祈り」の時の思いが、このことです。

今回の取り組みの障害になったこともいくつか話させてもらいました。
思ってもいなかった人からのエールは一番の支えになりましたが、ストレスをもたらすコメントもありました。
あまりにメニューが増えたため、後半は時々、義務感や制約感を持ちました。これも時に小さなストレスになりました。

また「私自身の中に生まれる疑心暗鬼」も大きな障害でした。私も、民間療法でがんがなくなるなどとは盲信していませんし、だからこそ取り組んだのですが、もしかしたら手遅れになって転移してしまったのではないかと時に思うこともありました。とりわけ、骨への転移の痛みを指摘され、手遅れになるぞ、と言われると、不安は高まります。
私は「否定と盲信」から自由でありたいと思っていますが、それはいつも「不安」と裏腹です。その裏腹の不安を、いつもならそれなりに楽しめるのですが、骨の痛みへの不安はあまり楽しくありません。
転移を疑うと、実際に骨の痛みを感じだすのです。そういうことでめげたことも何回かありました。そういう時には、意識が病気を創り出すのだなと痛感しましたが、逆に言えば、意識が病気をなくすこともありうることだと発想を変えました。
ちなみに、他者を病気にすることもそう難しいことではないと実感しました。

まあ、そうしたことを踏まえて、11月8日に改めての検査をした結果、症状は進展なしということになり、当初反対していた主治医から、もう1か月進めてみますかと提案されたのです。
私自身は、大きな改善がなかったら主治医の指示に従って標準医療に着手する予定だったため、驚いてうまく対応できず、結局、主治医の提案を受けてしまいました。

FBでは進行が止まったのはすごいことだという評価が多かったのですが、意外な結果はでませんでした。ですから、私にとっては「40日プロジェクト」は失敗でした。
観察者や研究者にとっては、進行が止まったことはすごいかもしれませんが、当事者にとっては直らなければうれしくありません。進行が止まったということは、相変わらず危険があるということだからです。私の場合、症状は進行が止まったからといって安堵できる状況ではないのです。それは私が一番よく知っています。
そういう当事者の気持ちは、第三者にはなかなかわかってはもらえないでしょう。

最後に、これからの取り組み姿勢と提案を話させてもらいました。

まずこれからですが、とりあえず、これまでの取り組みをいったん、白紙に戻します。ただし、食生活だけはもちろん続けます。これは療法ではなく、日常ですから。
療法は「ヒートマットの上で座禅を組んで水素吸入」を朝晩2回行うことにしました。
そしてその際、がん細胞との対話を試みようと思っています。
私の体内で活躍しだしたがん細胞に「ワルサくん」という名前を付けました。
「わるさ」には肯定的な意味を私は感じていますのでこれはあくまでもがん細胞を信頼しての命名です。人類の歴史を振り返れば、ちょっとした「わるさ」が社会を豊かにしてきていますから。権威や秩序や常識に従うだけでは、社会は豊かになっていきません。

また来年から毎月定期的に「養生サロン(仮称)」を開催することにしました。
これは、心身の健康に関する、気楽な話し合い、学びや相談、そして自らの気持ちを解き放す場にしたいと思っています。楽しく明るいサロンにしたいです。
また案内させてもらいます。

話し合いの紹介は省略させてもらいました。
心配してくださったみなさん、いまのところ今まで通り適当に元気です。
たくさんのエール、ありがとうございました。

40日の報告を総集編にまとめました。もしご関心あればお送りしますので、ご連絡ください。

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2023/11/08

■湯島サロン「自死遺族としてみんなが生きやすい社会を考える」報告

自死遺族として、長年、自殺防止活動に取り組まれている南部節子さんにお願いしたサロンは、10人を超す参加者がありました。参加した動機は、それぞれ違いますが、いずれも観察者的な関心ではなく、自らの生き方につなげての関心を持っている人ばかりだったような気がします。

私が南部さんにお会いしたのは、今からもう20年ほど前です。
日本では、自殺の問題はまだあまり表立っては語られることのない時代でした。

そうした状況を変えていったのがNPO法人ライフリンクですが、南部さんはライフリンクのコアメンバーのひとりとして活動されてきました。同時に、全国自死遺族総合支援センターの事務局長としても活動されていました。
南部さんご自身が、伴侶を自殺でなくされた遺族なのです。

南部さんは、参加者に伴侶の南部攻一さんのプロフィールと攻一さんが「死」に追い詰められた状況と経緯、そして3年後に雑誌「いきいき」の取材に答えた南部節子さん自身の記事を配布してくださいました。
そして、ご自分の体験を話し出されました。20年前の話ですが、つい昨日のような話しぶりでした。そこには、さまざまなメッセージが込められていました。

20042月 まさか!の自死遺族になってしまいました」と南部さんは話しはじめました。そう、「まさかのこと」がいつ誰に起こってもおかしくない、それが「自殺問題」かもしれません。だれにとっても無縁の話ではないのです。
私もライフリンクや南部さんたちとは別の面から自殺問題にささやかに取り組みましたが、自殺問題は「いつだれに」起こっても不思議ではない「身近な社会問題」だと気づかされました。私の場合、それがいまの活動につながっているのですが。

南部さんは、最近は前夜まで元気だった子供が突然自死してしまうようなことも増えていると話してくれました。にもかかわらず、相変わらず「自殺」「自死」は隠されがちで、特別の問題として、話し合う機会も少ない状況が続いています。

自死家族においても、自殺の事実は話せないタブーになっていることが多いようです。そのため、家族が一緒に直面し解決するのではなく家族の自死で家族が瓦解することもある。南部さんご自身は、子供たちと夫の死を分かち合えたので救われたと言います。しかし、多くの遺族が家族でさえもが十分に分かち合えないでいる。

実は、南部さんも夫の自死の直後、近所の人に本当のことが言えず、「心筋梗塞でした」と言っていたそうです。でも娘さんから「なんでウソつくの? そんなウソをついたら、ウソの上塗りで身動きつかなるよ」と言われたそうです。
まだまだ世の中には自殺に対する偏見がある。私にもあった。南部さんはそう言います。
でも正直に事実を話していくと、いろんな人が支えてくれるようになったとも話してくれました。でも当事者が話し出すのはどうも簡単ではないようです。

たしかに自殺に関する認識は高まり、自殺予防策や自死遺族への支援策も法的・制度的に進んできています。しかし、自死遺族のことをどれだけ多くの人が知っているでしょうか。あるいは自死に追い込まれた状況はきちんと社会に伝わっているでしょうか。
「自殺」「自死」という言葉を禁句にせずにもっと話し合える状況をつくっていきたい。
長年、自殺の問題に取り組んでいる南部さんにとっては、まだそういう基本的な状況が変わっていないのがとても残念なのです。

ほとんどの人が死の直前にうつ状態というか、脳が正常に機能していない状態だと言われています。癌や交通事故、事件に巻き込まれての死と同じく本人が選んでのことではない。だから、自死を特別視するのではなく、同じように、その悲しみを語れる世の中になってほしい、と南部さんは言います。
身近な人の自死を語れる社会、苦しい事や困っている事を話せる社会、そんな社会になっていければ、自殺は自然と減るのではないかとも南部さんは考えています。

話し合いも広がりましたが、私の印象に残ったことを3点だけ。

まず自殺念慮を体験したことのある若者が、そういう時に、何も考えずに「わあー!」と叫んですがりつける人がいれば、救われる、と話してくれました。いまはみんなバラバラで生きているためか、そういう人が周りからいなくなっているのかもしれません。私もそういう人を見つけるとともに、周りの人にとって、そういう人になれるように意識したいと思いました。そういうことなら、その気になればだれにもできるかもしれません。私にもできます。

また、家族や近隣社会における支え合う人間のつながりを回復したいという声もありました。コミュニティづくりに関心を持って活動している参加者もいましたが、どうしたらそういうコミュニティを育てていけるか、実際にはなかなか難しいですが、まずは意識しないと始まりません。観察者的に嘆くだけではなく、まずは周りの人と心を開いての付き合いに努めたいと思います。コンビニでのレジで「ありがとう」というだけでも何かが変わるかもしれません。そしてそれなら私にもできる。

どうしたらもっと生きやすくなるだろうという問いかけもありました。
それに関しては、私はもっとみんな素直に生きるのがいいと思っています。
お互いのことを思いやるあまり、だんだん窮屈になってきているのではないか。相手に迷惑をかけてはいかないとか、社会のルールには従わないといけないとか、そういう思い込みを捨てて、わがままに生きようとすればいい。
私はそう思っていますが、それができる人はいいけれど、できない人はどうすればいいかという人もいました。もちろん一挙に、自分のわがままを貫くことなど誰にもできません。でも誰にもできることは必ず何かある。

できない理由を探すのではなく、できることを少しずつ増やしていけばいい。私はそう思い、そう生きてきています。誰にもできることはたくさんあるのですから。

南部さんの話を聞いて、何気ない日常にも自死はつながっている。しかし逆に、そういう何気ない日常の暮らしのなかにこそ、自死をふせぐものがあるのではないか、と改めて確信させてもらったサロンでした。

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2023/11/05

■11月最初のオープンサロンの報告

10月はオープンサロンができなかったので、11月は2回、オープンサロンを開催することにしました。
急な案内にもかかわらず、10人の参加者がありました。
初めての方も2人いました。しかもなかには地元(湯島)の方も。

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今回はめずらしいお名前の方が3人いました。いずれも日本全国で1000人から3000人ほどしかいないのだそうです。
その中のおひとりが、いまルーツ調べをしているのですが、その最近の成果を話してくれました。どうも45代先まで行きついたようです。先祖をしのぶ資料や古地図なども見せてくれました。

つづいて議論がちょっと燃えたのは、トランスジェンダーの話題です。真っ向から対立しかねない意見が出て、ちょっと論争になりましたが、ちょうどその時に、ママ友グループがやってきたおかげで、切り口が少し変わり、男性と女性の違いのような話になっていきました。論争は避けられましたが、トランスジェンダー論はいつかテーマサロンで過激にやってもいいかもしれません。

オープンサロンはどんな話題が出るか全くわかりません。
参加した人がテーマを設定できるからです。もっとも思ったような方向に行くとは限りません。なにしろオープンテーマですから。
だからオープンサロンが参加しやすいという人もいます。
にぎやかなサロンでした。

今月は後半にもう一度、オープンサロンをやる予定です。
仲谷さんが主催するオープンサロン(119日)もありますが、そちらもよかったらどうぞ。

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2023/10/31

■第26回益田サロン「心と言葉と時間 パート3」報告

今回は、円錐の上に逆円錐を重ねた新しい「環境-生物モデル」の話から始まりました。
下の円錐世界を仮に「空間に生きている世界」、上の円錐世界を「時間に生きている世界」とすれば、「生物と環境」の関係は全く違う関係にあるというのが、益田さんの最初の指摘です。

「空間に生きている世界」では、同心円モデルで繰り返し説明されてきたように、環境(のようなもの)が生物(のようなもの)を生み出していくと同時に、本来の関係にある環境と生物はお互いに支え合っている関係にあります。
つまり生物のようなものは、本来の関係にある環境を決して壊さないのです。そうしたことは、病原菌と宿主の関係を例にして、これまで詳しく解説されてきています。

ところが2つの円錐の接点(益田さんはそれをとりあえず「ゼロ点」と表現しました)を境にして「生物と環境」の関係は大きく変わっていくのです。
端的に言えば、環境が生物を生むのではなく、生物が環境を創り出していく。
そして、その世界では、環境と生物をつなぐものとして、あるいは生物同士をつなぐものとして「言葉」が生まれ、それが抽象的な環境を生み出していく。

下の同心円モデルでは、体から心が生まれ、そこから欲が生まれ、さらに名誉欲や金銭欲のような、抽象的な欲が生まれてくる。つまり環境(のようなもの)が生物(のようなもの)を創り出していた。

しかし、ゼロ点を超えた上の「時間に生きている世界」では、「空間の生きている世界」で生み出された「欲」が主役となり、その欲が自らを実現するためにつながりながら、欲を実現するための環境を創り出していく。
益田さんは、それを「私欲が公欲」を創り出すというのです。

たとえば、それぞれがばらばらに私欲を実現していたら混乱が生ずるので、お互いに私欲を満たすための公衆(例えば公衆便所や売買のための金銭)の仕組みを創り出す、というわけです。これを益田さんは「公欲」と呼ぶのです。

上の世界と下の世界の違いは、たとえば言葉や概念があるかないかです。
ちなみに、上の世界を持っているのは人間だけだと益田さんは言います。
そして、公欲は、その上の円錐が別の人と重なるところに発生する。そこに「公」という概念が生まれるというのです。

かなり大雑把に整理しましたが、以上が私の理解した今回の益田さんの話です。

さらに益田さんは、こうした捉え方をすれば、人間が行っている3つの破壊行動(環境破壊、健康破壊、自殺)や引きこもりなどの問題を解決するヒントが得られるかもしれないと考えているようです。

世界を変えてしまう「欲」とはなにか。
そこが大きな問題のような気がします。
益田さんが言う「欲」は、体から生み出されたのに、体を超えて、どんどんと進んでしまう。体を維持するための食欲が、体を壊す過食になってしまい、さらには心さえ壊しかねない金銭欲や名誉欲を生み出してしまう。
そしてさらには「ゼロ点」を超えて、欲のための世界を創り出すになる。

私自身は、「欲」というよりも、ここは「意識」と言った方がわかりやすいような気もしますし(益田さんは賛成しませんが)、そもそも「公」という文字をこういう使い方をするには違和感があります。
しかし、逆に違和感や異論があればこそ、そこから学ぶべきことがあるはずです。何かが見えてくるようで見えてこない、そんな感じで話し合いは終わったような気もします。

そこでさらに次回は、これをベースにもう少し具体的に掘り下げられないか、ということで、「心と言葉と時間 パート4」を開催することになりました。

と言っても話し合いは今回の続きというわけではありません。
益田さんも、今回の話し合いを踏まえて、さらに持論を見直し新たな問題提起をしてきてくれるでしょう。それにまだ、テーマにある言葉と時間についての話はあまり出ていません。
さらにいえば、生物と環境の関係という最初のテーマにも新しい視点が加わってくるかもしれません。

次回はまだ日程は決まっていませんが、できれば11月下旬を予定しています。

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2023/10/29

■湯島サロン「食のチャネルからのメッセージ」報告

チャネリングなどを通してのソウル・セッションの活動をされている“しーちゃん”ことタカイさん(M.Rosemary)にお願いした「食のチャネルからのメッセージ」のサロンには、9人が参加しました。

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タカイさんは、全方向コミュニケーターとして、さまざまな活動をされていますが、そのひとつが「お食事リーディング」です。個人あてのメッセージをチャネルから受け取り、個人の食生活に関して相談に応ずるというお仕事です。

そうした活動をしていて、最近、誰に対しても、最初に降りてくるメッセージ(ファーストセッション)に共通点が多いことに気づいたそうです。個人の食生活を考えていく前に、まずはこれまでの食生活のデトックス(浄化)や胃腸のリトリート(自己回復)が必要なほど、現代の食環境が個人を超えて、すべての人に影響を与えてしまっているということでしょう。
そこで、今回は、そうした基礎的な、誰にも通ずる共通する話をサロンでしてくれたのです。

チャネルからのメッセージですから、単に事実を伝えるだけで、その根拠までは降りてきませんが、そうしたことに関してもタカイさんは自分の考えを少し入れながらわかりやすく話してくれました。私にはとても説得力がありました。
特に現代の都市生活者にとって重要なアドバイスも細かくしてくれました。

個々の具体的な話は、中途半端に書くと誤解を生じかねないので止めますが、基本にあるのは、次のような考えのようです。文責は私にあります。

生命は、その地域に合ったように時間をかけて進化してきている。だから、基本的にはその地域が生み出す食材を、しかも先祖たちが食べてきたような調理法で食べることを基本とするのがいい。
たとえば、日本列島に住んできた人たちは、基本的には生野菜を食べずに、加熱して食べてきた。生のまま食べたのは「漬物」と毒消し用の薬味だけだった。だから消化器官も、それに合ったようになっている。

いわゆる「身土不二」の考えです。人の身体は人が暮らす土地と一体で、切っても切れない関係にある。
ところが、最近は、さまざまな食材・食品や調理法が導入されてきたうえに、工業化された加工食品が増えているため、私たちの胃腸は疲れ切っている。だから、食生活の見直しをするのであれば、まずはデトックスとリトリート、というわけです。

具体的な話は、関心のある人はタカイさんのセッションを受けてください
https://shi-dobe-ginza-sea.jimdo.com

個々のアドバイスはともかく、リトリートのためにも、「食べた気がしない食事」「食べた後も身体が軽くすぐ動ける食事」「体があったかくなるような食事」に心がけるのがいいとタカイさんは言います。できるだけ食事を軽くし、身体の負担を減らし、消化吸収力を上げることが大切だというのです。
基本は「一汁一菜」、そして「よく噛む」。

また調味料なども、都会人の場合は、3種類くらいのものを順繰りに使うのがいいとも話してくれました。それは、私たちの生活が多様なスタイルを取り込んでしまっていることと関係があるようです。
というように、食は地域とつながっていると同時に、実際の暮らし方ともつながっているという指摘も興味深かったです。

またタカイさんは、NG食材やNG食品の話をしましたが、すべてを○×で考えるのではなく、できるだけ気をつけるという、緩やかな取り組みでもいいと言います。
NG食品が絶対だめだと言われても、それは現実的ではないのです。でも、だからこそ、NG食品を意識しておくことは大切なのです。

いろいろ話を聞いていると、安心して食べるものがなくなってしまうような気がしますが、逆に簡単にコンビニなどで手に入る食品ばかりに依存せずに、できるだけ材料から、少しは苦労して自分で調理する食生活に変えるのがいいということでしょう。
たとえば、自分で炊いたご飯で作るおにぎりはおいしいし消化もいいけれど、コンビニで売っているおにぎりは、それとは全く別の食べ物と考えた方がいいという話もありました。
たしかに、そのふたつは食べた後の感じが違うことは私も実感しています。

今回も牛乳や乳製品の話も出ました。
やはり牛乳はお勧めではないようです。それでは何を飲めばいいかと質問したのですが、参加されていた青木さんが「ミキ」という奄美大島で愛飲されているという乳酸発酵飲料のことを教えてくれました。
お米とサツマイモで、簡単に作れるそうです。
それで今度、青木さんに乳酸発酵飲料「ミキ」の作り方を教えてもらうサロンをお願いすることになりました。

青木さんは、すでにユーチューブなどで、「ミキ」の普及活動に取り組まれています。
https://www.youtube.com/watch?v=XmBRs6Hl2PI
関心のある人はご覧ください。
「ミキ」サロンはまた改めてご案内します。

サロンの翌日から、私の食生活は少し変わりました。

 

 

 

 

 

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